テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
aka
✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼
💛 side
予想外の人物に汗が湧き出る。じり、と後退をするといきなり間を詰められ壁に押し付けられてしまう。
💛「い、った…!おい、やめろ!」
修斗「仁人、なんで俺から離れていった?」
修斗の鋭い目線が注がれ、対抗するように睨み返す。
💛「なんで…?理由なんて自分で考えろよ…!」
修斗「……輝か?」
💛「…は?」
修斗「あいつが原因か…!?」
胸倉を勢い良く掴まれ、勢い良く弾け飛ぶカーディガンのボタン。服を左右に開かれ、白い首筋が露になる。
💛「や…!」
急いで開かれた服を掴み首元を隠そうとするも、腕を掴まれてしまい叶わない。
まとわりつく様な修斗の目線が、上から下へ、首筋を這う。
修斗「良かった。あいつに痕付けられてないな。付けられてたら、俺、嫉妬でどうかなっちゃうところだったわ…」
修斗の顔が首元に近付いてくる。逃げたいのに、恐怖で足が動かなかった。
💛「…やめて」
涙を堪えながら震える声で懇願すると、修斗がフッと笑うのが分かった。
恐る恐る目線を合わせると、ゾッとするような、蕩けるような笑顔を見せる修斗が居た。
修斗「……かわいい。俺の仁人」
💛「ふざけるな…俺は、誰のものでもない!!」
修斗「…生意気言うようになったなぁ、仁人」
💛「痛っ」
ギリ、と腕を掴む手の力が強まり、緊張から身体が硬直する。
修斗「お前は俺のものだよ。今までも、これからも、ずっと」
💛「ち、がう…ッ!違う!はなせ!!!」
懸命に抵抗するが、体力差があり過ぎて修斗はびくともしない。
悔しさに唇を噛んでいると、いきなり第三者の怒号が裏口に響いた。
「おい!何しとるんや!!!」
修斗「…チッ。仁人、また来る」
修斗は声の主をチラリと見ると出入口から走って去っていった。
❤️「大丈夫ですか…!?」
長身のイケメンがこちらに走ってきた。
緊張から解放されてズルリと床にへたり込む俺を支え、声を掛けてくれる優男。
さっきの怒号を発した人物から発せられているとは俄に信じ難いほど、穏やかな声だった。
💛「あ…ありがとう、ございます」
❤️「怖かったなぁ…震えとるやん」
💛「すみ、ません…」
❤️「吉田さんよな…?俺、M!LKのメンバーで、曽 野 舜 太っていいます。もうさっきの奴もいないみたいやし、安心してな」
💛「M!LK…」
なんで俺の名前を知ってるんだろう?と思ったが、M!LKメンバーと聞いて納得した。
先日、佐野さんと太智とは既に顔を合わせている。彼らから話を聞いたのだろう。
目線を上げると曽野さんと目が合う。背丈は修斗と同じほどに見えるが、顔から性格の良さが滲み出ているような、素敵な笑顔の青年だ。
💛「M!LKって、マジでみんなイケメンなのな…」
顔も性格もイケメンって凄いな。ふふ、と笑みが零れる。
❤️「それ、今言う!?…けど、ありがとな」
曽野さんもクスリと笑う。曽野さんとの会話で段々と落ち着きを取り戻してきた頃、聞き馴染みのある声が響いた。
毅「仁人!!!」
💛「……つよし、」
自分の姿を確認したからだろうか、急いで来てくれたようで息が上がっている。
💛「急かしちゃったみたいでごめん」
毅「…んなことより…!その服…」
💛「あ……」
ボタンが飛んだカーディガンに毅の目線を感じて急いで隠すが、手遅れだったようだ。
苦しそうに毅が顔を歪めたのを見て申し訳なさが募る。
💛「…あいつに、待ち伏せされて…」
毅「どっち…!?修斗?輝?」
💛「…修斗」
毅「あいつ、この事務所にまで乗り込んできたのか…見通しが甘かった。仁人、ごめん。」
💛「いや…いつも本当にごめん。今回は…曽野さんが助けてくれてさ……」
毅「…曽野が…そうか、ごめんな。ありがとう」
❤️「…お礼されるようなことはしてないから、気にせんでください。」
💛「本当にありがとうございます…」
再びお礼を言うと、曽野さんも苦しそうに顔をしかめる。
❤️「…なぁ。あいつ、吉田さんのストーカーなん?」
💛「…」
毅「あぁ、仁人が前に所属してたグループの奴なんだけど…待ち伏せとか完全ストーカーだよな……」
❤️「で、話的にもう一人いるんやろ?ストーカー」
毅「…そうだ」
❤️「毅くん一人では吉田さんを守りきれないことも出てくるんやないの…?毅くんだって、グループ活動してるんやし…」
毅「今日も結局間に合わなかったしな…何も言えねぇよ…」
毅が申し訳なさそうに俺の頭を撫でてくる。さっきから毅にも曽野さんにも辛そうな顔をさせている自分が不甲斐ない。
❤️「…ねぇ、吉田さんを守る役割、俺らM!LKでやらせてくれんかな?」
💛「…え?」
❤️「太ちゃんから聞いとると思うけど、M!LK、1人脱退すんねん」
曽野さんが座り込む俺の前にしゃがみ、目線を合わせてくる。
❤️「…仁ちゃん、って呼んでもええかな…?一緒にドームツアー目指して活動せん?」
💛「…ドームツアー……」
太智もドームツアーをやりたいって語ってたなぁと思い出す。
❤️「そう。今の俺らには間違いなく、仁ちゃんの力が必要や」
💛「…太智も同じようなこと言ってくれたけど…俺のこと買い被りすぎだよ……」
❤️「そんなことあらへんよ。仁ちゃん、ダンスめちゃくちゃ上手いって太ちゃんから聞いた。俺は今日、KISSPLANのレコーディングデータを通しで聞いたんよ。仁ちゃんの歌が上手くてびっくりした」
💛「え、待って。KISSPLANのレコーディングデータ、俺の歌入ってるの?他のメンバーが歌ってるんじゃないの??」
❤️「ガッツリ入っとったよ。主旋律も、ハモリも。あれだけ使われてて説明受けてないん…?寧ろ、仁ちゃんの声を使わんと完成せんよ、KISSPLAN。」
💛「…完っ全に嵌められた……」
毅「嵌められたな」
3人で顔を見合せ、クスリと笑う。
❤️「ねぇ仁ちゃん、M!LKのメンバーになってよ。で、仁ちゃんのこと、俺にも守らせて」
なんでこんな俺に、毅も、曽野さんも優しくしてくれるんだろう。ありがたさと申し訳なさが入り交じる。
毅「…なぁ、仁人。M!LKのメンバーなら、絶対お前を守ってくれる。そのためにも、今までの経緯、こいつらにも話さないか?」
💛「……うん、分かった。曽野さん。」
❤️「舜太でええよ」
💛「…ありがとう。舜太、M!LKのメンバー全員と話せる機会を作ってくれないか?」
❤️「もちろん。皆に聞いてみるな。」
✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼
コメント
2件
