テラーノベル
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私の家は会社から徒歩で約40分。まだ車の免許を持っていない私は、毎日歩いて帰っている。夏の暑い日なんて特に大変で、社内のいろんな人から「え、あの距離歩いてるの!?」って驚かれるのが日常茶飯事だった。
もちろん、あのウロウロしている神原さんにも言われたことがある。
神原さん「え、Kちゃん歩いて帰ってんの? マジで? 40分はヤバいでしょ」
K「そうなんですよ〜、まだ免許なくて」
神原さん「うわ〜、この暑いのに可哀想……俺が乗せてってあげたいけどさぁ」
そう言って神原さんは、マスクの奥の目をクシャッと細めて、人懐っこい笑みを浮かべた。
神原さん「俺が乗せたら誘拐になっちゃうし?……それに、真っ直ぐ帰せんかもしれんしね?」
K(……は??)
冗談めかした軽いトーンなのに、急に「男」を匂わせてくるそのセリフ。
30代でパパのくせに、そういうズルいことをサラッと言ってくるから、毎回心臓が持ちたない。
──そして、ある雨の日のこと。
会社を出てすぐ、ポツポツと降り出した雨が、あっという間に激しい土砂降りになった。
傘を持っていなかった私は、とりあえず一番近いコンビニまで必死で早歩きして、軒下で雨宿りをすることにした。親に車で迎えに来てもらうよう連絡して、じっと待っていた時のこと。
途中で通りかかった会社のおばさんが車を停めて、「大丈夫!? 乗っていく?」って親切に声をかけてくれたんだけど、なんだか申し訳なくて「大丈夫です! 親が来るので!」って断ってしまっていた。
びしょ濡れになった服を軽く払いながら、コンビニの屋根の下で寒さに身を縮めていた、その時。
ブォン、と排気音を立てて、1台の車がコンビニの駐車場に入ってきた。
運転席から降りてきたのは──私服姿の、神原さんだった。
私服だから帽子もマスクもしていなくて、あの「ガチでイケメンな素顔」が剥き出しになっている。
雨を避けるように少し首をすくめて店内に入ろうとした神原さんと、バチッと目が合った。
お互いに「あ!」と声が出る。
神原さん「どうしたの? こんなところで」
神原さんが驚いたように目を丸くして、私の元へ歩み寄ってくる。
K「雨降ってきちゃって……親の迎え待ってるんです」
神原さん「あ〜、なるほどね。……服、めっちゃ濡れてんじゃん。寒いでしょ」
心配そうに眉を下げて私を見下ろす神原さん。
さっきおばさんの車を断ったばかりなのに、目の前にいるのが神原さんというだけで、急に胸がドクドクと暴れ出す。
神原さんは一瞬、店内の方をチラッと見たあと、キーポケットから車の鍵を取り出してジャラッと鳴らした。
神原さん「親御さん、もうすぐ着くの?」
K「あ、えっと……まだちょっとかかるみたいで……」
神原さん「そっか。……じゃあさ、乗ってく? 送ってくよ」
さっき「誘拐になっちゃうかも」なんて言っていた人が、雨に濡れた私を見て、少しだけ真剣な目をして車のドアを顎でしゃくってみせる。
おばさんの「乗っていく?」は断れたのに。
神原さんの「乗ってく?」には、心が揺れてどうしても即答できない自分がいた──。
Episode 4. end
To be continued…
ここまでが本当の話!
続きは妄想で書いたよ!
아 오 _ 🐷🐶
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コメント
1件
うわあ、この距離感、めちゃくちゃ刺さりました。神原さんの「真っ直ぐ帰せんかもしれんしね?」って、あの軽いトーンで急に核心突いてくる感じ、心臓に悪いです。雨の日にコンビニでばったり再会して、素顔で「乗ってく?」って言われる流れ、もう運命の仕掛けが細かすぎて……。おばさんは断れたのに、神原さんには揺れる、その違いが胸に響きます。続き、すごく気になります!