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「久しぶり、元気だった?」



「お前、ちょっと痩せた?」



貸切のバーで、懐かしいメンバーが集まり、賑やかに会話を楽しんでいる。



「穂乃果! お待たせ」



少し遅れてきた美咲が、息を切らしながら私に声をかけた。



「私もちょっと遅れちゃって、さっき来たばっかりだよ」



「そっか。穂乃果も仕事だったんだよね」



「うん。今、卒業シーズンで忙しくて」



「本当にそう。今日も謝恩会とかのヘアセットの予約でいっぱいだった」



卒業してから初めての同窓会――

みんなとは5年ぶりに会う。

私達は美容専門学校の卒業生で、今はそれぞれの道を歩んでいる。



同窓会なんて、正直そんな気分じゃなかったけど、美咲にどうしてもって誘われて……。仕方なく来てみたんだけど、やっぱり早く帰って眠りたい気分。

もう、仕事で体がクタクタだよ。



美容師って……本当にラクな仕事じゃない。



私の親友の長野美咲(ながの みさき)は、都内の人気美容院で働いている。学生時代から優秀だったからな……



ショートカットがよく似合って、とても可愛い美咲。性格も明るくて、いつも周りを盛り上げてくれる本当に良い子。身長は155cm、ほんの少しだけぽっちゃりしてて、昔から男子によくモテてた。



美咲とはすごく気が合って、気づいたらいつも一緒にいた。私は、大人しい方だから、学生時代はいろいろと彼女が引っ張ってくれた。

何でも話せる「親友」と呼べる唯一の人。そんな美咲がこんな私と仲良くしてくれてることは、今でも感謝だし、本当に有難いって思ってる。



美咲とは正反対の私。

何でこんなにマイナス思考なんだろうって、時々、本気で落ち込んだりする。



顔立ちは、親には「中の中」だって言われたことがあるくらい、普通……かな。美咲は、もっと自信持っていいって言ってくれるんだけど。

マイナス思考な感じが、見た目にも現れてしまってるのか、全体的にちょっと地味めだと思う。



女子としても、たぶんイマイチな感じだろう。なかなか自信が持てないし、自然に恋愛にも奥手になってる。



目はパッチリ二重なんだけど、あんまり濃いメイクはしないから、どうしても顔が目立たない。

唯一、褒められるのはスタイルかな。昔からそんなに運動もしないんだけど、太らない。適度に胸もあって、ウエストはくびれてる。

身長は163cmだから、モデル体型とはいかないけど、ダイエットしなくていいから、そこだけは親に感謝だ。



そこだけは……ね。



華やかな美容の世界で、私はやっぱり目立たない、ちょっと浮いた存在。



みんなが綺麗になりたいっていう願いを叶えてあげたくて、私は美容師になった……って、そこまでは言い過ぎかも知れないか。半分は本当だけど、でも、半分は……

始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から

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