交換条件4日目
今日もいつもと同じようにymdの所へ向かう
何となく机の上に置いてあったグミを持って
tk)ごめん、遅れた
ymd)別にええよ
tk)あと、これ
そう言い、グミが入った袋をymdに投げつける
ymd)え、マジ?持ってきてくれたん?
tk)まあ、何となく…?
ymd)めっちゃ嬉しいんやけど!
tk)そんなに?
ymd)俺お菓子の中で1番グミが好きやねん!
tk)喜んでもらえたなら何よりだよ
ymdが嬉しそうにグミを口へと運ぶ
美味しそうに頬張る彼の姿は幼く思えた
ymd)独房にぶち込まれてからグミなんか食べられへんからさ
tk)基本的に食べ物の持ち込み禁止だもんな
ymd)久しぶりのお菓子に感動してまうわ
tk)w
tk)今日はなんの話しするつもり?
ymd)特に決めてへんねん
tk)何となくそんな気がしてた…
俺にとってチャンスだった
ymdに聞きたいことがあったんだ
失礼かもしれないけど気づけば口を開いていた
tk)…じゃあ聞いてもいい?
ymd)別にええけど…何を?
tk)ずっと聞きたかったんだ
ymd)…
tk)ごめん、失礼な事聞いて
ymd)別に…
tk)…今の忘れて
別の話題にしy…
ymd)冤罪
tk)え?
ymd)だから冤罪
ymdの口から出てきた言葉は想像の遥か上をこえるようなものだった
急に空気が重くなる
ymd)話して欲しい?
tk)…うん
ymd)ここから先は有料でーすw
tk)じゃあさっきのグミで払ったことにしてよ
ymd)まあ…しゃあないな
tk)ありがと
ymd)多分長くなるし、重くなるで
隣に座ったymdがわざとらしく咳払いをして話し始める
ymd)さっきも言ってんけどさ、俺冤罪やねん
tkさ、俺がなんの犯罪したことになってるか知ってる?
tk)確か殺人…一般人を殺したんだっけ?
ymd)おん、書類上ではな
俺は人殺しなんかしてへんねん
けどな、強制的に認めさせられてん…
tk)そうだったんだ…
衝撃の事実に驚愕してる俺を横目にymdは話を続ける
その後も衝撃は続いた
ymd)何で俺が捕まったか分かる?
tk)全然…分かんない
ymd)実はな、俺ちょうど事件現場におってん
tk)…え、どういうこと?
ymd)その場にいた人が勘違いしてさ
俺が犯人やって叫びまくられて
取り押さえられてん
tk)勘違いで…
ymd)言い訳しても聞く耳持ってくれへんくてさ、警察に訴えても無駄やった
やから、全てを受け入れて諦めることにしてん
tk)犯人は…?
ymd)今はどっかでゆっくりくつろいでるやろ
tk)そんな…
ymd)俺さ、犯人の顔もしっかり見ててんけどな
tk)どんな人だったの?
ymd)男やった
tk)それだけ?
ymd)おん、それだけや
昔のことなんかあんま覚えてへんからなw
せめて情報が分かれば犯人を特定できたかもしれない
いつも笑顔でヘラヘラしている彼はきっと裏では苦しかったんだろう
それなのに、そんな様子見せずに俺と話していたんだ
本当は殺していないという事実を知れた嬉しさと同時に申し訳なさが溢れる
ずっと勘違いしてたんだ
それなのに俺は…
殺そうとしていた
あいつの全てを知ったかのような感じで話していたんだ
書類上の事実だけに惑わされていたんだ
tk)ポロッ
ymd)ちょ、お前何泣いとんねん
tk)え…あ、ごめん
ymdの話聞いてたらちょっと…
気づけば大粒の涙を零していた
何故か涙は止まらなかった
ymd)ごめんな、こんな重い話して
tk)いや、俺の方こそごめん
苦しいはずなのに思い出させちゃって
ymd)これくらいどうってことないでw
ymdが背中をさすってくれている
だんだん落ち着いて涙も乾いてきた
ymd)落ち着いたか?
tk)うん…ありがと
ymd)もう1時半ぐらいやけどどうする?
tk)もうこんな時間経ってたんだ…
ymd)ここに今日泊まってくか?w
tk)…うん、そうする
ymd)え、マジ、冗談で言ったつもりやねんけど…w
ymd)まあ、看守にはバレへんと思うしええよな!
今日はアジトに帰らずにymdといることにした
泣き疲れたのもあって眠気が襲ってきた
気づけばymdの肩に寄りかかって眠っていたらしい
ymd)こいつもう寝てるやんw
…運んだるか
ymd)こいつ軽すぎなんだけど…ちゃんと飯食ってんのか?
ymd)寝顔可愛いなw
おやすみtk…
深夜2時頃お互いが眠りについた
ymdを殺すまであと3日になった
コメント
2件
うわああああ好き!!!! もう...天才じゃん