「ねぇ見て!ソニック!!」
テイルスははしゃぎながら本を指さす。決して大声ではないが、すごくはねた声でソニックを呼んだ。
「どうした〜テイルス?」
ソニックはテイルスが指をさしている本を覗き込む。
大きな花火模様がについていて、ミントグリーン色の生地、そして、下駄。
そこにはテイルスに似合いそうな袴があった。
ソニックはそれを見て、少し心がドキッとなった。
「これ、僕に似合いそうだと思わない?ミントキャンディみたいに甘そうで、綺麗な色だよね、!」
満面の笑みでソニックを見つめる。
テイルスは嬉しそうに2本のしっぽをフリフリしていた。
「あぁ、そうだな…」
ソニックは斜め下を見た。心がもんもんする、
もう夏は終わってしまうのに、テイルスと一緒に夏らしい事をしてなかったからだ。
花火を見たり、祭りの屋台でかき氷を食べたり、海にでも行ったり、
誘おうと思えば、いくらでも誘えたのにだ。
今年の夏の思い出は、1人で走った思い出しかない…強いて言うならナックルズを少しからかって、エンジェルアイランドから放り出されたくらいだ…
(ほんとに、オレ、チキン野郎…)
拳を握りしめる。
「、なぁ…テイルス、」
強ばる口を動かす。
「ん?ソニック、どうしたの?」
テイルスはオレを優しい目で見つめた。
オレはゴクッ、と息を飲んだ。
「えっと、、、なんて言うか、…今度の花火大会、一緒に行かないか…?」
「えっ…?」
テイルスは驚いた表情をする。
「え…あぁ!ナ、ナックルズ誘っても断られちまったし、エ、エミーもその日は用事があるらしくて…え、えと…//」
何をキョドっているんだ俺は…情けない、、
テイルスは目を逸らして考えている様子…
それもそうだ、今まで誘ってこなかったやつからの突然のお誘いだからな…驚くのは無理もない、
(俺、何今更誘ってんだろ、)
諦めかけた、その時…
テイルスが口を開いた。
「…うん!!いいよ!」
テイルスは元気いっぱいの笑顔を俺に向けた。
オレはそれを聞いた瞬間、不安だった気持ちが一瞬にして消えるのを感じた、
なんというか、心が解き放たれたような、 モノクロだった世界が一瞬にして色づいたような感覚。
そんな感覚を味わったことはないのだが……
とにかく、凄く嬉しい気持ちだ…
「じゃ、じゃあ!今週の日曜!よろしくな!」
オレは恥ずかしかったのか、それともこの嬉しい顔を見られたくなかったのか…勢いよくどこかへ走りに行ってしまった、
でもそのおかげで、
こうして1人でもっとはしゃぐことができるから…!!
「ヒャッホゥ〜!!!」
一方…テイルスは、
(ぼ、僕…ソニックと花火を見に行くんだ…!!)
心がドキドキする、ソニックとデートだなんて…!!
「ぼ、僕の方から誘おうとしてたけど、、まさかソニックの方から誘われるとは思わなかった…」
手を胸にあてて、テイルスは天井を見上げた。
ドクッ、ドクッ、
耳に響く心拍音…せわしなくなり続ける。心地がいい、
鼻から深く息を吸った。
そして、テイルスはあの浴衣が乗った本に、目線を落とす。
椅子にゆっくりと腰を下ろした。
「フフッ…袴をレンタルしなきゃ…」
ボソッと呟いた。自然に口角も上がり、
テイルスの頬は桃色に染まっていた。
そして、花火大会当日…
ソニックは慣れない袴を着て、待ち合わせの場所へと走っていた。
(何だ、この服…走りづらいな、)
いっつも裸だからか、走るのに服が邪魔に感じる…
裾を踏んで転んだりしないだろうか…
そんな不安を感じながら、俺はテイルスとの待ち合わせ場所に着いた。
午後の6時半、ちょうど夕日が沈む頃だろうか…Crystal Lake ZONEで、テイルスが来るのを待つ。(Sonic EYXのステージですが、BGMもステージも好きすぎたので使わせて頂きます。ソニックexeやソニックEYXは出てきません!)
オレは走って少し乱れてしまった袴を正し、木にすがって、水平線を眺めた。
沈みはじめている夕日が水面にうつる。それは、他のどんな綺麗なものに負けることのないぐらい神秘的だった。
「フゥ…」
風になびくソニックの青い針、
ソニックは目を閉じて、口から息をはいた。
ガリッ
すると、下駄のこすれる音がして…
「ソニック!待った??」
テイルスはぎこちなく走りながら、ソニックに手を振った。
やっぱり下駄は走りにくいだろうな、、
テイルスはソニックに近づくなり、勢いよく両腕を バッ、と横に広げた。
「どう…?僕のこの袴、似合ってる、かな?」
テイルスは上目でソニックを見る。顔がほんのり赤くなっている…照れてるのか、、?
ドクッ、とソニックの心を射止める。
(…!!//)
ソニックは体を僅かに震わせ、優しく微笑み、、
「おお!似合ってるぞ〜!テイルス!」
と、言い、テイルスの頭をポンッと撫でた。
テイルスは嬉しそうにふふっ、と笑う。それがどんなに可愛かったことか…
傍から見ると、俺たちはカップルに見えそうだ…ただの友達なのに…
このままでいると、気が持たなかったのか、、俺はテイルスの手を引っ張って、花火を見る場所へと移った。もちろん走って。
「ん?ソ、ソニック?どこへ行くの?」
「とっておきの場所さ!テイルスもきっと気にいると思うぜ?」
「ねぇ、ソニック!こんな噂、聞いたことない?」
「なんだエミー?……その、噂って、?」
「…最後の打ち上げ花火のとき、相手とキスをすると、その恋が実るんですってえ//」
「えっ…、」
「素敵よね〜!//片思いも、両思いでお互い勇気が出ない人も結ばれる、はぁ…//なんていい魔法なのかしらぁ…//」
「……( ⊙⊙)」
「ん?どうしたのよ?そんな顔して…?」
「い、いや!なんでも、、」
ソニックは走りながら思い出す。
(オレのこの片思いも、今日で終わりになるか、、それとも…)
唇を噛み締める。
「なんだ、まだ告白もしてないのか。まさか貴様がこんなにも意気地無しとはな、、」
「なんだよシャドウ、、相談に乗ってくれるんじゃないのかよ、、」
「誰が相談に乗ると言った」
「エミー、、」
「…… まぁいい、 、、
まずは距離を縮めることから始めてはどうだ、 無理やりセ○クスでもしたら、相手はお前を少しでも意識し始めるはず。まぁ、そんな勇気もないなら話は別だがな。」
「、、、いきなりセ○クスはねぇ、、それに強引はちょっと避けたいんだが…」
「セ○クスの何が強引だ、、まったく、貴様とは合わないな …………
キス…これが出来ればまだいいだろう。」
「………よく分からないがとりあえずやってみる、thanksシャドウ…」
ソニックはテイルスの手をより強く握った。
「ん、、痛いよソニック…」
テイルスがソニックの手を離した。
「あ….悪い、、考え事してて、気づかなかった….大丈夫か?強く握りすぎたか、、?」
ソニックがおどおどしながらきいた。
(知らず知らずのうちにテイルスの手を握りしめていたみたいだな、、)
視線を手に移す。
「いや、大丈夫だよソニック! 心配しないで!」
テイルスは笑顔で言った。
「そうか、!それなら…」
ソニックがそのまま行こうとすると、なにかに手を握られた感覚がした。
後ろを見るとテイルスがソニックの手を握っていて、、
テイルスが口を開く。
「……それに、、、握ってもらった方が安心出来るんだ……//」
テイルスはほっぺを赤くしながら言う。
ドクッ、ドクッ、
ソニックの心が高鳴った、、
すると、どこか遠くから…パァン、という音と同時に花火が空へ打ち上がった。
ソニックとテイルスがいっせいにそちらに視線をむける。
そこには、7色のカオスエメラルドが打ち上げられていて、、、
「わぁぁぁぁぁ!!!きれ〜!!」
テイルスは目を輝かせて、花火をじっくり見た。
花火を見つめるテイルスの水色の瞳…まるでサファイアのように輝いている。ソニックは吸い込まれるように見つめた。
(テイルス…俺たちが初めて会った時、お前はいじめられてたな…)
ソニックは昔のことを思い出し、優しく微笑む。
(あと時からお前は可愛かったよな、オレの弟分みたいな感じだったけど一緒に過ごして行くうちに成長したよな…今は、”親友”で……)
ソニックは口を噛み締め、花火を見ることにした。そこにはチリドックが打ち上げられていて、
「Wow…見ろよテイルス!チリドックだ!食べたいぜ…」
テイルスはソニックの手の上に自分の手をのせる。
そして、テイルスはまっすぐ見たまま、考え込むように、目線を下げ、口をひらいた。
「ねぇ、ソニック…」
ソニックがチリドックの花火に釘づけになっている目をテイルスに移す。
テイルスの頬はほのかにあかくなっていた。
そして恥ずかしがるように言う。
「ぼ、僕…今日のデート楽しみにしてたんだ、、だって今年の夏、ソニックと何もしてなかったから、、寂しくて… 」
ソニックは息を飲んだ。
「本当は僕から誘おうと思ってたんだ…でも、、ソニックから誘ってくれて、すっごい嬉しかった、、」
「…ぁ………そ、そうだったんだな…//」
「ぼ、く、//ソニックのこと、が…//」
「……////」
少し間が空いた、、ソニックはテイルスの突然のことばにびっくりし、動揺してしまった。
……
……
2人とも黙り込む。
(こ、このままじゃダメだ…なにか言え!オレ!)
(何黙ってるんだ…!僕、、!スキって!言って…!!//)
2人は目を閉じた。
「僕!ソニックのことが好き!//」
「オレ!テイルスのことが好きだ!//」
2人は閉じた目をゆっくり開いた。
そして、お互いの目を見つめ合う。
「「プッ…アハハハハハ!!//」」
「な、何言ってんだテイルス…!!!!!」
「ソニックこそ、、!!!!」
二人は花火の音に負けないほどの声で笑った。とにかく笑いあった。
お互いの目には、涙が浮かんでいた。
……嬉し涙だった。
「…ねぇ、ソニック…さっきのコトバ、、本当なの、、?//」
テイルスはソニックに聞いた。
「…// あぁ、、本当さ、//」
ソニックは片手で顔を隠しながら答えた。
するとテイルスは照れながら、
「じゃ、、じゃあ…僕たち好き同士ってことだね…!//」
無邪気な笑顔がソニックを包み込んだ。
「……//」
(「キス、これが出来ればまだいいだろう。」)
ソニックはシャドウの言葉が脳裏に浮かんだ。
(このチャンスを逃せば、テイルスと俺は……)
今まで逃げてきた…けど、今日こそは絶対にチャンスを掴んでやる…
ソニック覚悟を決めた。
テイルスの手を取り握り、そして片方の手をテイルスの肩にのせた。
「テイルス…オレは、お前が好きだ。」
「…////」
テイルスはそれを聞いた瞬間、、耳を赤く染めた。
「ぼ、僕もだよ、、ソニック…//」
息を吸う。
「付き合って、下さい…//」
2人は徐々に顔を近づけて行く。
唇が触れ合う瞬間、最後の花火が打ち上がった。
(はい…!!喜んで…!///)
The end…??
ソニテイ…チョメしてるの書きたかったのですが、、ショタがすぎて、私の実力じゃ到底無理ということを悟りました……
しろすけさま、、せっかくのリクエストすみません…
ここまで読んで頂きありがとうございます!!
続きは 出すかも……?
コメント
6件
あ ドギャーン(尊爆死)
ソニテイ✨あんまり見たことなかったけど、これ見てすっごい好きになりました! お互い好きだけど、なかなか言えないっていうcp萌えです!!