宇宙海月と私達
第3話ーこの世界の鍵とは?ー
◇◇◇
Side透羽
「嗯嗯…成程ネ…」
「?翠蘭さん…なにかありました?」
「啊…チョットこの世界について分かっちゃったカモ…」
「え?それってどういう…」
「この本にかいてあったヨ…暗号化してあるからちょっと時間かかっちゃったネ…..」
私は興味本位でその本を覗いてみる。なんて書いてあるのか一言も分からなかった……
「…まず一つ。この世界は現世ではないコト。二つ、この世界では“鍵”が重要であるコト、そして最後に…この世界の創造主であるヒトがこの船の中に居るコト。」
「鍵が重要……ですか…」
「綾芽チャン、何か気づいたカナ?」
「この世界の創造主について何か情報などは有りませんでしたか?」
「私まだ解明できてないネ…M6,8,9ってなんのことカナ…?」
「それって…」
綾芽ちゃん…何か気づいたのかな…私には何もわからない…
◆◆◆
「……!ありました…!」
「どれどれ??見せて〜?」
「コレです…!」
見せてくれたのは装飾がたくさんついた高そうな本だった。
「…これが暗号のやつ?どうやって見つけたの?」
「Mはよくわからないんですけど…数字は本棚の番号とかかな…って思って探してみたらちょうどこの本があっただけなので…合ってるかは分からないんですけど…」
「本棚の番号…あ、本当だ…」
「その本におかしな所とかって無い…?」
「……あ…す、翠蘭さん…見てもらっても…」
「イイヨ〜」
◆◆◆
「つまりまとめるとまた地図と鍵が出てきた…と…?」
「はい…でも今回は前回のと比にならないくらい何か…力を感じるんですよ…」
「取り敢えず行ってみようよ!人生は冒険でしょ?」
「ちょっと…透羽?!場所分かるの?!迷子になるよ?!」
「あっ、えへへ〜…失敗失敗!今回も彩芽ちゃんお願いできる?」
「あっ、はい!」
◆◆◆
その後はまたあのバツ印のところへと向かっていった。
でもその部屋にもまた地図と鍵が隠されているだけで、創造主については何も情報を得ることはできていなかった。
何回も何回も繰り返していくうちに希望が薄くなっていくことが分かる。
諦めかけていたその時、私達は今までとは比にならない程なにかの力を感じる部屋へとやってきた。
「…危なそうだネ……ちょっと私が先に入って安全か見てくるヨ〜」
「わ、私もお供します…」
「いや…ここで待ってるネ…」
そう言うと翠蘭さんは部屋の中へと入っていってしまった。
◇◇◇
Side綾芽
翠蘭さん…一人で見に行くの普通に危険だと思うんだけどな……
もしかして一人にならないといけなかったり…?
申し訳ないけど怪しい感じがする…
本…この世界の『鍵』を見つけた…
たまたま手に取った本にそんなに重要な事が書いてあるのか…?
これは偶然…?いや…運命?それとも…創造主が翠蘭さん…だったり…創造主サイド…つまり私たちをここに連れてきた張本人だったりしないかな…
偶然にしてはあまりにも運が良すぎる…
もしや今頃あの部屋の中で会議が行われてたり……
いやでも…
私だってそんなことは思いたくない…仲間…を、疑うことなんて…
でも不可解なことが多すぎる……
まぁ私もあの本を見つけたり結構怪しいところはあるんだけど……
そう思っていた瞬間。ギィィと音を立てて扉が開いた。
翠蘭さんがでてくると思った。でも…違っていた。
◆◆◆
「お初にお目にかかります。」
透き通った綺麗な声だった。
みんなの頭上にはハテナマークが見える。
「あなたたちには翠蘭さんを助け出すか、見捨てるか。どちらかの選択をしてもらいます。」
「…?!助けるに決まってるでしょ?!」
「…翠蘭さんを助けた場合、あなたたちがもといた世界に戻れる確率はおよそ八分の一に下がります。見捨てた場合はほぼ確実に。いや、今すぐにでも私が帰してあげましょう。それとも皆で翠蘭さんと同じ目に合うことがご希望でしょうか?」
「それってどういう…」
「簡単に言いますと翠蘭さんは今人質です。あの人は知りすぎた…一時間なら待ちましょう…ただし一時間を超えた場合…皆さんは同じ目に遭っていただきます」
クトゥルフ…みたいな状況……
そんなことよりも話し合い…しないとな…
つづく