初めて蜂楽のプレーを見た時、その場にいた誰もが目を奪われた。
彼の巧みなボール捌きは、踊るようなドリブルを生み出し、思わず息を飲むほどの衝撃を与える。
常人とは逸脱した目前の才能に、周囲の人々は感嘆と、困惑の声をあげた。
あれから一年が経ち、俺は高校二年生となっていた。クラスには自分を含め、三人のサッカー部員がいる。
「さっき部長と会ったんだけど、着替えたらグラウンドに並んどけってさ」
「そっか今日だったな、新入生歓迎」
「そ、去年は緊張したよな〜」
級友は遠い目をして言った。
歓迎会では、毎年恒例で新入生の自己紹介と決意表明、そしてレギュラー陣との交流試合が行われる。たしかこの級友は「日本一のストライカーになります!」と宣言していた。
「今年は俺らも迎える側かあ」
「レギュラーだから試合にも参加できるしな」
俺と級友は、三人いる二年生レギュラーの内の二人なのだ。
「新入生なんてみんなコンテンパンにしてやる!」
「はは、程々にな」
「何言ってんだよ、高校サッカーの厳しさを教えてやるんだ。去年の俺たちのように!」
去年の交流試合で、俺たちは大差をつけられて負けた。つい数日前まで中学生だった一年生と上級生、それもレギュラーメンバーとの試合だったため、当然の結果だったのかもしれない。ただ、あの試合はそう簡単に説明できるものではなかった。
「まあ、いつまで経っても学ばないようなやつもいるけどさ」
俺は、それが「誰」を指しているのか言われずとも理解してしまった。
「そんな言い方は……」
「でもそうだろ。ドリブルは上手いけど、パスしてくれないし。しても絶対取れないようなとこに出すしさ〜」
その発言に、俺は口を噤む。
肯定も、否定も出来なかった。言っていることは間違ってないけれど、ただなんとなく、それに同意してはいけない気がした。
「なあ、今日のこと、あいつに伝えておいてくんね」
「俺が?」
「そう、だって俺、嫌われてるし」
「そんなことはないだろ」
「いやいや、絶対そう!この間話しかけた時も無視されたし。お前は結構話してるじゃん」
「いや、俺だって事務的なことだけで……」
「まあまあ、それでもうちの部——いや、うちの学校では一番話せてる! 自信を持っていい!」
「なんのだよ……」
仕方なしに、俺は自席を立ってそいつの元へ行く。そいつ——蜂楽は、何をするでもなく、ただ窓の外を見ていた。「あの、さ」声をかけると、ゆっくりと目が合う。
その瞳は、窓からの光を返すだけで、何の感情も感じとれなかった。
「えっと、今日の部活のことなんだけど……」
「聞こえてたよ」
そう、なんでもない事のように蜂楽は言った。そして席を立つと、そのまま教室から出ていった。
俺が罪悪感や後ろめたさを感じる間もないくらい、呆気なく、その姿は見えなくなっていた。
next.
♡…200
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やべぇ
ブルロにハマりました
ちなみに推しは蜂楽と凛ちゃんです((
学パロ書いてみました!
原作無視です(殴
笑顔で可愛い蜂楽は後ほど出てきますよ〜!
よかったら♡押してってね!
コメント
2件
う" ぅん 作るの上手すぎて4にます、、(?)🙃🙃💞