テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
⚠ i r i s 様 🐇 病み
僕がいない世界の方が、みんな幸せだと思った。
水 「初兎ちゃーん!おっはよ~!」
紫 「あ、…おはよ?」
水 「今日元気ないね、何かあったの?」
赤 「別に…何も」
大丈夫なんて、言えるわけがなかった。
相談もしたくなかった。することが怖かった。
水 「とりあえず、会議遅れるからさ!ないちゃんち行こーう!」
いむくんは僕の手を引く。額に当たる風に目を細め、僕たちは共に歩き始めた。
桃 「二人とも今日はギリギリセーフ!」
青 「おはよ~」
赤 「ほとけっち!初兎ちゃんおはよっ」
黄 「おはよ~」
青 「あにき~っ!おはよ!!」
みんな今日も元気やな、良かった。
こうやって自分以外の心配をする。
自分のことなんか気にし始めたら終わりだと思ったから。
自分なんかどうでも良いと思ったから。
あの日、一通のDMを見てしまったから。
桃 「初兎ちゃ~ん?聞こえてるっ?」
ないちゃんの声がかすかに聞こえ、知らないうちに下がっていた頭を上げる。
紫 「ん、な~に?」
できる限り、いつも通り普通に接する。でも、ないちゃんには気付かれていたらしい。
桃 「疲れてるなら休んでよ~?」
黄 「初兎が倒れたら元も子もないからなぁ」
青 「皆で助け合おうや!!」
紫 「……ばっかり、」
もう僕は耐えられなかった。
水 「初兎ちゃん?」
紫 「偽善者ばっかり!!うるっさいねんッ…」
赤 「初兎ちゃ…?」
息切れがして、瞳からは涙が落ちる。五人は目を見開き、唖然としている。
僕の言葉に吃驚したのだろう。僕は体を背け黙り込む。
そのとき、青い髪が揺らめいた。
青 「しょにだ、どうしたん、俺ら何かした?」
目線を合わせようとしゃがみ込む彼。僕のことを心配して近寄ってくるメンバー。
正直この空気が僕を深い海に沈ませた。
声を出すことすら苦しかった僕は、メンバーたちを退け、家に帰った。
こんな僕がいれいすにいることは許されない。そう思ったから。
ーーーーーー
黄 「俺、初兎の家行ってくるわ」
桃 「うん。頼むね」
水 「今日元気なくて、僕が強引に連れてきちゃった…」
青 「ほとけが全部悪い分けちゃうからな」
今日の初兎ちゃんの雰囲気が暗いことは分かっていた。
今までもずっとそうだったのかな?
俺の中で複雑な感情がぐるぐると回っている。
赤 「ないくんも、考えすぎないようにね?」
りうらが俺の背中を擦る。
青 「ないこ、初兎のことは一旦俺とあにきに任せて。ないことほとけは休んどき」
ほとけっちは泣き崩れ、りうらとまろは俺の傍にいてくれている。
俺は無表情になり何も考えられなくなってしまった。
桃 「ごめん、ほんとにごめんね」
謝ることしかできない。
ズボンのポケットに入れてあるスマホが振動する。
画面を覗くとあにきから電話がかかってきた。
桃 「はい、もしも…」
俺の声は、あにきの声で遮られた。
黄 「ないこっ!大変や、初兎が_____」
桃 「……え、?」
next ♡ 30