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STPRたんぺんしゅ〜

第49話 - prtg 夜の街

504

2025年12月11日

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かち

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『夜の街』

⚠️Prさんクズめです

Tg視点

夜の街は、雨が止んで湿った匂いが漂っていた。

俺は仕事帰り、ふらりと繁華街に足を向けた。

理由なんてなかったけど――胸の奥のざわざわが収まらなかった。

ネオンの光が視界に揺れたそのとき。

「……え」

金髪。

ラフなシャツ。

そして、女の腕を絡ませて歩く姿。

ぷりちゃんだった。

俺は思わず柱の陰に隠れた。

心臓がバクバクして、息が上手くできない。

女が甘えた声で笑い、ぷりちゃんの肩にもたれかかる。

ぷりちゃんは口元に軽い笑みを浮かべていた。

――なんで。

――なんでこんなとこで、女の人と。

胸の奥がギュッと疼く。

喉が詰まり、目の奥が熱くなる。

「……帰ろ。見なかったことに……」

そう呟いたのに――

「ん？」

ぷりちゃんが気づいた。

女の身体を片手で押しのけるようにして、俺に目を向けてきた。

「あー……ちぐ？」

気だるい、どうでもよさそうな声だった。

目の前で女がしつこく腕に絡んでも、ぷりちゃんは適当にあしらっている。

「なんやその顔。……まさか嫉妬？」

「っ……別に……」

否定できなかった。

声が震えていた。

ぷりちゃんは面白がるように目を細める。

「嫉妬すんなら……」

口角がゆっくり上がった。

「お前もやれば？」

真っ直ぐ、俺の胸に突き刺さる声で。

息が止まった。

俺は震える唇で、なんとか声を出す。

「……ぷりちゃんが……そう言うなら……」

ぷりちゃんは鼻で笑った。

「勝手にし。おもろいし」

そのまま女を連れて歩き去る。

まるで、俺なんてどうでもいいみたいに。

その背中が視界から消えていくのを見ていると、

涙がひとしずく頬を伝った。

「……ほんとに、俺もやればって……何それ……」

呟きながら細い路地に入った瞬間、声をかけられた。

「ねぇ、そこの可愛い子。待ってよ」

二人組の男が、俺の行く手を塞ぐ。

「君さぁ、どこ行くの？一人？」

「い、急いでるので……やめ――」

腕を掴まれた。

「冷たくすんなよ。そんな可愛い顔で夜出歩くとか、誘ってんだろ？」

もう一人が背後に回り、逃げ道を塞ぐ。

「触んないでっ……！」

振りほどこうとすると、壁に押しつけられた。

「うわ、細い……。抱き心地よさそ」

指先が首筋に触れようとする。

酒の匂いが鼻に刺さる。

「やめて……っ」

「いいって、ちょっと遊ぶだけ。

ほら、その顔……抵抗してるのが逆にかわいい」

頬に触れられ、俺は震える。

涙が滲む。

「そんな泣きそうな顔されたら……余計触りたくなるだろ？」

シャツの裾を掴まれ、肌に指が入りそうになる。

「や……っ！！」

震える声に、男たちは笑いだした。

「声たまんねぇ。誰とでもやるんじゃねぇの？こんなとこ歩いてよ」

「なぁ、続き……していいよな？」

手が胸元に伸びる。

――ほんとに、終わる。

「や…いやぁ…っ」

泣き声が漏れた瞬間――

後ろの男が、吹っ飛んだ。

ドンッッ！！

「……は？」

もう一人が動揺した瞬間。

『カッ』と空気が凍った。

「触んじゃねぇよ」

低く、冷たい声。

街灯の真下で、ぷりちゃんがゆっくり手を振り払った。

金髪が湿った風に揺れ、

目だけが笑っていなかった。

「俺のちぐにさわんなや」

「は、誰だよテメ――」

ぷりちゃんは男の胸倉を掴み、壁に叩きつけた。

ガンッ！！！

「痛ぇっ……！」

「ちぐに触った手、折ったろか？」

顔は笑っているのに、声は刺すほど冷たい。

逃げようとしたもう一人の足を蹴り払って転ばせる。

「どこ行くねん。許可した覚えないで？」

男たちは顔面蒼白になり、何度も頭を下げながら走って逃げていった。

路地に残ったのは、俺とぷりちゃんだけ。

その瞬間、俺の緊張の糸が切れ、足が震える。

「ぷり、ちゃん…っ」

涙が溢れる。

ぷりちゃんは俺を一瞥し、

ため息混じりに笑った。

「……ほんま、すぐ泣くなぁ。弱すぎんで？」

ちぐの心がズキッと痛む。

「なんで……助け、に……」

「別に？俺が遊んどる途中に、他の男に触られんの鬱陶しいだけ」

優しさなんて一つもない。

ただの独占欲。

ただのクズ。

「泣くんも、怯えるんも……」

ぷりっつはちぐの涙に軽く触れながら、

どこか楽しそうに笑う。

「ぜんぶ俺の前だけでやっとけや。他の奴に見せんな。おもんなくなる」

「っ…ひどいよ、ぷりちゃん…」

「知っとる。でも、離れへんのやろ？」

俺は何も言えなかった。

図星だった。

ぷりちゃんは俺の手首を掴み、ぐいっと引き寄せる。

「帰るぞ。お前みたいな可愛いの、一人で歩かせられへんわ」

甘い言葉みたいに聞こえるのに、

そこには優しさなんて欠片もない。

ただ――“俺の所有物から勝手に動くな”という命令だけ。

それでも、俺は逆らえなかった。

ぷりちゃんの背中についていくしか、

もうできなかった。