この物語は、ある一人の少女が、誰にも負けない、すべての存在を超越するために長きにわたる長旅をした、その旅路を記した叙事詩である。
ある日の昼下がり、私は今日も特訓していた。
「はぁ…はぁ…小休止しよう…」
私の名前は宵崎夢徒。宵崎組の組長であり、神が集う連合組織「梵天組」の三番隊隊長の魔法使いである。
「しかし…やっぱり私は弱い……もっと、力をつけなきゃ…」
そう、私は梵天組の中では戦闘に長けておらず、現状タイマンでの勝利経験がないのである。
「…あの三人はさらに強くなれて、他もみんなも常に強くなってるのに…私だけ、一向に強くなれてない…」
そして、ひとつの案を私は思い付いた。
「…強くなるために、旅に出るか…でもそうなると宵崎組が…あぁ、愛華に任せよう」
私は書き置きを残し、準備を始める。
「さ…始めますか」
荷物を魔法で生成した亜空間に収納して、城を出る。
今、この瞬間。
私の叙事詩は…開幕の時を迎えた。
そして、最初のページを刻みに行こう。
全ては…梵天組を護るために。
いつの日か、輝く星の姓を冠する…あの魔王にも、勝つために。
月の名の姓を冠する一族の長にも、長を相手に勝利を掴んだあの人間にも…勝つために。
私の叙事詩は開かれた。
ならばページを刻まなければならない。
…いつの日か、必ず。
全てを…超越して魅せるから。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!