りうらは友達と一緒に小さな集まりを開いていた。部屋の片隅に並べられたキャンドルの灯りが、どこか不安を煽るように揺れていた。ほとけ、初兎、ないこ、いふ、悠佑といったメンバーが集まっている。
「ねえ、みんな。今日は面白いことしようよ。」 りうらが言った。
「どうせ、怖い話でしょ?」 ないこがからかうように笑った。
みんなが集まり、暗い部屋でその夜のゲームが始まった。それは「視線の向こう」を見ることを試すゲームだった。部屋の中には一枚の鏡があり、その鏡に映る自分を見つめると、見る者には何かが起きるという。
「じゃあ、最初は…ほとけ、から。」 りうらが言うと、ほとけは一歩前に出て鏡の前に立った。
ほとけが鏡をじっと見つめていると、部屋の空気が一変した。何かが違う。鏡の中でほとけの後ろに、人影がひとつ、ゆっくりと現れたのだ。
「え?」 ほとけが振り返ると、そこには誰もいない。
「ちょっと待って、今の…」 ないこが言ったが、誰もその正体を見ていない。
その後も、次々とメンバーが鏡を見つめたが、同じように背後に人影が現れ、誰もその存在を確認することはできなかった。
そして、最後に悠佑が鏡を覗き込んだ瞬間、静寂が訪れた。
「何も…見えない。」 悠佑が呟いたその時、突然、全員のスマホが一斉に鳴り出した。通知画面に表示されていたのは、彼ら全員の名前が書かれたメッセージ。
「見つけた。」
その時、部屋の中で最も暗い場所から、誰かが足音を立てて近づいてくる音がした。彼らは振り返ることができなかった。なぜなら、背後にはもう、誰もいなかった……。
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