全てのアーティファクトが集まり、異星人との戦いも終わった。そして、つきが連れてきた東京での静かな一日が流れる中、萌香たちはふと不安を覚えていた。あの島、あの異世界で亡くなったはずの仲間たちはどうなったのだろうか?
その答えが、思いも寄らぬ形で訪れる。
「みんな、ちょっと待ってて。」
突然、つきが立ち上がり、手を天に向けてかざす。その瞬間、空気が一変し、街の中に眩い光が差し込んだ。
「まさか…!」
萌香が目を見開き、みりんといさなも驚きの表情を浮かべる。
そしてその光の中から現れたのは、ゆうなだった。
「お前、どうして…?」
いさなが驚きと喜びの入り混じった声で叫んだ。ゆうなは少し照れながらも微笑みながら答える。
「この世界で、死んだ者は必ず戻るって聞いたんだ。だから、私はまだ終わってないって、わかってた。」
ゆうなの声は穏やかで、どこか誇らしげだった。確かに、あの島で命を落としたはずの彼女が、こうして戻ってきたのだ。
「でも…どうして?」
みりんが少し不安そうに尋ねると、ゆうなは優しく答える。
「神様が、みんなのために、私を返してくれたんだよ。私が死んでこっちに来た時、神様が言ったんだ。『この世界に戻る時、君の役目はまだ終わっていない』って。」
「じゃあ、みんなで東京を見て回ろうか。」
つきが冷静に提案した。その顔には、いつもの塩対応の表情が浮かんでいたが、どこか優しさが見え隠れしている。
「でも、私は…」
萌香が少し躊躇しながら言うと、つきはニヤリと笑う。
「迷わなくていいんだよ、みんなで楽しもう。いいだろ?」
それに、いさなとみりんも大きく頷いた。
四人と一人が、街を歩きながら笑い、時には驚き、そして時には不思議な体験を共有しながら、東京の街を歩き回った。
コメント
1件
٩( ᐛ )و