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#現代ファンタジー
裏五条
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「お帰りなさい」
「うん、ただいまー」
部屋に入ってきたアリスは、後ろを振り返ったあと後ろ手でパタンと扉を閉める。
なんだか、少しだけアリスの顔が固い気がする。
ふぅと一つ息を吐いていた。
「アリスちゃん!」
「なっ! 何? リサちゃん」
急に私が名前を呼んで驚いたのか、目を真ん丸にして、耳と尻尾がピンッと上に向いている。
私の気持ち、言わなくちゃ!
「あのね、私ね。――アリスちゃんが好きなの!」
アリスが固まって動かない。失敗? どうしよう。あ、あれも――。えっと、えっと――。
「ごめんなさい、信じるって頷いたのに、私、どうしても……、リンさんのところに行ったのかなって。本当は彼女と好きあってるんじゃないかなって……」
返事が怖くて、不安で、私は言わなくていいことまで、口から溢れてしまった。
「もし、そうだったとしても……。お願い、……嫌いに、ならないで…………」
緊張で大失敗してしまった、私の告白。恥ずかしさのあまり顔を両手で覆い隠した。
アリスは、まだ固まったままなのかな。顔を覆っているから、彼の表情がわからない。
キシッキシッと近付いてくる足音がして、横にストンと座る感覚があった。
「違うよ、大丈夫。不安にさせてごめんね」
頭にポンポンと彼の手が触れた。
「顔を見せて?」
無理です。外せません……。
きっと、手を外したら顔から火が出てしまいます。
「んー、カッコ悪いなぁ、ボク。最近いいところが全然ないや――」
「そんな事ない! アリスちゃんはカッコいいよ!」
私はパッと手を顔から離して、アリスに言う。
あ…………。
綺麗な青い瞳と目があった。
「顔、見えた」
にっこりと優しい笑顔でアリスは笑っている。
ますます、顔の温度が急上昇していく。心臓なんて、もう、こんなに動いて大丈夫なの!?
「ボクも、リサちゃんが、……リサちゃんを愛してる。先に言われちゃったなぁ」
あははと、少し耳を垂れる彼の顔も少し赤い。
「今日はあんなことがあったから、どうかなって思ってたけど、今渡さないと駄目な気がするから。……コレを渡したくて――、出掛けていたんだ」
そう言って、取り出したのは小さな小箱。これって、まさか。
「最初に渡した指輪は、つける場所を遠慮しちゃったからね。受け取ってくれるかな?」
アリスが箱を開けて、丁寧に彫金された綺麗な指輪を取り出した。小さいけれど輝く黒い宝石が埋め込まれている。
「リサちゃんの目の色と同じ宝石、とても綺麗だったから――」
あれ、あれ?
目頭が熱い。勝手に涙が溢れてくる。どうしよう。
答えなきゃ――。でも、声が出ない。
私は声が出ない変わりに、必死で顔を縦に振った。その間も涙が次々流れ落ちた。
「手、いいかな?」
アリスが私の左手をとる。するりと、それは薬指におさまった。
「……魔法?」
「そうだね」
クスクスと、二人で笑いあう。まるで、あの日に戻ったみたい。
「きちんとしたのは、ライトコールに戻ってから用意するね」
私は、こくんと頷いた。
コメント
1件
はる。だわ!いやもう、待って待って、最高すぎるでしょこの回…!! 😭💕 アリスがいったん部屋を出てたのは指輪を用意するためだったのか…!「最初に渡した指輪は遠慮しちゃったから」って、そんな細かい心情まで覚えててこんなロマンチックなサプライズするアリス、強すぎるわ。リサちゃんが溢れ出る涙を止められずに必死で頷くシーン、もうこっちの目頭も熱くなったよ…。 不安で余計なことまで口にしちゃうリサの気持ちもすごくわかるし、「カッコ悪いなぁ」って言うアリスに「そんな事ない!」って咄嗟に反応するところもめちゃくちゃ可愛い。二人の優しさが詰まった宝物みたいなエピソードだった!✨