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#転生pr
るあ . 🍵
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第3話『逃げたいのに、逃げられない』
夜中の二時。
眠れないまま、澪はベッドの上でスマホを握りしめていた。
画面には、奏から届いた最後のメッセージ。
『澪には、俺だけいればいいから。』
何度見ても、冗談には思えなかった。
恐る恐る連絡先を確認する。
やっぱり消えている。
クラスメイトも、図書委員も、部活の先輩も。
残っているのは家族と奏だけ。
「……どうして。」
小さく呟いたその時。
スマホが震えた。
奏
『まだ起きてる?』
心臓が跳ねる。
既読も付けていないのに。
『電気ついてるよ。』
その一文を見た瞬間、全身が固まった。
まさか。
澪は震える足でカーテンを少しだけ開けた。
家の前。
街灯の下に、一人の少年が立っている。
黒いパーカー。
見慣れた黒髪。
奏だった。
目が合う。
すると奏は、にこっと優しく笑い、小さく手を振った。
澪は反射的にカーテンを閉めた。
「なんで……。」
スマホがまた震える。
『怖がらないで。』
『顔が見たかっただけ。』
『おやすみ。』
足音が遠ざかっていく。
その夜、澪は一睡もできなかった。
翌朝。
目の下に薄く隈を作ったまま教室へ入ると、奏はいつも通り笑顔で待っていた。
「おはよう、澪。」
「……おはよう。」
「寝不足?」
「少しだけ。」
「無理しないで。」
そう言って、奏は澪の髪をそっと整える。
その手つきは優しい。
昨日の出来事が嘘だったかのように。
昼休み。
担任が教室に入ってきた。
「席替えをする。」
教室がざわつく。
くじ引きが始まり、澪は窓際の一番後ろになった。
奏とは少し離れた席。
(少し安心できるかも……。)
そう思った矢先。
「先生。」
奏が静かに手を挙げた。
「白崎、目悪いですよね。」
「え?」
突然名前を呼ばれ、澪は驚く。
「前の席の方が見えやすいと思います。」
担任は少し考えた後、
「じゃあ黒瀬、お前と白崎で席を交換するか。」
「ありがとうございます。」
奏は微笑んだ。
気づけば、また隣。
まるで最初から決まっていたように。
「……。」
「よかったね。」
奏だけが嬉しそうだった。
放課後。
澪は一人で帰ろうとした。
今日は少しだけ距離を置きたかった。
昇降口を出た瞬間だった。
「澪。」
後ろから腕を掴まれる。
「一人で帰るの?」
「今日は用事があって……。」
とっさに嘘をつく。
奏は数秒黙った。
「嘘だね。」
「……え?」
「澪、嘘つく時、左手を握る癖あるから。」
息が止まる。
そんなことまで見られていたなんて。
「俺、澪のこと全部知ってる。」
優しい笑顔。
だけど、その瞳だけは笑っていない。
「怖い……。」
思わず漏れた本音。
その一言に、奏の表情が固まった。
「……怖い?」
「ご、ごめん……!」
「謝らないで。」
奏は俯いたまま、小さく笑う。
「やっぱり足りないんだ。」
「え?」
「もっと一緒にいないと。」
その声は、どこか壊れていた。
「澪が俺を怖がるなんて、おかしいもん。」
そう言って奏は澪の手を握る。
ぎゅっと。
逃げられないくらい強く。
「安心して。」
「俺は絶対に澪を傷つけない。」
その言葉が、一番怖かった。
澪は初めて思う。
──この人から、逃げなきゃ。
だけど、その決意を見透かしたように、奏は耳元で静かに囁いた。
「逃げても見つけるよ。」
その声に、澪の背筋は凍りついた。
──第4話『檻の鍵』へ続く。
コメント
6件
えっぐ
おお、第4話読んだわ…これ、ガチでじわじわくるやつやな。 奏くんの「全部知ってる」発言と、逃げても見つけるよって囁き、あれほんま怖かった。一見優しいのに目が笑ってない感じとか、隣の席に戻ってくる執着具合がもう完全に「逃がさない」ってスタンスやん…澪の震えがめっちゃ伝わってきたわ。 続きが気になりすぎる!鍵って何やねん…。次回も絶対読むわ🔥