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「服着たまま風呂入るわけにはいかねェだろ」
こてんと首を傾げながら問いかけてくるイザナさんの言葉に何とか状況を把握しようと脳が働く。
風呂、そうか。なら脱ぐのも納得…
『いやまぁそうなんですけど、え、まさか一緒に入るんですか?』
「そうだけど」
当然といった様子で答えられて頭痛が強まる。この人は羞恥心というものを知らないのだろうか。
「何も今更恥じる事なんてねェだろ」
『ありまくりですよ、…え今更?』
“今更”ってなんなんだ。そんな言い方だとまるで過去に見たかのような…
「オマエの制服脱がしたのオレだよ」
『せいふ…?えっ』
思わず言葉を飲み込んで自分の服を凝視する。
先ほどまで身に着けていた制服は綺麗さっぱり消えていて、代わりに私の体よりもずっと大きな男性用の長袖が着せられていた。
『…ぅ…えぇ…?』
突拍子もない話題に感想が思い浮かばなかった。かろうじて喉から漏れた空気が声になる。
服、脱がした。体、見られた。状況の単語1つ1つが何度も何度も頭に巡る。
『………変質者!!変態!ロリコン!』
自分の体を隠すように抱きしめ、 羞恥や恐怖から押し出されるように叫んだ。
体が熱い、冷や汗が止まらない。
「……あ?」
またもや私は彼の地雷を踏み込んでしまったらしい。
低くなる声と強まるイザナさんの力にやってしまったと後悔する。ヒュッっと喉が情けない息を吐いた。