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若き覇王に、甘くときめく恋を

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若き覇王に、甘くときめく恋を

107 - 第四章 永遠の愛を、二人で EP.3「贈られた指輪の意味とは…」⑫

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2025年03月17日

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「君といると、私の理性が崩壊しそうだ」



ひたぶる感情を抑えた彼の低めな声が、羽のようにふわりと耳元を撫でる。


熱を帯びる眼差しに捕らえられて、目を離せないでいると、コロンが香る滑らかな手の平が頬に触れ、肩がびくんと一瞬跳ね上がった。


「二度だから、な……」


「二度?」って、何のことだろうとも思う。


「一度目はミルクで、二度目は本だったろう」


ようやくその意味が知れると、胸の鼓動がいよいようるさいくらいに鳴り響いて、どうにも止めらなくなった。


「……顔を上げて、こちらを見てくれないか?」


うつむき加減な顎の先が、指で掬われる。


「……貴仁さん」


「彩花」


互いに呼び合い、ひたきに見つめ合う。


「……じっと、していて……」


彼が一言を発して、気持ちの高ぶりをなだめるように、私の唇にそっと人差し指を当てた。


触れた指先が下唇を横へ薄くなぞると、「あっ……」と、微かに口が開いた。


「……さっきの続きを、しても?」


黙って首を縦に頷くと、唇にしっとりとひそやかなキスが落ちた。


「……んッ」


求められるままに、口づけに身をゆだねる。


「クッキーのように、唇が甘い……」


彼の囁やきが、甘ったるく私を蕩かす。


「……理性を欠いてしまうほどに、私は、君が好きで……」


息遣いの合間に紡がれる彼の言葉が、纏った羞恥を一つずつ剥がしていく。


「好き……私も」


応えるように告げて、彼へ抱きつくと、ソファーから横抱きに身体ごと抱え上げられた。


若き覇王に、甘くときめく恋を

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