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とても小さくて、今にも握りつぶせそうな。
それでも小さく息をして懸命に生きようとするそんなか弱いものが好きだ。
誰かに頼って、一種の依存とも言える生き方をする姿はとても愛らしい。自分で主導権を握り、その全てを手に入れたい。そんな欲望は常に僕の心を乱していた。
誰かが泣けば、僕はその涙をすくい、弱みに漬け込んで、その全てを支配したくなった。
けれどもそんなことは世間が許さないし、何より改心した安心安全の無害な国としての印象が全て消えてしまうから。僕は誰よりも賢く生きているから、そう生きなければならないから、失態を犯すことは無かった。
もう二度と米帝に支配されるなんてことは御免だ。平謝りして従順にしているだけで信頼が得られるのは1度目だけ。2度目は無い。
僕は独のように何度も失敗してしまう頭の弱い国では無い。そのはずだった。
仕事を同僚に頼んで少しばかり資料室で休憩しようと煙草をもって来ただけだったのに。
貴方がいた。こちらを見上げる瞳は涙に濡れ、瞼は赤く腫れている。床に力が抜けたようにへたりこみ、いつも被っているシルクハットを握りしめる貴方は僕が喉から手が出るほど欲しいと思っている、か弱い生物に他ならなかった。
一瞬にして僕の心は鷲掴みにされてしまった。
自分がこれ程欲望に忠実だったとは思ってもいなかった。
もう歯止めは効かない。誰の言葉も届かない。
こちらを見て口を動かしている。何を言っているのだろうか。よく聞こえない。もう一度言ってご覧?ほら、さぁ。怯えた顔なんてしないでおくれ。
僕が持てる全てをもって、君の為に生きることを約束する。だから君も僕の為だけに生きてくれ。今すぐとは言わない。恋とは地道なものだ。そのうち、気づけば愛になっているから焦らなくてもいい。ほら大丈夫だから。
この手をとって?
そういうと、英は日本さん?と小さなかすれた声で言いながらそっと私の掌にその小さな手を重ねた。とても愛らしい。その可愛さと来たら!僕はいつまでも君を守り続けるよ。安心して。大丈夫。さぁ、こっちへおいで?