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君はきっと、気づいてない。 自分がどれだけ無防備で、
どれだけ人を狂わせる存在か。
初めて話した日のこと、
君は覚えてないだろうな。
書類の場所が分からなくて困ってた時、
声をかけたのはほんの気まぐれだった。
なのに君は笑って、
「助かった、ありがとう」
そう言ってくれた。
ただそれだけ。
ただ、それだけで。
世界の色が変わった。
——この人を守らなきゃ。
そう思った瞬間から、
全部が始まった。
君は人を疑わない。
頼まれたら断れない。
疲れてても笑ってしまう。
危なっかしくて、見てられなかった。
だから知ろうとした。
好きな飲み物。
帰る時間。
誰と話すか。
どんな顔で笑うか。
知れば知るほど安心した。
君はちゃんとここにいる。
ちゃんと無事だ。
それだけで落ち着いた。
でも同時に、
気づいてしまった。
君の周りには、
僕以外の人間が多すぎる。
君は誰にでも笑う。
誰にでも優しい。
それが怖い。
誰かに取られるくらいなら。
誰かに壊されるくらいなら。
いっそ。
僕が閉じ込めてしまえばいい。
僕が全部守ればいい。
僕だけを見ていれば、
君は絶対に傷つかない。
ねえ。
君が昨日、
窓から外を見てたの知ってるよ。
僕がそこにいるか、
確認してたんだよね。
安心して。
ちゃんといるよ。
これからもずっと。
君が嫌がっても、
逃げようとしても。
僕は絶対、離さない。
だって。
君がいない世界なんて、
僕には価値がないから。