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そしてしばらくの時が流れた。快気祝いと景気づけに、織田信長は、以前のように城下を練り歩いていた。
柴田勝家は安堵する。
「殿……よろしゅうございました」
「本当に倒れた時は、この勝家、肝を冷やしましたぞ」
「二度とあのような無理はなされませぬよう」
信長は軽く笑う。
「悪かった悪かった、すまなんだ笑」
その時――
目の前に、道を塞ぐように一人の男が立ちはだかる。
男は頭を下げる。
「織田信長様ですね?」
「いつも瓦版、拝見しております」
「倒れたとの報が出た時は、誠にショックでございました……😭」
勝家は吐き捨てる。
「誰だ貴様は!?」
「気安く殿に話しかけおって、名乗らんか😠」
男は丁寧に名乗る。
「失礼いたしました」
「それがし、木下藤吉郎と申します」
「あなた様の先見の明に、心を奪われました」
「どうか、お仕えさせてくださいませ!!」
信長は興味深そうに笑う。
「木下藤吉郎、か……」
「面白い笑」
「草履取りとしてなら雇ってやってもいいぞ」
藤吉郎は目を輝かせる。
「本当でございますか!ありがとうございます!!」
そうして藤吉郎――後の豊臣秀吉の、草履取りとしての仕事が始まった。
「猿💢💢」
織田信長は草履を手に取り、眉をひそめる。
「草履が暖かいではないか……」
「さては尻で温めておったな?」
藤吉郎は慌てず答える。
「いえ、最近は寒うございますので」
「懐に入れて温めておきました☺️」
信長は一瞬黙る。
そして――
「そうだったのか」
「気が利くのう。怒ってすまなんだ」
「これからも励め」
藤吉郎は勢いよく頭を下げる。
「はっ!!」
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琴寧