テラーノベル
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死にたいけど死ねない、そんな私にとって救いとなったのがODだった。
始めは市販薬の抗ヒスタミン剤を飲んでみた。
最初20錠飲んでみて効果がなかったから50錠に増やした。
『どうかなぁ…』
執事達に心配されてはいけないので自宅のベッドの上でワクワクしながら待っていた。
『…………、?』
目の前にチラチラと変な光が飛び回って、息が苦しいくらいで吐き気とかもない。
しかし、動き回りたい衝動に駆られてベットから降りて狭い部屋の中をウロウロと歩き回る。
(なにこれ、なにこれ……全然気持ちよくない、気持ち悪い…痒い?なにこれ……)
ひたすら部屋を動き回って、寝間着の上から肌を掻く。
ベットに寝転がってもビクビクと体が動いて寝付けない。
(気持ち悪い……なにこれっ)
チカチカとするような目の前と、小さく震える指。
暫くすると動き回りたい衝動は収まり、ようやく寝付けた。
しかし、寝た気がしない朝熱を測ってみると微熱があった。
『……しんどいし、寝てようかな…』
私はパレスに戻って惰眠をむさぼることにした。
「おや、主様!おはようございます
本日は…すこし顔色がよろしくないような…」
ベッドの横にお花を生けてくれていたベリアンが心配そうに私の顔を見て言った。
とてもODしたから具合悪いなんて言えず、寝不足だからとベッドに入った。
ベリアンはそっと私の頭に触れて熱を測るような仕草をして、微熱だと気づいたのかそっと布団をかけ直して
「ゆっくりおやすみくださいね」
と部屋を出ていった。
(こんなに良くしてもらってるのに、どうしてODなんて…
いや、自殺はもっと出来ないからODしたんだ…)
私はぼんやりとする意識の中、そんな事を考えていた。
一応その日のうちに精神科でODしたことを伝えても、特にできることはないからと追い返されてしまった。
入院とかになるかな〜って期待した私が馬鹿だったようだ。
そして、またしても死にたい期が来てしまった。
『どうせ私が死んだらまた新しい主様が来るんだ、私みたいな役立たずが主様なんて相応しくない、死にたい死にたい死にたい…!!』
しかし、あの優しい執事達が私のせいで悲しむだなんて、耐えられない…
そう思って今度は咳止めの薬を手に取った。
『また20錠飲んで、様子見て足そうかな』
水でごくごくと薬を飲み干し、ついでに睡眠薬を飲んで横になる。
『……はぁ、はぁ、はっ…』
息が苦しい。
暫くして息ぐるしさでゴロゴロとベッドの上を転がる。
くらくらしてきて、これはまずいと思って指輪を嵌めた。
一瞬意識が途切れる感覚、それに酔って私は足元にあったゴミ箱に吐いた。
『ゔっ……おえっ……げほっ…』
薬の味が逆流して気持ち悪い。
そうしているうちに異変を感じた執事達が駆けてくる足音と扉が開く音がして、私はすぐにベッドに入れられた。
「主様、どうしたんですか!?」
「何か悪いものを召し上がったのかも知れない!」
「とにかくルカスさんを!!」
ゴミ箱を抱えて私の背中を擦ってくれる執事と慌ててルカスを呼びに走る執事に別れて介抱された。
「……それで、主様、今回の嘔吐の原因はお分かりになりますか?」
『…………はい…』
迷惑はかけたくなかったけど心配して欲しい、という矛盾した気持ちを抱えたまま、私はルカスに洗いざらい話した。
ルカスは私の持ってきた薬を見て眉を寄せ、どうしてこんなことをしたのかと問い詰められた。
『………ごめんなさい……』
死にたかったなんて言えなかった私はただ謝るしかない。
ルカスははぁっとため息をついてミヤジと交代した。
「主様、ゆっくりでいいから気持ちを話してくれるかい?」
『……ミヤジさん……、怒らないでくれますか…?』
「分かった、怒らないと約束するから話してくれるかな?」
『はい……、実は………私もう死にたくて、でも死んだら迷惑だからって思ってODにしたんです……』
「そうか、我々のことを考えたうえで薬を飲んだんだね?」
『はい………』
「そうか、そしたら私は主様の選択を責めることはできないかな……しかし、そんなことをする前に話してほしかったよ」
『………ごめんなさい……でも、皆すごく素敵な人たちだから、こんなことを相談して困らせるのはダメかなって…』
ミヤジは優しく私の頭を撫でて、前を向かせた。
「主様の思う、素敵な私達は主様の相談を無下にするような人達なのかな?」
『!違います…』
「うん、そうだよ。私たちを頼ってくれなかったことのほうが辛くて悲しい。そのことを分かってほしい。
お悩みがあるのなら、全力で解決するから…少しは我々を頼ってくれないかな?」
『……うん、うん、ごめんなさいっ』
私は泣きながら謝った。
こんなことしてもなんにもならないと、よく分かっていたのにやってしまった。
それがとても情けなくて悔しかった。
「主様は暫く療養が必要だね」
『……はい……』
「辛くても頑張ってきたんだろう?もう頑張るのは終わりにしよう。
ここなら医者もいる、主様を大事に思う執事達もいる。
ここ以上に安心して療養できるところは無いと思うよ」
『……はい…』
「そうです!もう二度とあんな主様の姿は見たくありません!」
ベリアンはグスグスと鼻を鳴らしながら私を睨んでいた。
『ごめんなさい…本当に……』
だけど、死にたいのもODしたのも、私が主様に相応しくないという劣等感からだと、相応しくなるための努力すら出来ないことへの苛立ちからだと、分かってくれていない。
きっと私は生き続ける限りこの気持ちを抱え続けるのだろう。
ベリアン達に知られたらもっと悲しまれるから、そんなこと考えなくて良いと言われてしまうから。
だから、早く死ぬのを期待して生きる。
早く天使を狩って、平和な世界が訪れますように。
そして、私が死ねる理由が早く出来ますように。
そう願って私はまた吐かない程度のODをするのだろう。
MAKO
コメント
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MAKOさんの「鬱な主と オーバードーズ」第11話、読み終えたよ…胸がぎゅってなった😢💔 ODの生々しい描写がリアルで、特に吐き気や息苦しさの感覚が伝わってきて読んでるこっちまで息が詰まりそうだった…。そんな中でミヤジさんの「頼ってほしかった」って言葉がすごく沁みたよ…ベリアンが泣いてるシーンもグッときた😭 でも主様の「生き続ける限りこの気持ちを抱え続ける」って一文が痛すぎて…早く心から救われてほしいなって願わずにいられないよ🥺💫 続きが気になる〜!