──────れいまり視点──────
(まずいまずいまずい…!!)
完全な想定外の出来事だった。ここまで大掛かりのことを、メテヲさんが、ガンマスさんに対して行うとは想定していなかったからだ。正直、メテヲさんが本気を出さず、舐めてかかったところに不意打ちでやるつもりだったのだ。ここまで警戒されているとは思っていなかった。そして、おそらくだが、ガンマスさんがこのことに気づいていない。いや、普通ならば気づけるわけが無いのだ、この状況の事に。今いる空間が敵によって作られている、なんて思わないだろう。それが、天使のやることなのか。いや、天使かは分からないが。
そんなことは今は、どうでもいい。それよりも打開策を考えなければならない。最悪の場合、ここで切り札をきるはめになるかもしれない。それは、できれば避けたいことだ。まあ、そうなった場合は割り切るしかないのだが。
そんなことを考えている間にも、2人の戦いはほぼ互角のように繰り広げられている。裏をかけば、裏の裏をかかれる。こんな戦闘を繰り広げ、傍から見ればどっちが勝つかなんて皆目見当につかない程の戦いだった。しかし、メテヲさんの表情は崩れることは無い。ポーカーフェイス、ではなく、決定的に勝てる手段を持っているからだ。既に、大技は発動できるというのにしないのは、慈悲なのか、はたまた戦いを楽しんでいるのか、私には判別できなかった。
戦いは段々と肥大化していき、その状況を見ているだけで、私は何も手出し出来ない状態に歯がゆさを覚える。しかし、ここで私が出たとしても、ガンマスさんが驚きで硬直してしまうかもしれない。それすなわち相手に隙を見せるということ。そんなことをしたら、すぐにでも距離を縮められ、重傷を負うだろう。そうなったら、もう、終わりだ。そんなこと、分かりきっているのに、体は今すぐにでも助けに行くという強い意志を見せる。それを脳が、理性が、引き止める。
脳がぐるぐると回り、様々な思考、作戦が飛び交う。せめて、相手の思考さえ読めれば。相手が死人同然の天使でなければ心を読めたと言うのに。そんな焦りを覚え、今そんなことを悔いてもしょうがない事ばかり考えてしまう。打開策を思い浮かべなければならないのに、脳に浮かぶのは最悪の状況だった。
ぶわっと、空に浮く感覚が私の全身を巡る。どうやら、その時は来たようで、ガンマスさんが足場だと思っていたところがガラガラと崩れ、同時に、強い光と闇が周囲を囲い、ガンマスさんに向かってくる。…どうやら切り札を切るしかないようで、しかし、ここできる訳には…と葛藤が思い浮かぶが、今は、そんなことを気にしている余裕はなかった。今、切らなければガンマスさんは確実に死ぬだろう。ならば、やるしかないのだ。
1回きりの、大技、なんて言える代物ではない。こんなの、チートであり、ズルでしかない。しかし、罪悪感はとうの昔に捨てたものだった。
──────『神の権限』
私が、この『Sれいまり』としての『人生』で1回しか使えない。約2000年ものあいだ、温めていた『チート』。
発動したその瞬間から、効果は始まる。──────何もかもが止まる。ガンマスさんを襲っていた光と闇は、瞬時に消え去り、私はピンからいつもの姿を取り戻し、寂しげな笑顔を浮かべているガンマスさんをそっと、抱き抱える。これは、私が手に入れた力であり、東雲椎名の力でもある。神の権限。それは、私の人生でたった1度しか使えないという私の最後の切り札。これは、私の思い描くとおりに、この世界が進むというもの。
しかし、この技には様々な制約がある。この力が発動できるのは、『面白い時』。平和になれ、なんて願っても、それは素晴らしものだが、面白くはない。ここでこの場から去る、退散、と言ってもそれは身の安全を考えれば当然のことだが、面白くはない。しかし、『相手の大技を消して、ほぼ死亡決定のガンマスさんがここで生き残る』。と、言う展開は、みなをワクワクとさせ、そして、期待を裏切らない。そう──────『面白い』のだ。
我々の命がかかっている、と言うのに、神の面白いか、面白くないかで命さえも決まるこの能力は、神の手のひらの上で踊らされているようなものである。しかし、そうでなければガンマスさんは確実に死んでいたのだ。これは、ある意味神からの慈悲なのかもしれない。…許すつもりは無いが。
…おそらく、この力はそろそろ消えるだろう。私がこの力で無双するのは、面白くないのだろう。力が抜ける感覚。非常に不快だった。ここからは、自身の力で飛ばなければならない。九尾というのは便利なもので、念力によって一時的に飛べるようにする。
パキッパキンッ
空間に亀裂が入り、私が使用した力が全て抜け出す。と、同時にガンマスさんがゆっくりと顔を上げる。ちゃんと生きている。布によって、表情は見ることは出来ないが、見るつもりもない。ガンマスさんの体温を肌で感じる。生きている。ちゃんと。できたのだ。成功したのだ。安心感で脱力仕掛けたが、それよりも先に、ガンマスさんの安否を確認しなければならなかった。
「ガンマスさん!大丈夫でしたか?」
本当に、無茶をして。
ここで切ります!いや〜やっぱりれいまりさんは強者が似合いますね!単純そうに見えて、どこか掴めなくて、怪しい。こんな逸材そうそういませんよ!最高(?)!でもね、私はこういう人に苦しんで貰いたいんですよね〜。…キャラ崩壊が加速してきてるんですよね、まあ、過去が特殊なのでそれに影響して〜っていう言い訳をかましてます。はい。
神の権限…強くないですか?自分で書いてて思ったんですけど。まあ、1回しか使えないので、そこはどんまいということで…。何回も使えたらつまらないですから!ね!
あ、そういえば冬休みの宿題の進捗はのこり社会と英語の2教科です!3教科終わりました!でも、1番地獄なんですよね…その二教科…。なぜ先にやらなかったのか…。みなさん、宿題は計画的に頑張りましょう…。
それでは!おつはる!
コメント
41件
人生で1回しか使えない…本当に切り札ね