コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「……だけど私、ちょっとだけ驚いているんです」
赤く火照った頬を両手で挟んで、ふぅーっと小さく息をついた。
「驚いてる? 僕にか?」
「はい。だってチーフはなんていうか、その……もっと恋愛も、仕事みたいにクールにこなすのかなとも思ってたから」
「ああ、ハハ」
彼がメガネの中の目を薄く細めて、優しげに笑う。
「僕だって、仕事みたいな余裕は、恋にはないよ」
「そう、なんですか?」と、首を傾げる。
「ああ、好きな人の前で、余裕ありきでクールでなんて、いられるわけがないだろう」
彼の言葉に、ようやく冷めてきていた頬がまた熱くなってくる。
「それに僕は、かわいいものが好きだから。かわいい、君が……」
これ以上赤くなれないんじゃないかと思うくらいに、自分の顔が真っ赤になっているのがわかる。
「ほら、そんなに照れて……」
熱を持った頬に、彼のあたたかな手があてがわれて、
「……可愛い」
耳にふっとキスするように囁きかけられた……。