コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
敦side
ひろくんといつものようにSMプレイをしていた休日も終わり、
翌日、平日の朝から
俺はバレンタインに向けて、新作のチョコの材料調達にひろくんの大学の近くのスーパーまで買い出しに来ていた
その帰り、車のトランクに荷物を入れて
車を走らせ、時計で時刻を確認すると短い針は6時を指していて
ひろくんの大学がふと目に入り、車を近くに停車させた。
(ひろくんいるかな、ちょっと連絡してみよっかな)
そう思い、スマホを手にしてひろくんとのLINEのトーク画面を開き
【ひろくん~、まだ大学いる?今ちょうど大学の前いるんだけど】
と、キーボードの上ですいすいと指を滑らせた。
しかし数分経っても既読はつかず
他の生徒はぞろぞろと大学の門を通って帰っていく。
まだなんかやってるのかな?と、
壁に余暇りながら考えていたときだ
急に、見知らぬ女の子に声をかけられた。
「お兄さんイケメンですね~彼女でも待ってるんですか~?」
と、猫なで声で言ってくるのはボーイッシュな感じで黒髪のショートボブ
格好はまさに東京・歌舞伎町にいるような地雷系女子で、黒のオーバーサイズパーカーにパステルピンクのチェック柄スカートを合わせたスタイル。
レースアップの厚底ブーツと黒のニーハイソックスで足元を強調し、首元にはハート型ペンダントのチョーカーが着けられていて、とても大学生には見えやしない。
(この子、確か前にひろくんがゼミの飲み会言ったときに一緒にいた子じゃ…?)
「え?あー、彼女じゃないけど、恋人のこと待ってるんだよね。平野宏樹って言ったら分かるかな」
「あの美形メガネくん?やっぱりゲイだったんだあの人」
彼女は顎のラインで切り揃えたボブカットを触りながら、きょとんとした顔をした。
「やっぱって……?」
「そんな感じがしたってだけ」
「そっか、それよりひろくんってまだ中にいた?」
「あーいたっていうか平野くん今ゼミのグルチャで騒がれてるよ?ほらこれ」
そう言って彼女は、スマホの画面を俺に見せた。
そこには「カップル誕生か?!」なんてメッセージと共に
ひろくんが瑛太くんに頬をつままれて笑っているとこなどの写真が載っていた。
俺はその写真を見るなり、彼女のスマホを掴んで
これ、俺に送ってくれない?
と初対面ながらに食い入るように言った。
「え、いいけど…」
そうしてairdropで写真を転送してもらう。
「まあ多分この写真上げてるやつが盗撮したんだと思うけど、あ、本人たち気付いた」
そういって彼女は、再度画面を見せてくる。
そこにはひろくんが
「これ違うから、単なるいつものノリだから誤解しないで!?」
とメッセージを打っていて、続くように
『えーた』という瑛太くんらしき人物からも
「撮った変態ささっとこれ削除しろ」とメッセージがグルチャに流れて
その写真はすぐに送信取消され最初のメッセージごと消えていた。
今、脳内は「は??」で埋め尽くされていた。
そんな俺を見てか、彼女は心配そうに声をかけてくる。
「お兄さん大丈夫ー?顔色悪いよ?」
「え?ああ…気にしないで。」
「そ?…ってやば私これからバイトあったんだった!!じゃ、イケメンさんまたね~」
そう言って彼女は人混みに消えていった。
そんなとき、丁度ひろくんが姿を現した。
だからわざと手を振って大声で言う
「あ、いたいた!ひろくんー!」
するとひろくんは案の定急いで駆け寄ってきた。
「な、なんでこんなところにいるんですか!?」
第一声がそれってことは、俺のLINEも見ないで、ずっと|彼氏持ちの男《瑛太くん》と話していたのか、と考え
嫉視した。
「んー?いや、久しぶりに迎えに行こうかなと思ってさ」
なんて笑顔を作って言うけど、正直腹の底は煮えくり返っている。
もう聞いた方が早い
そう思い、スマホを取り出して
「それよりさ…コレ、なに?」
先程入手したひろくんと瑛太くんの写真を見せつけて言う。
「こ、これはさっきの…っ!どうしてしゅんくんが…?!」
もし俺が言わなかったら
気づかなかったら
俺の知らないところでひろくんは平気でこんなことをするのか
と、また怒りがふつふつと湧き出す。
「さっき話しかけてきた女の子がいたんだけど、ひろくんと同じゼミのね?」
「ゼミのグルチャに送られてきた瑛太くんとひろくんがイチャついてる写真何枚か見せてくれてさ」
「い、イチャついてるって…あれは誤解で…っ」
なんて必死に言い訳をするひろくんに更にイラッとして
思わず、言葉を遮るように言ってしまう。
「ねぇひろ、俺怒ってんだけど」
「ほ、本当に違いますから!あ、あれはただふざけてただけで……あと瑛太に関しては彼氏もいるんですから」
「俺以外の男にあんな顔するんだ」
その言葉にひろくんは言葉を詰まらせたようだったが、俺はそのまま続けて言う。
「否定も肯定もしないんだね」
自分でもお驚いてしまうほど普段よりトーンの低い声音で
「違っ…くて、そういうわけじゃなくて!」
そんな俺に肩をビクッとさせるひろくん
ほんとはこんな声出すつもりなんかなかったのに。
ひろくんにはもっと優しくしたいのに
なんて内心思いながらも、もう止まれない。
だから俺はさらに追い討ちをかけるように続けた。
「……ちょっとこっち来て」
言いながらひろくんの手を引いて
車の後部座席に無理やり押し込んだ。
「な、なにするんですか……っ」
「いいから黙ってて」
そう言ってひろくんに覆い被さる。
抵抗しようともがき始めるが、その抵抗をものともせずに俺はひろくんのズボンのチャックを下ろして脱がせると
上の服を首まで捲り上げて
さらに両足をM字に広げる。
「っ!ちょっと、ここ車ですよ!?」
「だから?それがなに?…ひろが濡らさないように気をつければいいだけ、簡単じゃん」
そう言って俺は、ひろくんの突起した肉棒に手を嵌めてそれを上下に擦る。
「っあ”ぁ!……っ」
ひろくんはいきなりの刺激に耐えられず大きな声を上げたが、すぐに口を手で押さえた。
その手を退けて
それすらも意味ないほどに速度を上げると
次第に先走りが溢れてきてクチュクチュと水音が響いてくる。
ひろくんは顔を紅潮させて必死に俺を引き剥がそうとしてくる。
「待ってしゅ、ん…っ!やめ…て」
「ひろが悪いの」
「な、なんでしゅん、そんな怒って…っ、!」
「分かんないんだ、へえ…」
(あー……もう怒った…)
怒りに身を任せて
ひろくんのアナルに指を1本、2本と挿れて
前立腺をぐりっと刺激すると
ひろくんは大きく体を跳ねさせた。
「っ!……ッ」
そのまま指を増やしていき3本目を挿入する。
ひろくんの中はきゅうきゅうと俺の指を締め付けてきていて
早く入れてめちゃくちゃにしてやりたい衝動にかられる。
けど、さすがに挿入したい気持ちは理性で抑える。
「ん”ぅ……ッ、!」
それでもまだ嫉妬心を抑えられなくて
「やだ…っ、ぁ…やめ…っ…」
「今日は素直にやめてあげれるほど優しくないから」
そう言ってひろくんのモノの先端を指でグリッと押してやると、背中を仰け反らせて逃げようとするので
それを阻止するように指をさらに奥に挿れる。
「や、やだ……っ!なんでこんな…ことっ……」
そんなに泣いたって今回ばかりは止められない。
「嫌じゃないくせに」
首を横にフルフルと振りながら「ちがっ」なんて否定するひろくん。
そんなとこも可愛いけど、今はもうその仕草でさえ煽っているようにしか見えない
「なにが違うわけ、ココこんなにさせてさ……」
そう言って指を引き抜くとひろくんは物足りなそうに腰を揺らした。
「み……っ、見な、いでぇ……」
意地を張ってるみたいだけど、身体は正直なようで後ろはヒクヒクとしている。
それに痺れを切らしてなのか、ひろくんは泣きながら回らない口で謝って許しを乞ってくる。
「ご、ごめん、ごべんなさい…!も……許してっ…」
「泣いたって許してあげない」
泣いてはいるけど、そこまで怯えた様子は無い。
そうやって俺だけを見ていて欲しいと独占欲が満たされていく。
本当に、自覚はしてる
しょうもない嫉妬をしてるということに。
(ひろくんが悪いんだよ、他の男とベタベタするし俺のLINEも気づかないなんて…)
「はぁ……は……っ」
嫉妬心と独占欲が混合した複雑な感情があって
荒い呼吸を繰り返すひろくんに、執拗く口付けをする。
そんなとき、急にひろくんにバッと胸を押されて、突き放された。
「っ、もぅ、やめてって言ってるじゃないですか!」
「…っ」
その声でようやく我に返った。
「なんで……も、もう…っ、やだ、しゅんなんか、知らない…っ」
やばい、やりすぎた
そう悟ったころには時すでに遅しで
ひろくんはズボンを履き直して逃げるように車から飛び出して行った。
俺は、ひろくんを追いかけることもせず、その場で固まってしまった。
やってしまったと後悔する気持ちが
今になって湧いてきたが
今追いかけても、言葉をかけても逆効果だろう。
***
そのあと、荷物を店の冷凍庫に詰めて、どうやって家まで帰ったか覚えていない。
けど気づけば部屋のベッドで横になっていた。
スマホを操作し、ひろくんとのトーク画面を開く
『さっきはごめん』と打って送信ボタンを押した。
薄っぺらく短文だが、他に言いようがなかった。
スマホを手放して天井を見つめていたが、いつの間にか寝ていたらしく
目を覚ますと窓の外はもう真っ暗で、携帯をみると4時間も寝てしまっていたらしい。
ぼーっとした頭のままスマホを手に取るとLINEにメッセージが入っていた。
確認すると、それはひろくんからで『ごめんなさい。
少しだけ、距離を置かせて欲しいです』とだけ。
既読をつけてすぐ『分かった』とだけ返信して目を閉じた。
すぐにメッセージを送った指とは反対に
心の中では『嫌われた』と焦りを露わにする自分がいた。
それから結局、その後なにも話せずに時間だけが過ぎていった。
俺とハルの行きつけのバーにて
ラム酒の入ったグラス片手に「はぁ……」とため息をつくと
隣にいた俺の兄であるハルに
「ちょっと飲みすぎだよ、まだ宏樹くんと仲直りしてないの?」
相も変わらない穏やかな声でそう言われてしまえば図星だった。
「逆にそっちはなんともないわけ?」
わざとそう聞けばドヤ顔で
『もちろん分からセックスして事後に仲直りしたよ?』
なんて言ってきやがる。
すると「ていうか、本当にずっと会ってないの?」と聞かれて
「…いや、だって会いに行っていいのか分かんないし、距離置きたいって言われてもう1週間すぎてんだよ?したこともしたことだし…絶っっ対嫌われた」
歯切れ悪く返すと、ハルはストレートに言った。
「なんだっけ、無理やり服めくってズボン脱がして…宏樹くんが泣いて謝ってもやめなかったんだっけ?」
「あ…言葉にされるとまじで俺クズすぎて死んだ方がいいな」
「うちの瑛太なら1時間電マとかローターアナルに突っ込んで放置とか、謝るまで寸止め地獄とか全然やれるんだけどね…」
なんてにこやかに、あははと笑いながら話す実の兄、やはり自分の兄だなとつくづく思う。
若干引くが。
虐めたくなる気持ちは死ぬほど共感できる。
「なんともハルらしい…けど」
俺がそう言うと
被せるように正論をぶつけてきた。
「けど、宏樹くんは違うんでしょ。トラウマ克服させようとしてくれた恋人に急にそんな扱いされたら、距離も起きたくなるって」
「…本当、ひろくんの元カレとしてること変わんないんだよな俺…最低すぎる、」
それから1週間
ひろくんからはもちろん連絡がないし
そのやり取りから3日後に奇跡的に道端で会っても、もちろん目も合わせてくれなくて
素通りが当たり前だった。
まあ…もう今は全然姿を見れていないのだが。
(……このまま自然消滅とか、普通に有り得る)
そんな思いが頭の中をぐるぐると駆け巡る。
ひろくんは俺にとってかけがえのない存在だし
手放したくなんかない
俺から離れていくなんて考えたくもない
だからこそあの時に
もっと冷静になるべきだったのに
嫉妬心でつい暴走してしまった自分が情けない。
「はぁ……まじでだめ、自業自得すぎるけどひろくんに会いたい…」