テラーノベル
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no view___________
時計の針が、午前4時を指していた。
外はまだ暗いのに、少しずつ窓の端が灰色に染まり始めている。
ふうはやの部屋は、夜の熱が抜けきらず、重たく静まり返っていた。
ストーブの小さな音だけが、規則的に鳴っている。
りもこんは、ベッドの上。
毛布の下で身を丸めて、目を閉じたまま。
包帯が巻かれた腕が、胸のあたりでぎゅっと抱かれている。
かざねは、カーペットの上に座っていた。
眠る気も起きず、ただ指先をいじっている。
静かにタオルを取り替えて、血の滲みを確かめるたび、顔を伏せた。
しゅうとは壁際にもたれて、黙ってその様子を見ていた。
腕を組んで、目を閉じているが、眠ってはいない。
ふうはやだけが、机の前で俯いていた。
りもこんのスマホと、ふうはやが集めたらしい破られた写真の残骸が、机の上に並んでいる。
rm view___________
fu「……なぁ」
沈黙の中、ふうはやが声を落とした。
fu「後悔した、みたいなことは、もう言いたくねぇんだけどさ」
kz「……うん」
fu「俺ら、何してたんだろな」
誰も答えなかった。
質問というより、独り言に近かった。
fu「こんなになるまで、我慢してたって……どうして気づけなかったんだよ」
……俺のことだ、なんて、頑張らなくたって理解ができる。
寝ていると思われているんだ。
ふうはやに応えるように、低く、落ち着いたしゅうとの声が響いた。
shu「……気づいてたかもしれない、俺は」
kz「……え?」
shu「なんか、最近目が合わなくなってたし。腕とかも、やけに隠してたから」
shu「……今思えばって、感じだけど。体調悪いのかなって程度だったし」
fu「……」
shu「大丈夫って、言われてたから……普通に信じた」
息が詰まりそうになる。バレていたの?腕、そんなにわかりやすく隠してた?
そういえば、しゅうとに体調を心配されたことは何度かあった。
寒いのか、頭痛いのか、どうしてそんなこと聞いてくるのか不思議に思っていたけれど、そうか、怪しまれていたのか。
己のミスに焦りを感じる反面、彼が自身の“大丈夫”を信じていてくれたことに、どこか罪悪感を抱いた
fu「……信じるって、便利な言葉だな」
shu「……うん」
浅い呼吸。
夢の中にいるようで、でも耳だけは現実に引き戻されていた。
rm(………やめて……)
喉の奥で、声にならない言葉が転がる。
___________俺のせい
___________俺が隠したから
___________みんなに迷惑かけた、かけてるし、今も
嫌な思いが頭の中をぐるぐると回る。
怖い。
誰かが責められるのが。彼らが、自身を責めることが。
自分のせいで、3人の空気が壊れていくのが。
rm「……やだ……」
小さな声が漏れた。
3人の視線が一斉にベッドの方へ向く気配がした。
fu「りもこん……」
fu「……すまん、起きてたのか」
顔を隠したまま、腕を組む力が強くなった。
どうしようもない罪悪感。
だって、こんなに苦しい4人の時間を作り出したのは、紛れもない自分だから。
rm「……ごめん……」
fu「……謝んな」
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rm「だって……みんな、困ってる……俺のせいで……」
shu「違う」
rm「違わない……! 俺が、言わなかったから……!」
rm「…………ぉれが、」
rm「…ちゃんと、…隠せなかったから、」
kz「っ、りもこん、」
rm「ごめん、…ごめんね、ごめんなさい」
叫びとも泣き声ともつかない音が部屋に響いた。
kz「っ、」
fu「かざね」
かざねが慌てて近づくが、ふうはやが声で制する。
彼は、ただ“見守る”ような目をしていた。
fu「なぁ、りもこん」
rm「……やだ、やだよ……」
fu「お前、なんで“ごめん”ばっか言うんだよ」
ふうはやの声が、少し震える。
fu「“ごめん”って言葉で、全部消えると思ってんのか?」
びくりと体が揺れた。どうしようもない冷たさが身体中を包み込む。
思わず顔を上げた。
眉間に皺を寄せてこちらを見ている彼と目が合う。
怒っている?何か間違えた、どうして。
……まずい、
かざねも小さく目を見開いている。
しゅうとも、動かずにその言葉を受け止めた。
fu「消えねぇよ。……でも、それでもいいんだよ」
rm「……え?」
fu「ごめんって言葉しか出せないなら、それでもいい。それが“今のお前”なんだろ?」
毛布の中で、涙がまた滲む。
fu「でもな、“ありがとう”って言える日が来るまで、俺らがそばにいる」
静寂。
誰も動かない。
rm(……)
ただ、夜の外で鳥の声が一つ鳴いた。
かざねが、そっとベッドの端に腰を下ろす。
しゅうとは、窓際に立って夜明けを見つめていた。
ふうはやは、りもこんの近くに座って、小さく笑った。
fu「な、朝になったらさ……何か食うか。味噌汁とかでいいだろ」
rm「……いらない」
fu「そう言うと思った。でも作る」
kz「俺、手伝う」
shu「俺も」
小さな、いつもの声。
その日常の音が、ほんの少しだけ、りもこんの中に光を落とした。
rm「……がっこぅ、」
fu「今日土曜だけど?…なに、忘れてたの?せっかくの休日だぞ」
毛布の中で、小さく息を吐く。
rm「……ばか」
fu「うるせぇ」
初めて、ふうはやの声に、微かな笑いが混ざった。
夜が、終わる。
まだ何も解決していないけど、
「明日」が少しだけ存在している。
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