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目が覚めた。ここは天国だろうか。それとも地獄か。「フンフーン」鼻歌が聞こえてきた。ここは…家…?いや待てよなぜ水中にあるんだ。「息がっ」「あ!目が覚めたんだね!落ち着いて!吸ってえ吐いてえまた吸って」「あれ、息ができる」「すごいでしょ魔法、得意なんだ」「そうなんですか」そうなんですかってなんだよ。冷静になれ、魔法ってなんだ。にしても…「もしかして忘れちゃった?」「ノン!」「正解」ニッと歯をむき出して笑う姿にまたしても。邪な感情が現れた。「ねえ、また死のうとしたの?バカ…」そうだ。僕はあいつに殺されたんだ。それじゃあおかしい。なぜ傷が治ってるんだ。「その傷、私が治したの。迷惑だよね、でも放っておけなくて」「違うんだ。俺は殺されたんだ。あのデブが。」「殺された…ってどういうこと?」僕は話した。一から。時々泣きそうにはなったが。真剣に聞いてくれたので楽だった。沈黙が続いた。「また泣いてるのか」「だってぇ。なんでそんなにハキハキと…強いねえ…」調子が狂う。これまで一緒に泣いてくれる人すら、まともに話を聞いてくれる人すらいなかったのに。この人になら言ってもいいのかもしれない。「実は…親は殺されたんだ。人魚に」