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「着いた、到着したよ、此処は地下層の一階部分さ、この更に下の方にも未だ未だエリアが永遠と続いているんだ、この幼稚園はやたら地下が多いからその分広く感じるかもしれないな」バンバンは降り、それに続きビターギグルとレイラも降りる。
と、此処でバンバンはとある異変に気付く、「何かやけに空気感がこれまでとは全く変わってる、もしかしたら奴らか……奴らが開発しているという新たな生物が此処を徘徊しているのかも」バンバンは不吉な事を言い出した。
「え……?」レイラは怖がり、それに新型のジバニウムで作られたとされるマスコットモンスターに関しての情報は予めバンバンから聞いてはいたが、その情報が正確な情報なのかの判別が出来ないから、正直どうにも言えない。「しかし、空気感だけで変化に気付けるなんて、私は分からないな」ビターギグルはちらちらと辺りを見渡す。レイラもあまりそのような事は感じないが‥とりあえずはこの階の探索を進める。
「此処にはどんな子が居るのかな、その研究の真最中って言ってたその新型のジバニウム?で作られた子にも一度で良いから、会ってみたいな‥、凶暴な子達の方が多いって言うから怖いけど」レイラはワクワクと、恐怖心に挟まれている複雑な心境。未知なる者に対して、恐怖心は幼い心の今は余計に迫ってきやすい、こうしてバンバンとビターギグルに連れられ、更なる探索を続ける。
広がる景色は地上階に似た景色が広がり、ドアも彼方此方無数にあった。
「此処にも沢山部屋がある…」
幼稚園と思うと想像できないような、そう思えないようなそんな風景だ。
「此処よりも更に二階下に彼が元居た、【王国】があるんだ、まあそこに行くまでの階層が危険だから、案内はできないけど」バンバンはそう言った。
「そうなんだ、やっぱり地下に踏み入れたら‥安全は殆どなくなるんだね」
何だかしょんぼりとしているレイラ、他のマスコットモンスターにはそう易々と会えなくなったという現実が分かってからだ。
と、それから引き続き地下層一階の探索を続け、色んな景色を見渡して居た時、何やら騒がしい音が聞こえてきた、「な、何‥何か音が‥」レイラは怯える。
しかし、それでも何とか堪えて前に進む‥‥と、突然ひょっと出てきたのは大きなカメレオンと亀の頭を持つ、所謂双頭モンスター、突然現れたこのマスコットモンスターは一体。
「えっ…と、君は何……?」レイラは目の前にいる大型のマスコットモンスターに問いかけるが、返答しない。いや、正確に言えば目の前にいるマスコットモンスターは‥答えようとしない訳ではなく、そもそも言葉を話す事が出来ないモンスターなのだ。
此処でまた解説を挟むとしよう、突如としてレイラ達の目の前に現れたこの大型の双頭マスコットモンスターはチャマタキ&タマタキという。
使用ゲノムはカメレオン、亀、ジバニウムの三つから成る、彼は使用ゲノムにヒトが含まれてない為に人語を喋る事ができない。
と、バンバンはこの大型マスコットモンスターが此処にいる事に関しての違和感を持ち、こう言った、「おかしいな、彼は本来此処よりもっと地下の 場所が彼の住処だったような、これも彼らが生み出しているというジバニウムの完全なる新種のジバニウムの‥奴らのせいで本来元々からものの皆んなのバランス環境が脅かされているって訳だ」
バンバンはそう自身の見解を見出す。
「でも、何でそんな事が分かるの?それに皆んな、其々のエリア?があるの?」レイラはポカンとしている。
何故そんな事が瞬時に分かったのか、不思議でならないのだろう、それと与えられた場所の区分があるということにも疑問が湧いた。
「そうだよ、実験の過程で問題や異常が発覚したものや正式な発表が出来なくなった個体は容赦なく奈落の底に落とされる運命さ」
バンバンはそう説明した。この幼稚園の闇がまた垣間見えた真実。「と、とりあえずこの子はどう‥するの?流石にこの子まで連れて行っちゃったらあのエレベーター‥壊れるよね」レイラはあの、とても頑丈とは言えない異質のエレベーターの事を思い出してそう言った。「ああ、だから彼は此処に放置しておくしかない、大丈夫さ。此処はそこまで大きな事態が起きない限りはそう簡単には死にはしないよ、とりあえずはもう少し探索を進めてみよう、何かまた変わった変化があるかもしれない」
「う、うん‥」レイラはビターギグルに寄り付きながら歩く‥と、とある不気味な違和感と変化を目の当たりにする……
「な、何か‥妙に不気味な雰囲気ばかり、この辺りは漂ってるね……」彼女は異様な空気感に不安を煽られ、辺りを気にしながらもう暫くの探索をする、「此処……ちょっと怖い‥かも」と怯える。幼いから恐怖心を余計に感じやすく敏感、そうレイラが怯えていると、「大丈夫ですよ、見たことない存在に遭遇しても、私やウスマンさんが傍に居ますカラ」ビターギグルは再度また彼女の心を安心させるように寄り添っている。異様で、不気味な空気感と雰囲気がそこら中に拡がり、散らばっている。
と、歩いていると、「ん?、ギグルじゃないか、それとバンバンも」暗闇から此方に向かってきたのは茶色のガタイの良いカエルのようなマスコットモンスター。「やあ、保安官。まさか君とこんなところで出会すなんてね、また犯罪者でも?」バンバンはカエルのマスコットモンスターにそう質問を投げ掛けた。
と、その前にバンバン達の目の前に現れたこのカエルのマスコットモンスターについて少し説明をしよう。彼は【シェリフ・トードスター】といって使われたゲノム素材はヒキガエル、ヒト、ジバニウムの三つで彼トードスターはビターギグル同様に、この幼稚園の地下にあると追われる【王国】を居場所としているマスコットモンスターで、その王国内での地位は保安官。以前にビターギグルが「保安官に追い出された」と言って居たのを覚えているだろうか、その保安官というのはまさに彼の事で、彼シェリフトードスターとビターギグルの関係性は【旧友】らしい。
「ああ、犯罪者の情報が流れてきてな、それと女王からお前の……旧友の様子見も兼ねて偵察をしてきて欲しいと命じられて」トードスターはそう告げた。「犯罪者の情報‥?此処の環境が急に荒れてしまっている事と何か関係がありそうだ」バンバンはそう言った、するとトードスターはレイラは見つめ、「おや‥?君は誰だ?見ない顔だ、子供だというのは分かるが、子供一人で此処に居るのか」トードスターはそう質問した。
「そうだ、突然あの研究員らに連れて来られた挙句、永久的に此処に幽閉される事になった見たいでね、昨日から此処に」バンバンはそう説明した。「あの人間達に……か、また妙な事を考えて居そうだな、それから友よ‥調子は良さそうだな、お前を急に追い出してしまった事には負い目を感じている、けど悪く思わないでくれ、俺だってほんとはお前を追い出すなんてことはしたくなかった、でも女王が抱えている問題を守る為にはお前が好きだと思っている事を禁じるしか方法が思いつかなかった」トードスターはそうビターギグルに話した。
彼ら二人の仲は友人の関係のようで、仲もそこまでバンバンとスティンガーフリンのような悪い関係性ではなさそうだ。「そうですか……でも、もう戻るのは許されないのでしょう‥?」ビターギグルはトードスターにそう質問を返した。暫く間をおいて、「ああ、残念だがな。女王様がこれからも存在できるようにするにはそうするしかなかった、俺にとっても苦渋の決断だったが……まあたまに顔を出しにくるくらいならいいだろう」トードスターはビターギグルに対して強引に王国外へ突き出してしまった事への責任を感じているのか、申し訳なさな気持ちで彼に伝えた。
ある程度、話を終えてトードスターは先程バンバンにも言ったようで、今噂が流れているという【犯罪者探し】を続行し、この辺り周辺を捜索し始めた。
「じゃあ、俺達は先へ進むよ、それとこのデカい奴を地下に送り返しておいてくれないか?恐らく、混乱状態に陥って訳が分からない状態で迷っていつの間にか此処にきたんだろうから、下手に此処で暴れられても、今は此処に子供も居るし、何かあったら怖がってしまう」
「分かった、連れて行っておこう。その代わり、バンバン、お前も王国の国民の一人だ、犯罪者探しに協力を要請したい」トードスターはバンバンはそう伝えた。
「まあ怪しい奴を見つけたら、君に報告するよ。でも、今は彼女にこの幼稚園を案内しているところなんだ、時間があったらそっちの捜索しておくよ」バンバンはそう言ってトードスターはバンバンらと一旦別れる事になった。
「とりあえずは……良いのかな」「ええ、ところでまだもう少し探索をしマスカ?」ビターギグルはバンバンに言った。「そうだね、でもあまり深部まで行ってしまって『知ってはいけない‥開けてはいけない閉ざされた闇』を知ってしまったらいけないからね 」バンバンは忠告と思われる言葉をポツリ。知ってはいけない事とは‥?閉ざされた……闇…?、また謎に秘められた意味深な言葉をバンバンはちょくちょく口に出す。
一先ずはもう少し先へ進みつつ、トードスターから急遽協力を頼まれる事となったこの幼稚園を現状騒がせている、『新型タイプのジバニウム』によって生成されたマスコットモンスター探しも並行してバンバンは彼女に向けての幼稚園の施設内案内を続け…「ところで……私たちも頼まれたし、捜索に協力するのはするけど…でもその子達に関しての情報というか、どんな特徴があるかとか‥何も知らないのに、探せるの‥?」「それは俺に任せて、見た事があるヒトだったら一目で分かるし、そうじゃなかったら違う‥判別と判断はこっちがするから君がなるべくその宮廷道化師の傍から離れないようにね、今彼らが必死に研究している新しいタイプのジバニウムはどうやら、特殊な新種のDNAが組み込まれている……そんな事が記載されている報告資料を実は……拾った事があってね……それで気性が荒くなったり凶暴性が高い生物ばかりが誕生しているようだ」バンバンは冷静にそう淡々と話すが、いくらこの幼稚園のリーダーの位置にいるバンバンでも、何故此処まで詳細な事まで知っているのか少し前にも彼ら‥研究員、もしくは従業員が研究している新種のタイプのジバニウムの事について知っているような口振をしていたが、一体バンバンはどこまで情報を得ているのだろう。
「バンバンって他の皆んなでも知らないような事、いっぱい知ってるんだね」彼女は情報を多数持っているバンバンに対して感心そうに見つめる。
「ああ、まあね、簡単には話せないような‥機密な秘密とか、多少は掴んでるからね、だからあまり得られない情報も知ってるよ」バンバンはとりあえず今の階はある程度探索を終えて、現状彼女を案内する予定のエリアは今まさにいる場所のみに絞り……その予定だったがトードスターから頼まれた犯罪者探しはしておいていた方が良いだろう、との事で、そこで急遽ではあるが行く予定ではなかった、此処よりもう一つ下のエリアにも、降下する事に決め、
「すまないが、もう暫く案内に付き合ってくれ、放置しておくと何だか良くない事が起きそうな気がしてならないんだ、この下が特に異常が見られないようであれば部屋に戻ろう、あまりウロウロし過ぎて彼らに妙な目をつけられたくない」バンバンはそう言った。
何やらバンバンだけにはこの異常事態の不気味さや奇妙さが理解できているようだが、その一方でレイラとビターギグルは何が何だかさっぱり…と言いたそうな程にあまり現状を理解出来ていない。
「う、うん……」
とにかく探索を続行し、トードスターから頼まれた『騒ぎを引き起こしている犯人』を特定する為に捜索を行う。「これまでと違ってやっぱり異様な空気だ、何だか居心地が悪い‥凶暴性が高い奴が多いみたいだから、注意を払わないとね」
バンバンのみがやたら頻繁に小さな違和感と異変を察知出来ている、一番この園内について把握しているから流石と言うべきか。
数分探索をしたが、それらしきマスコットモンスターとは一切出会す事は無かった、まだ闇に身を潜めて出てくる時を伺っているのだろうか、「それっぽいヒト、全く居ませんでしたネ〜、保安官‥まさか嘘を私達に言ったのでは?」ビターギグルは見たことない犯罪者がいるとの話を聞いたから、レイラを守らようにして、探索をやっているけどいざ始めると、全くと言って言い程に今のところ一切出会さなかった、だからそもそも新型タイプのマスコットモンスターがこの騒ぎを引き起こしているという話ですら嘘なんじゃないかと疑いの目を向けた。
「いや、嘘ではないと思うよ。明らかに今までとは全く違う……何だか妙な視線も感じるような気がするし、よっぽどシャイなのかな?」バンバンは少し冗談混じりにそう言った。
すると、ビターギグルは満足そうに笑った。ビターギグルにとって冗談やジョークというのは自分を満たす栄養源のようなものだ。
「何だか…………凄く静かだね……一番上の階も子供も大人の人も居なかったから…何だろうけど、凄く怖い……」異様な静けさに妙な違和感を抱いたレイラ。子供の笑い声や大人の声も、そもそも此処には人間が研究員らかレイラのみしか居ないから、辺り一面が静寂で溢れ返って居る事には最初は気にも止める事すらしなかったが、思っていた以上に静寂過ぎて、寧ろ怖がりな心に襲われる。
物音の一つや二つくらい、聴こえて良い筈なのに、それにもう一つ……
恐怖に拍車をかけてきた事が‥、「何でしょう、この張り紙……『観ている』『逃げられない』……それと何やら明らかに貴女へ向けてのメッセージがやたら無数にある‥これは一体…?」ビターギグルは更に進んだ先の奥の空間に突然見えてきた謎の張り紙を遠目で多数発見したようだ。
それは何も監視している事を指すメッセージもあって、最初から……まるで彼女を此処に‥この幼稚園に誘うのが計画されていたようにも取れるメッセージばかり目に飛び込んでくる。センサー付きカメラも彼女を何処からでも追跡できるようにと、無数にそこからの道は設置してあった。
まさに地獄のように、恐ろしい光景だった。
「此処から先は……行かない方が良さそうだね‥何か危険な気配を感じる」流石のバンバンも足を止めた。これ以上足を踏み入れたら、何かとんでもない事でも起こる‥そういう事だろうか。
「此処に、もしかしたら私たちが探している奴らが…この奥に隠れてるのかも」ビターギグルはそう予測を立てる。
凶暴性が高い、だからこそ敢えて闇に潜ませて餌を誘き寄せる‥そんな特性を新型タイプのマスコットモンスター達は兼ね備えてるのではないか、そう考えたらしい。
「ああ、雰囲気が何となくだけど俺もこの辺りだと感じる‥けど此処ま関係者の立ち入りを厳正に禁じるようにされているのは、珍しい」
「この先が恐らく知ってはならない禁断の何かが閉ざされている‥それに知っている記憶の限りでも、前までこんな所なんてなかった筈だから、此処に違いない」バンバンは言うが、伝わってくる普通じゃない異様な空気、立ち入ったら危険だと警告しているのが観て取れる。
行くのを躊躇うも、その一方でトードスターからのあの依頼で言っていた新型タイプのジバニウムで作られた『新入り』のマスコットモンスターを一眼だけでも見ておきたい、実際に見て危険性の有無を確認したい。
「で、でもどうするの‥?シェリフから言われた通り‥あの子達を見つけ出さなくちゃいけないのは分かってるけど、でも‥此処、ほんとに入って‥良いのかな」レイラは不安がる。
実験用のエリアのような空間も奥に僅かながらに見える事から、もしこの奥に入ってしまったら最悪、
タイミングが悪ければ研究員に見つかってしまう可能性が高い。何はともあれ、此処は先へ進んでみるしかなさそうだ。
「此処は何やら危険区域のようだけど、あの保安官が言っていた『奴ら』を探して捕らえておかないと、この幼稚園を荒らされかねない……」バンバンはただでさえ、今この園内の環境が変わってきている事から、それを正常化させる為にも、未知なる噂のマスコットモンスターの捕獲に踏み切る決断をし、奥地へ向かう……が、このまま馬鹿正直に真っ直ぐ進めば、間違いなくあの研究員らに見つかるのは避けようのない。だから、面倒で遠回りにはなるけど、裏道から行けるルートを探ってみることに、。
しかし、赤外線センサーが此処にも無数に張り巡らされており、厳重な警備…やはり此処には‥何か【触れてはいけない闇】が潜んでいるに違いない。「なんか……見たことない‥此処ってほんとに幼稚園なの‥?」レイラはポツリ。
幼稚園の割に、不可思議過ぎる施設も数えきれない程にあってほんとに幼稚園なのかと疑ってしまう、あくまで幼稚園というのは表向きの顔で……裏では………。
「ああ、まあ色々と普通じゃないのは否定できないね」
「や、やっぱり…」
幼稚園だとは到底信じられない、目の前に広がる広大で、不気味さも醸し出している通路を通り、そこを歩いていた時だった。
突然何処からかははっきりと分からないが、ゴソゴソっと何かが横切ったような音がしたのだ。
「あれ‥?今、何か音‥聞こえなかった‥?」
「ええ、私にも確かに聴こえました」
レイラとビターギグルは何かを発見したようだ。もし、今の音の発生源の主が捜索をしている目的のマスコットモンスターだとするなら‥その可能性を抱き、「ちょっと後を追って見ない‥?」
怖がりながらも、彼女は未知なる存在にも出会ってみたいという好奇心が徐々に再熱し、覚悟を決めて進む。
本当なら、最初はちょっと地下層の一部をバンバンから案内してもらうだけのつもりが、こんなに大冒険をすることになるとは想像もして居なかった。
地下に降りて行けば行く程この幼稚園の異様さが表に溢れ、それと同時に【隠れた闇の裏事情】は判明‥長い通路を歩き進み、曲がり角が出てきた。その先はまだ見たことのない新たなエリアの風景gが見えてきた、「……?、また知らない場所が見えてきたよ」とレイラは遠目に見える場所を指差しながら歩みを進める。
「何だか……近付いたら‥駄目って感じが‥する」レイラは漂ってくる雰囲気に怯え、思うように前に行けない。
「大丈夫、私たちが居ますカラ」
ビターギグルは相変わらずレイラに優しい声かけをかけている。彼女にジョークを褒めてもらった事が何よりも嬉しかったようで、それをきっかけにビターギグルの方からもレイラを気に入りつつある様子。「ああ、だけど彼奴らを捕まえないと暴れられたら困る、せっかく平和にこの幼稚園で暮らして居たのに、平穏が台無しになる」バンバンは相当噂のマスコットモンスターらに対して敵対心を持っているのが伺える。
それもそうだ、ケースレポートとバンバンから得た情報だけを汲みとって考えるなら、凶暴で人間にも非友好的で、警戒心や敵対心共に根強い。そういう予測しか現時点では立てる事が出来ない。
「怖い子達じゃないと良いな……」レイラは不安がまた勝り、未知なる存在対しての好奇心や興味は薄れなくとも、そこに恐怖という感情が邪魔する。
「良い人だという事は願いたいが‥残念な事に話した通り俺が得た現時点の情報は何もあまり良いものじゃない、それに‥…………此処では話せないけど、俺は【君の事について】も知ってるよ」バンバンは不意にそう告げた。
と、すぐさま反応するようにビターギグルは、「どういう事です‥?彼女のついてって‥何かまた妙な情報でもあるの?」思わず、そう質問した。「まあ、それは何れ焦らなくても知る時が訪れる‥態々こっちが話さなくてもね」
バンバンは濁すように発言を回避した、やっぱり彼は何か彼女についての重要な機密情報を知っていて隠してる‥そうとしか思えない。とにかく、そんな事は置いておいてレイラ達は先へ進む‥異様な雰囲気の通路を渡り歩き進み、ひたすら道なりに歩みを進めている…と、また何かが通った‥うっすらと影が見えた。
「やっぱり‥何か居る……よね‥この先に」レイラは怖気つつも、ビターギグルやバンバンがすぐ側に居てくれている事で、心が安心感に寄り添われて恐怖心に何とか抗う。そして、その影に今度はバンバンも気付いたようで、「ああ、確かに居たね。今度は俺も分かったよ、さっきまでは気配すらもあまり確りとは感じれてなかったけど」
やっぱり何か此処に潜んでいるのは‥【確定的】のようだ。「大人しく捕まってくれると良いが…まあとにかく、先ずは進もう」
バンバンらはそれからも、影が見えた場所を探し、追跡を続け……そんな事をしていると、
「さっき見た影の子……何処に行ったのかな〜‥?あれ……あんなところに…何か居ない??」レイラはちょっと進んだ先に曲がり角があり、そこに路地裏のような真っ暗な場所がポツリとあるんだが、そこに違和感をというか、気配を感じたので、そっと横を見てその道を辿っていくとそこに一体の不思議なマスコットモンスターがポツンと座り込んでいた。
「わ、わあ‥!き、君は‥?」レイラが見つめたその先に居たのはピンク色で、子猫のようでバンバンらと同じく二足歩行のマスコットモンスターだった。この子は……一体……。
「私は……ハピープティ……、君らの方こそ、何?何でこんなとこまで‥見た感じ、子供っぽいし‥あれ?君ってもしかしてあの話で聞いた‥女の子‥かな?パパから聞いたの、不審な奴には容赦なくても良い、でもとある女の子には優しくして、死なせないようにってね」【ハピープティ】と名乗るそのモマスコットモンスターは少しこちらに怖がって居る素振りを見せながらもそう話した。
「しゃ、喋ってる‥!?、あ、でも…そっか。もしかして喋れるって事はバンバンとギグルと同じでゲノム素材の中にヒトゲノムもあるって事だよね」
レイラは此処のマスコットモンスターが普通に人語を話すという事に対して、バンバンやビターギグルと接した事によって慣れて自然に驚きもあまりしなくなって、彼らが人間同様に生きているという事でさえももう受け入れられるようになっている。
さて、此処でハピープティについても解説を入れておこう。彼女は子猫、ジバニウム、ヒトの三つのゲノムクロイから成るマスコットモンスターで、(実はチャプター1にて、オリジナルのファンメイドキャラクターも今作には登場すると述べたが、そのキャラクターであり、その中でも『ハピープティ』は私が自作のファンメイドキャラクターで最初に生み出したファンメイドキャラクターでもある)、幼い子供がゲノムドナーとして使われている。
「そ、そうだよ…、何?私達に一体何の用なの?ずっと追いかけたりして‥」最初は恐ろしく凶暴性が極めて高いという情報を聞いていた為に、警戒しつつ接近したが、いざ会ってみたらそんな事はなかった。寧ろ、此方が怖がられている方、これは一体どういうなのか。
「えっと、君らが今この幼稚園を脅かしてるって事で言われて、シェリフから君らを見つけたら捕まえて欲しいって、それで探してたの」レイラはハピープティに事情を簡潔に説明した。
「え……?、私達‥捕らえられちゃうの‥!?、私達はただ‥【パパ】に命じられて‥」ハピープティはプルプルと震え始めた。
と、ビターギグルが彼女にとある疑問をぶつけた、まあハピープティが言い放ったとある言葉に注目すればすぐに検討がつく。「あの、子猫さん?今‥パパって言ったけど、それって誰の事‥?」と純粋で率直な疑問。「‥‥言えない、言ったら秘密を喋ってた事と同じって言われたから、だから教えないもん♪」
ハピープティはぷいっとそっぽを向いた。凶暴性が高いとは思えない程に子供にも見えるその何気ない仕草にギャップを感じつつも、よっぽどその『パパ』とやらに口封じされているのだろう‥どう言っても話せないの一点張りを貫くハピープティ。それに、その『パパ』と呼ばれるその人物とは一体……。
「……彼女らを手懐けているボスが彼女らにも居るのか‥それとも、もしくは‥」
「【あの者達】か‥‥、だね」
バンバンとビターギグルはお互いに横目で見合い、そうブツブツと話していると、それが気になったレイラは「……?、何話してるの‥?もしかして、今この子が言ってたパパって誰の事か、分かったって事‥?」不思議そうに二人を見つめる。「ああ、まあ何となくはね」
とバンバンが言っていると、ハピープティから「そんなに気になるなら、案内してあげても良いけど……?」彼女はツンデレなのか、気まぐれな性格のようだ。特に敵対心がある訳でもなく、寧ろ今のところ若干友好的にも思える接し方なのが、どうも気になる。
「えっと‥え‥‥じゃあお願い 」
レイラはハピープティの提案に乗って見る事に。と、そんな事を話していた時、「その必要はない」そう言ってやってきたのは…………あの研究員達だった。という事は…間違いない、ハピープティがレイラ達に向けて言ったパパ……その正体は研究員の事だ。その人物は複数人の助手を引き連れて、此方の方へやってきた。
「まさか、こんなところまで探索を広げてくるとは驚いたよ、まあ良い…何れ君には我々の実験に手を貸して貰わなければならない事がある‥今はその準備の真っ最中で忙しい‥おや?バンバンに、宮廷道化師も、そうか……どうやら此処のマスコットモンスターらとも馴染めているようだね、安心したよ」研究員はそう告げる。
レイラはかなり、まずい雰囲気になってきたのを感じ取り、「な、何‥なの」と怯える。このエリアに侵入した事を研究員らに認知されていた‥こうなれば、もう此処からは逃げられない。
「君は大切な『人材』なんだ、だからあまり君に対して手荒な真似はしたくなかったが‥ちょうど良い…新たな物を試す‥その実験をしていてね」と研究員が指を鳴らすと、その合図に気付き、奥から更なる未知のモンスターがウジャウジャと出てきた。
しかも、凶暴性が高く暴走しているかのようにも見える程にハピープティと比べると、目つきが全く違う。
「え……どういう事‥?」ハピープティは同じ仲間が実験の果てに様子が凶変している事に言葉を失う。
「申し訳ないが……レイラ、君には眠って居てもらうよ」研究員は睡眠剤を毒ガスのように撒き散らし、更には奥からまた数体の凶暴化『フェラル化』したマスコットモンスターからビターギグルやレイラは襲撃され、バンバンのみ抵抗する為に自身はフェラル化状態になって、悪魔化。
「バン‥バン」
意識を失い始め、うっすらと目の前が霞み、その傍にビターギグルも倒れ込んで壊滅状態に陥っていた。その時、誰かから身体を掴まれて抱えられる感覚を感じた。
「邪魔するなら、お前であっても見逃す訳にはいかないな…じゃあそいつの相手を頼んだよ」
「もう抜け出せない地獄に誘うまで、【君】は我々の手の中さ」
そうして突然の襲撃の末‥彼女らは攫われ、次に目を覚ました時には、全く知らない光景の場所に居たのだった。
「うう……あ……れ、そっか私たち……」レイラは気絶から目を覚ました。
「え……?、此処は…何処‥?」