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ジュース → 🎤
アイス → 🙂
ふたりとも自覚アリです
アイスが溶けます。
⋯
それは、何気ない一言だった。
『なぁ、きんとき。』
『ん⋯?』
『もし俺が、アイスだったらどうする?』
『えぇ、スマイルは普通のヒトでしょ?⋯うーん、ジュースと結ばれないように、
俺がスマイルを幸せにする⋯かな。』
その日は、夜空がとてもきれいな夜だった。
堪らなくなった俺は、スマイルを家にあげ、少し乱暴に唇を塞いだ。
「⋯だからお願い、他のところへいかないで。」
彼はそれ以上、何も言わなかった。
手を握れば、少しひんやりとした感覚に、否が応でも彼はアイスなのかと認識してしまう。
俺の診断書は、どこへ行っても『ジュース』だった。
それでも、どこかでは『人間』と認めて貰える場所があるかもしれないと、
彼と結ばれる方法が何か無いか、必死に探したんだ。
それでも無情に同じ結果を突きつけられた。
『俺がアイスだったらどうする?』
その言葉はきっと、俺は聞いてはいけなかったんだと思う。
それを言う彼の顔は、俺をジュースだと知っての発言のようだったから。
「なぁきんとき。」
彼に名を呼ばれ、顔を上げれば伸びた手が優しく頬を拭う。
「⋯なくなよ。」
それを聞いて、初めて泣いていたことに気づいた。
「ないてないし、ぃ⋯」
「ふは、流石に無理あるって。」
つくづく情けないなぁ、なんて思う。
そのままぐいっと顔を近寄せられ、一度だけ触れるような口づけをされる。
「俺、きんときになら溶かされてもいいよ。きんときに溶かされたい。」
アイスの宿命。
ジュースと結ばれれば、溶けてしまう運命。
「大丈夫。俺は溶けてもきんときと一緒だ。」
涙がとめどなく溢れて、視界が彼をにじませてしまう。
お前、俺がどれだけ悩んだのか知らないだろ。
「だから、一瞬だけでも俺を愛してくれないか?」
「…ああ、いいよ。」
ぴちゃっ、となにかが一滴、垂れるような音がした。
アイス【🎤×🙂】end⋯?
続きは要望があれば。