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「さあ一緒にショータイムしようぜ~、早く見せてくれよ。親子揃って見苦しく死んでいく姿をよ~!」
そう言ってディアマンテが斬撃を飛ばす。攻撃は避けられるのだが、いかんせんあの男、キュロスや俺たちの神経を逆撫でするのが好きらしい。男通しの怠慢に思わず首を突っ込みそうになるくらいには俺もムカついている。
「お父様…」
ディアマンテが花火筒から打ち上げ花火のように何かを打ち上げる。
「あれは…」
「紙吹雪?」
「そう。その紙っぺらに見えるのは、俺がひらひらにした何かだ。さあ、能力を解くぞ。ヒラリリース!」
「……ッ、棘の鉄球!」
「見ろ、美しい。まるで星屑のようだ」
舞っているのが棘の鉄球じゃないかつ、出したのがお前じゃなければ本当に綺麗だったのにな!!
「ロビンさん…」
「逃げ場はなさそうね」
「ロビランド、ジェイデン、レベッカを頼むぞ!」
「それはもちろんだが……あんたも危ないんじゃねえか!?」
「私なら大丈夫だ」
キュロスはそう言って再びディアマンテを見据えた。
「ここがひまわり畑でよかった。ミルフルール。綺麗に咲いたところ、ごめんなさい」
ロビンがひまわりを切断し始める。
「レベッカ、俺の後ろに! ロビンさん、一応二重でレベッカを守るぞ」
「ええ!」
「鉄塊、剛」
武装色の覇気に類似している六式、鉄塊。武装色でもいいのかもしれないが、俺には使い慣れたこっちの方が扱いやすい。
「花傘!」
棘の鉄球を浴びないよう、防御をする俺たちとは違い、キュロスはすべて剣で弾いていた。なんて男だよ。
そんな男の唯一の右足を、ディアマンテが撃った。隻脚の彼は地面へと伏せ、上空からの棘の鉄球を浴びてしまう。
「お父様ーっ!!!」
レベッカが怒りを露わにし、剣を握る。俺は鉄塊を解き、レベッカの腕を掴んでロビンの方へ投げる。
「ロビンさん、レベッカを!」
「っ、ダメよレべッカ! まだ鉄球が」
「お父様~!! 許さない! 許さない、ディアマンテ!!」
「ハハハハ、そうだレベッカ。俺を許すな。戦え、この手にかけてやる。母のようにな」
「放してロビンさん、私あいつを!」
ロビンが作った花傘ももうそろそろ限界だ。この鉄球の雨はいつまで続くんだ? 俺やロビンがそう思った時、彼は立ちあがった。鉄球の雨を物ともせず、娘に言い放つ。
「剣を捨てろ! お前はせっかく10年もの間…」
「お父様、傘の中へ! 死んじゃうよ!」
「母の願いを守り抜いたのだろう!」
「あっ……」
「あのコロシアムに立ってなお、人を傷つけなかった! お前の手はまだ、美しい! その手こそ、母、スカーレットの宿る手だ!」
キュロスの言葉に、レベッカは剣を地面へと落とす。
外道の血、ディアマンテの血で今更汚すことなんてないと、キュロスは叫び、そして飛び出す。
「レベッカ! お前に剣は振らせない!」
キュロスはディアマンテに剣を振り続ける。叫びたくなるほどの痛みに耐え、ディアマンテに向かっている。痛みは人間である証だ、そんな言葉を口にしながら、彼は剣を振る。
――ドレスローザに降り注いだ悲劇に比べれば、こんなもの痛みですらない!
そう叫んで、キュロスはディアマンテの首を狙う。
2人は鉄球が降り注ぐひまわり畑で剣を交え続け、決着がつかない。互いに一歩も譲らず、戦い続けた。
やがてキュロスが膝をついてしまう。ディアマンテはニヤリと笑った。
「限界の様だなぁ、キュロス」
鉄球がようやく止んだ。膝をつき、荒い呼吸を繰り返すキュロスに剣を振りかざしていた。
「俺の一撃は、大地をも断つ!」
「やあああ!!!」
キュロスが雄たけびをあげ、そして跳躍する。
「雷の破壊剣-トゥルエノ・バスタード-!!」
彼が繰り出した一撃は、10年間ドフラミンゴに苦しめられたドレスローザの怒り全てが込められた渾身の一撃は、間違いなくディアマンテにとって致命傷であった。吹っ飛んだディアマンテの先には質素な墓があり、それに頭を打ち付けてディアマンテは戦闘不能となった。