テラーノベル
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頬を伝った雫が地面を小さく弾いた。
掌で目元に残った雫を拭いとって俺の演技が開幕した。
勇「じん…と,,?え?」
仁『、、っ____,,』
勇「え…?ちょっ、、」
案の定、滅多に泣くことがない俺が涙を流しているのをみて戸惑っていた。
しかもその涙を流す原因が"自分のせい"だと疑心暗鬼になりながら
勇「何でそんな泣いてんの…?」
仁『だからっ,,だから今日来たくなかったんだよ…っ___』
勇「え? 」
仁『こうやっていじられると思ったから…っ、、俺が嫌いだからって、、そこまで言う必要ないんじゃねぇの…?っ___』
勇「嫌いって…」
仁『嫌いじゃなかったら何?俺が必死に受け流してたのに、続けてくんのそっちだろ』
勇「ごめん…」
仁『動画の撮れ高のためだって思ってたけど、回ってないときにもするって…嫌い以外あんの…?』
なんて嘘のような半ば事実のような作り話をポツポツと述べていった。
舜「仁ちゃん演技上手い…」
柔「勇ちゃんめちゃくちゃ焦ってるけど笑」
太「なんか恥ずかしー…///」
太智が恥ずかしそうに両手で顔を隠すなか、 別室では、もはやドラマのワンシーンのような画面越しの出来事に見入っていた。
仁『___っ,,もういい..』
ドッキリのはずなのに、なぜか1度始まった演技に呑み込まれ、役に染まってしまっていた。
台本なんてものはもちろんないが体が覚えてるかのように次々と言葉が出てくる
勇「まって…!!まって,,ごめん…」
仁『なに…どうせ2人でいるのも不快だとか思ってんだろ,,?いいよ、、でてく…』
勇「…っ不快とか思ってないから…!だから,,ちょっと待ってって…」
そう言葉を捨てると出ていこうとする俺を引き止め、腰に手を回して引き寄せた。
そして額と額を合わせ、優しく,,優しく言葉を繋げた。
太「えー!!」
舜「わお笑」
柔「笑笑まじぃ?」
別室にいる3人はというと、その光景に興奮状態。
勇「ごめんね、仁人。俺仁人のこと嫌いだなんて今までで一度も思ったことないよ。」
仁『じゃあなんで…』
一番疑問に思ってたことを流れのまま言葉を乗せた
すると勇斗は顔を赤らめながら言い訳するかのように言った。
勇「ほら…好きなやつに,,イジワルしたくなんじゃん…///」
仁『は…?』
予想外の答えに両手で隠していた顔を出した。
俺の腰に手を回して抱きつく勇斗の顔が思っていたよりも近くて、体温がみるみる上がっていった。
勇「だ・か・ら…俺、仁人のこと好きなの…イジワルしたら、俺だけ見てくれるじゃん…だから,,」
仁『そんなことかよ…』
なんてひと息つくと、また何故か頬を濡らした。
勇「あぁなんで泣いてんのよ。ごめんって、嫌だったよな」
仁「そういう事じゃないんだけど…勇斗、ほんとに俺の事嫌いだったらどうしようって思って__」
勇「笑好きですよ、この世で1番。」
プロポーズにでもとれる言葉に目を丸くした。
目の前にいる佐野勇斗は優しく愛くるしい笑顔を見せていた。
仁『___っ,,…』
勇「あーあ今度はなに笑珍しいじゃん、仁ちゃんがこんなに泣くの。いつぶり?笑」
なんて慰めるように背中をさすった。
舜「これ…俺らどうする,,?笑」
柔「ドッキリとも言いづらい笑そのまま片付け終わった定で戻る?」
太「そうしよっか笑」
別室を退出し、2人がいる部屋のドアを開けた
そして、今までのことは何も見ていなかったように振舞った
柔「片付け終わったよーって、、え?何してんの?笑」
勇「あ、あーいやこれは」
舜「あー!勇ちゃんが仁ちゃん泣かせたん?笑」
勇「違うって!!いや、違くもないけど…でも、違う!」
太「いいからもうエンディング撮ろーよー」
涙を拭って、オープニングの時のように並んだ。
何故か勇斗が立っている左側があつい
カメラの再生ボタンが押される直前、勇斗が俺に耳打ちするかのように声を小さめて言った。
勇「で、どっち…?」
仁『…いいよ、、』
再生ボタンが押された時、勇斗は下で小さく握りこぶしを作った。
柔「仁ちゃんよかったね」
仁『え?』
柔「え?って、付き合えて」
仁『は!?なんで知っ,,,』
柔「いや、わかるよ笑」
仁『まじか…///』
柔「にしてもガチで泣いちゃった仁ちゃん可愛かったなー笑」
仁『それもバレてんのかよ…///はずっ,,あれは不可抗力ですから』
柔「もう1回このドッキリする?」
仁『もういい…///笑』
end.
コメント
1件
めっちゃよかったですありがとうございました😭👏✨✨