めっちゃ投稿遅くなってすみません。7話です。
私は梨々愛。ある日乙女ゲームの悪役に転生していることに気づいた。今日はクラブ見学の日で、念願の作法クラブの見学に行くのでワクワクだったのだが、乙女ゲームのヒーローの一人とクラブが被っていることに気づいた。そのせいで気分はダダ落ち。何もすることもできなくクラブ見学の時間になってしまった。乙女ゲームの中で私の専属メイドはヒロインなのだが、つれてきた従者は見学に参加することになってる。つまり、ヒーローとヒロインの対面の場を作ってしまったということ…あんなに気をつけてきたのに…最悪だ。とりあえずあまり目立たないようにしよう。そうすることしか私にはできない…。とりあえず作法クラブの場所に向かおう…たしかクラブ室②だったっけ…?こっちかな…?あれ?2ーAクラス?じゃあこっち…?あれ?こっちは生徒会室?……しまった。迷子だ…前世からあまり道を覚えるのは得意じゃなかった。警察のお世話になったことは合計8回。全部迷子関係で。
「お嬢様…大丈夫ですか?」
この子が乙女ゲームのヒロイン兼専属メイドの月愛一華。
「…一華、作法クラブまでの道、教えてくれない?」
「えっ…もしかして迷子なんですか?」
「…とりあえず教えて!」
「いつまでも案内してもらえないんですから、道は覚えたほうがいいですよ。作法クラブの場所はこっちです。」
「ごめん…ありがとう…」
我ながら情けない…。悪役がヒロインに道を教えてもらうなんて…。
「着きましたよ。お嬢様。」
「こんな近かったなんて…てかもう見学始まってる!?謝るしかないのかなあ…」
ガチャ…ドアを開けると、テーブルがまばらに配置されていて、いろんな人が座ってお茶をしている。
「あ、梨々愛ちゃん!こっちです!まだギリギリ始まってませんよ!」
この子は今訳あって女装している乙女ゲームのヒーロー、風入蓮。
「あ、蓮ちゃん!よかった。まだ始まってなかったんだ」
「はい。それにしても梨々愛ちゃん…遅れるなんてどうしたんですか?」
「その、迷子になっちゃって…」
「そうだったんですね…あ、始まりますよ。
「みなさん、今回は作法クラブへと見学に来ていただき、ありがとうございます。クラブ長の3ーAクラス、**橘百合子(たちばなゆりこ)**です。ここでは生きていくうえでの作法、礼儀を教えていきます。何かトラブルがありましたら、気軽に私に話しかけてくださいね。次にこのクラブの説明を詳しくしていきます。〜〜〜〜〜〜〜〜」
すごい美人だ…綺麗系って感じがする…!かといって悪役顔ではない優しそうな顔…うーん、橘って聞いたことある気がするなあ…
「お話、終わったみたいですね。実際に先輩たちのクラブ活動を見に行きましょう。」
「そうだね蓮ちゃん。それにしても、橘先輩優しそうだし美人だったね。」
「そうですねえ。やっぱり私は作法クラブ入ろうと思います。クラブの雰囲気もいいし。」
「私もそうしようかなあ。」
「あ、先輩方がやってますよ。」
「ほんとだ!……やっぱ橘先輩上手いね。動きがしなやかで品があって。他の先輩方もめちゃきちゃ綺麗だし、私もああなりたいなあ…!」
「梨々愛ちゃんは作法を身に着けたいんですか?なんで?」
「うーん…やっぱり大きな理由は、周りの人が不快に思っちゃうことが嫌だからかな。私が原因で他の人にまで迷惑がいっちゃうと、嫌じゃない?」
「確かにそうですね。梨々愛ちゃんは要領いいタイプだと思いますし、きっと大丈夫ですよ。一緒に作法クラブがんばりましょう!」
「そうだね。あっ!もうそろそろクラブ活動終わりみたい。先輩方の所作、すごすぎて見入っちゃったね。」
「そうですね。ああなりたいものです。」
「みなさん、見学に来た理由は色々あると思います。貴重な見学に我が作法クラブを選んでくださりありがとうございます。良かったら、入ってくださいね。それでは、私が終わりの挨拶をしたいと思います。それでは、作法クラブをこれで終わります。」
やっと自分の部屋に戻ってこれた。大変だったけどなんだかんだ楽しかったし、蓮ちゃんも警戒するほど悪い子じゃなかったな。まあ、乙女ゲーム的には悪役とヒーローなんだけどね。
「蓮ちゃんおやすみ。また明日。」
「おやすみなさい梨々愛ちゃん。」
このやりとりも慣れる時が来るのかな。提案したのはどっちだっけ…。まあどっちでもいいか。
第7話 おわり
コメント
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これからどんな展開になるのか楽しみです!! 続き待ってます!