第4話ー翠蘭の秘密ー
◇◇◇
Side透羽
翠蘭さんを助けずに帰るか、助けて帰れなくなるか…同じ目に遭うか…
…翠蘭さんを助けて…元の世界に帰りたい。勿論その気持ちが一番大きい。でも…翠蘭さんを助けると帰れる可能性が少なく…
「…あの、質問…良いですか?」
彩芽ちゃんが声をあげた。
「…はい、許可しましょう。」
「…貴女は何者なんですか?今、翠蘭さんは…どうなっていますか?翠蘭さんの正体は?」
「…私は黛 夜宵──この世界の〚管理人〛とでも言いましょうか…?次に──翠蘭…彼女は、、」
そうすると夜宵さんは少し困ったような顔をした。
「…彼女は…裏切り者に〝なるはず〟でした。でも…貴方達と居ることが楽しかった。だから…裏切ることが出来なかった──。」
「じゃあ…」
答えは勿論…
「翠蘭さんに会わせてください。何としても…私は〝皆で〟一緒に…帰りたいです!」
◇◇◇
Side翠蘭
…やっぱりワタシはいつも失敗で終わるネ…
実を言うとワタシは敵側の人間ダッタ。そう、裏切り者になる〝はず〟だっタ。
最初は命令だから…ところどころ知っていた“答え”を使って攻略してきタ…
でも…彼女たちと過ごしていくうちに…一緒に居たいと思うようになっテ…裏切りたく無い…一緒に帰りたいっテ……オモッタ…。
デモ──やっぱり…バレてた。ワタシの考えてるコト。
「…迷惑かけテ……脱出しないト…」
ワタシはキツく縛られた縄を見タ。脱出出来たり…いや、この考えもバレてるカモ…
デモ…そう、迷っている時ダッタ──。
ドーン!!
と大きな音がシテ、振り返るとそこには彼女たちが居タ。
「助けに来たよ!!!」
そう…透羽チャンが言った。ワタシが裏切り者だということにも関わらずニ─。
「っ、ご、ゴメ…ナサイ…」
皆の優しさと己の不甲斐なさに涙が出てクル。
「あっ、な、泣かないでくださいっ」
「そうだよ!私達…翠蘭さんを助けるって…そう決意して来たんだから!……例え元の世界に帰れなくなろうと…ね?」
「…一緒に、帰ろう?」
彼女たちは口々に優しい言葉を掛けてくれる。透羽チャンはワタシに手を差し伸べタ。その手を取った…皆優しく笑っタ。
「…ゴメン…ワタシ…ワタシ…」
「…翠蘭さんのことは──…夜宵さんから聞きました。でも…それと同時に翠蘭さんの気持ちも、、だから──」
「皆で…一緒に帰りたい。」
つづく
コメント
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アマッテナキソウ…翠蘭さん!!僕も泣くよ!!(?) なるほど…裏切り者だから攻略法を知ってたと… え、いい人…管理人…何者…
嫌な予感がしなくもなくもない(?)