クレーター
月の夜空を飛ぶ月烏。その中の集団から、月面を見下ろす。
「下ニハ何モ無イゾ。」
「分かってる。」
ぼこぼこと空いたいつものクレーターで、彼女は身を隠している。
―…
「僕はここで。」
「…アア、ココデオ前ダケ帰ルンダッタナ。」
「ん。じゃあ。」
空中で仲間たちが去ったのを見届けて、月面へ急降下する。
…今日は羽を散らさず降りれた。
「おーい、出てこい。う、さ、ぎ。」
うさぎ。兎だから、うさぎ。
彼女の名前だ。
「あ、今日は何か食べれる?」
「うん。月の欠片貰ってきた。おまけしてもらったんだ、今日は多いよ。」
「やった!」
月の欠片。地球でいう、米?というものに近い。
固くて味など無いが、ポピュラーな食べ物。
僕は苦手だ。ゴミ捨て場を漁って食べたほうがマシだと思う。
だけどそれをこのうさぎは好む。
「残しとく?」
「いや、明日は…その、実験の日なの。」
実験。それは月の動物達にとって人生に関わること。
僕は成功したけど。
失敗したら―…
「もうちょっとで、開くらしいの!
実験のとこで食べるわ。」
「ふうん。じゃあ全部食べていいよ。」
「本当!?ありがとう!」
見てるだけでも辛い実験だ。
だからか、そこで配られる飯はとても美味しい。
僕はそれを漁りに行けばいい。
彼女がこれを食べて、明日を乗り越えれれば、
「…あっ、地球が見えだした。もう寝るね。おやすみ。」
「分かった。おやすみ。」
彼女は深いクレーターの中で、身を縮めて眠った。
さくちゃ(作者)コメントゥー
ちゃんとした小説、書き出します。
いやーこのアプリでは初めてなんでね。
言葉が変なのもあるかも。日本語って難しい。
これとは別に登場した物の説明のを作ります。
分からなくなったらそっちを見てね!
コメント
2件
うわーんすき