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新ストーリー(『夏休みの友達。』)
⚠️ご注意⚠️
・死の表現や暴力表現が入ります
苦手な方は閲覧をおすすめ致しません。
・後味がとても悪く思われます、
苦手な方は閲覧をおすすめ致しません。
・通報やアンチ等受け付けておりません。
注意閲覧された方のみ
スライドをお願い致します。
8月31日
君が死んだ。
7月20日
今日から夏休み
終業式を終え、皆が帰り始める
だが、君だけが帰り始めない
クラスで浮いている
いわゆる陰キャな君
いつも1人空を眺めている
そんな君が気になり
僕は、声をかけた
「帰らないの?」
いきなり声をかけられ
ビックリしたのか
君は目を丸くし僕のことを見つめている
言葉が出なかった
気まずい雰囲気の中
沈黙が数分続いた。
そこで急にドアがガラガラと音をたて開いた
先生が来たんだ。
先生は「お前らまだ居たのか、早く帰れよー」と
僕たちに向かいそう言い
教室に置いてあった、書類を持ち
教室を後にした。
僕が呆然と立っていると
漸くし君は言葉を零した。
「貴方も、帰らないの?」
その言葉を言うと直ぐに目を逸らし
立ち上がって、廊下の方へと向かう君
僕がまだ、立ち止まっていると
君は、
「一緒に帰ろ」と
少し微笑みながら言う。
笑った顔など見たことが無い
…まず君の顔を見ようとなんてしたことが無かったから。
お互い初めて話をする
会話にはなっていないが。。
何故君が僕を誘ったのかも分からない
沈黙の空気が流れながらも
1歩1歩廊下を進む。
きっと君も同じ気持ち
なぜ僕が声をかけたのか。
僕にはどっちも分からない。
沈黙の空気に嫌気がさした僕は
一言。
「君はどうして、”そうしているの?”」
我ながらとても失礼な質問だと思った。
ただ僕には理解できなかった。
君は女なのに、男のような格好をしている
髪は男のように短く。
制服は男のものを来ている
持ち物だって、振る舞いだって、服装だって、
女には見えない。
でも
顔立ちだって、声だって、体格だって、
君は間違いなく”女性”だから。
君は少し沈黙が流れたあとこう言った
「”普通”じゃ、ないよね笑」
苦笑いのような笑顔で僕を見た。
なぜだか。そんな君の笑顔に胸が締め付けられる
下駄箱のところで僕は君に
「ごめん。」
と口にした、
靴を履き替えたら走って1人で帰ろうと思った
そしたら君は
僕の手をギュッと掴み
無言で俯いている。
僕は一人で帰ることを辞め
一緒に帰ることにした。
話すことはなく
ただただ無言。
でもなんだか、いつもとは違う感覚がした。
別れ際
僕は君に
「ちょっと待って!」
と言い、君を引き止めた
僕は近くのコンビニを指さし
君に言った。
「あ….アイス好き…?」
君はこくりと頷き
2人コンビニへと入った。
僕はソーダ味
君はチョコ味
2人コンビニの前でアイスを食べる。
少しでも会話をしたいと思った僕は
君にこう尋ねる
「チョコ味..好きなの?」
そしたら君は
「うん…チョコがいちばん好き」
僕はどう返したらいいか分からず
一言。
「そっか…」
「あなたは、ソーダ味…好きなの?」
今度は君が僕に尋ねる
僕はアイスを食べる時は必ずソーダを食べるほど
ソーダ味のアイスが好きだ。
流すような言い方で
「まぁ….うん。ソーダが1番好きかな」
お互い話したこともない
名前も大して知らない。
だけど、お互いの好きなアイスの味なら
知っている。
アイスを先に食べ終わった君は
バックからスマホを取り出し
LI○EのQRコードを見せる。
お互い無言のまま
L○NEを交換した
そしたら君は手を振りながら
急ぎ足で帰っていった。
長々と食べていた僕のアイスは
もうだいぶ溶けてしまっている。
溶けたアイスから見えた
アタリという文字。
本当にアタリなんて出るんだなと
驚いた気持ちと
君と話した時の複雑な気持ちが
入り混ざる。
僕は何故だかアイスの棒を交換せずに持ち帰った
そろそろ7月の終わるころ
君から1件のLI○Eが来た
『今日会えない?』
僕は夏休み、よく遊ぶ友達が旅行に行っていて
ずっと暇を持て余していた。だから僕は
「うん会えるよ。」
そう返信した
その後場所と時間が送られてきた
15時半にこの前のコンビニ。
君からそう連絡があり
僕はそのコンビニに向かった
そこには
ソーダ味のアイスを食べながら
待っていた君が居た
僕はふと思い声をかける
「ソーダ味も好きなの?」
「チョコの方が好きかな」
そう君は言う
僕もコンビニへと入り
久しぶりにチョコ味のアイスを買う。
僕がチョコ味を口にすると君は
「チョコ味はどう?」と聞く、
僕は久しぶりにチョコ味を食べた
美味しいが
やはりソーダ味の方が好きだ
「僕も…ソーダ味のが好きかな」
「そっか」
君は軽く頷きながら言う
軽く沈黙の後君は
「死のうと思うんだ」
「8月31日に。」
そう言い空を見上げる。
僕はなんて返せば良いか分からず
少し無言になる
君と同じよう、空を見上げた
入道雲が大きく空一面に広がっている
僕は君に
「どこで死ぬの…。」
きっとこれは自分の心配しかしていなく
出た言葉だったのだろう。
そんな僕とは裏腹に君は
「んー、決めてないかな。」
と明るめな声で言う
「それでさ、もし良かったらなんだけど」
君は空を見つめたまま僕に
「死ぬまでの間、友達になって」
「うん…いいよ」
僕は君と友達になることを了承した
その日から君とこの時間
毎日会った。
同じアイスを食べながら
世間話だったりをした。
8月22日
今日はとても暑い
最近だと一番暑い、朝の天気予報で見た話
今日は40度以上あるらしい。
でもそんな日に君は
長袖で来たんだ
この日僕は少し早めに着いて
先にアイスを食べて待っていることにした
いつもは僕の方が後に来るため
珍しいこともあるものだと考えながら
ソーダ味のアイスを買おうとする
ただ僕は何となく、今日はチョコ味が食べたくなり
チョコ味のアイスを買う
アイスを食べながら待っていると
少しして君が来た
女物の長袖を着た君が。
僕は、君にこう声をかけた
「どうしたの、こんな暑い日に長袖なんて。」
君は無言のまま答えてくれない。
日焼け対策とかか何かと最初は思ったが
この感じはそんなことでは無さそうだ。
ちりちりと照らす太陽に
2人とも汗だくになっている中
君は腕まくりすらしない
「このままじゃ熱中症になっちゃうよ」
と言い。取り敢えず2人してコンビニの中へと入る
話している間に、アイスが溶けてきてしまった
夏はアイスが溶けるのが早い。
君は溶けそうなアイスを見て
「今日はチョコ味なんだね」と
笑う
そんな君の笑顔に
僕はまた胸が締め付けられてしまう。
少しの間無言で居ると
君は袖を捲り
僕に腕を見せる
そこにはたくさんの痣。
「なにこれ….どうしたの…?」
僕はその怪我を見て心配になり
君に尋ねる
そしたら君は
「なんでもないけどさ。」
「こんなの見えたら外…出ずらいでしょ、」
僕はなんて返したらいいか
また、分からなかった。
あまりコンビニの中に居ると迷惑なため
君と一緒に僕は外に出ることに。
最近は毎日アイスを食べていたため
お金が無くなって来ていた
だからコンビニで買うものも無い。
こんな暑い中
外にいるわけにも行かない為
僕は君に、
「家、来る…?暑いし、帰りずらかったらだけど」
そう言うと、君は少し空を見上げながら
深く頷き
「うん…」
と言う
君の怪我は、まさか。。
嫌な考えが頭をよぎる
一緒に僕の家へと向かう。
家に着く時には
君の顔は真っ赤だった。
家に君をあげると
母さんが
「あらどうしたのその子」
「大丈夫?顔真っ赤よ」
君は
「はい、まあ大丈夫です…」
大丈夫な訳無いのに
そう言う
僕は母さんに
「友達。暑いからさ….」
「分かったわ、今お水持ってくるわね」
そう言い母さんはお水を取りに行った
取り敢えず君を部屋へ上げ
お水を渡した。
少し落ち着いてきた君に僕は
こう尋ねる。
「どうしたの….色々と。」
僕は無意識的に君の腕をちらりと見る。
君は目を逸らし
あまり言いたくなさげに俯く。
僕はふと、
「暑いよな、僕の服で良ければ貸すよ」
でも君は
「大丈夫…ありがと」
「熱中症になっちゃうだろ…な?、」
僕は君が心配なため、何度か説得をする。
「うん、じゃあここに居る間だけでも貸して」
君は着替えると
少し顔色が良くなったように見えた。
するとブーブーブーと電話の音が鳴る
「あ、ごめんな、電話出るから外出るね」
そういい君は僕の部屋を足早に出る
少し長い間電話しているようで
戻ってきた時には、暑さか。それともまた違う理由で
顔色が悪くなっていた
君は
「ごめん、もう帰らなくちゃ…またね」
「うん、またね。」
僕は焦っているような君にまたねと返す
またちゃんと会えるのだろうか。
窓から見えた君はとても急いでいるようで
走って帰って行った。
家になんて誘わない方が良かったのだろうか。
その日は1日君のことを考え過ごした。
8月30日
僕は君が明日死んでしまうのかと
思い君に電話をかけた。
君は電話に出なかった。
夜にもう一度かけた時
君は電話に出た
だがとても慌ただしく
していた君
「どうしたの…」
「急に…ごめん」
「明日…死んじゃう…の、か?。」
僕は君の死を考えると
涙が溢れてきた。
「うん…人に迷惑にならない方法考えたんだけど」
「なかなか思いつかなくて…今迷ってる。」
君は震えた声で僕にそう言う
「僕は….君に、生きていて、ほしい…」
ポロポロとこぼれる涙は
どうしてか、拭いても拭いても止まらない。
「ありがと…ごめん。」
「そろそろ切るね。。」
君は少し早口気味で言う
僕はせめて最後に
君の名前が聞きたい
「待って…」
そう言って呼び止める、
でも
「サヨナラ。」
今度の君は呼び止めても待ってはくれなかった
その一言を最後に、電話は切れてしまった
9月1日。
今日から学校だ
教室に入ると
クラス全体が静まり返っていた。
2年C組の生徒が自殺した。
もしかしたら生きてるんじゃないか
もしかしたら、もしかしたら
そういう期待を抱いていた。
でも君は家で首を吊って亡くなったらしい
その日は授業所ではなく
帰ろうと荷物をまとめていると
あの日夏休みが始まる直前に早く帰れと声をかけた先生に
呼び出された。
内容は
「あまりこんなことを話すもんでも無いが。」
「佐野くんは、南海さんと友達とかかな」
僕は何も答えることが出来ず
先生も今日は僕を家へと返した
そして僕は夏休みだけの友達が好きな
チョコ味のアイスを食べた
夏を過ごす間、最近はチョコアイスばかり食べる様になっていた。
「なんで…友達になんて、なっちゃったんだろう…」
今にもこぼれ落ちそうな涙を堪えながら
君との夏を思いだす。
「南海 竜胆。君の声で聞きたかった。。」(みなみ りんどう)
僕はちょっとの夏休みで
1人の友達が出来て、1人の友達を失った。
その事実に耐えられなくなり
僕は学校に行かなくなった。
家に居て気がついたこと。
机の上にアタリと書いたアイスの棒。
これは、
君とアイスを食べた時の物。
気がつくと僕はアイスの棒を持ち
コンビニへと向かっていた。
一人で食べるソーダ味のアイスは
なんだか、味気なく感じた。
僕はこのアイスを食べ終わり
ふと。
「、死のう」
9月14日
僕は死んだ。