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夕方のチャイムが当たりに響き渡る
夕日が眩しく照らす道をゆったりと歩いていくと
「 見て見て!主人 」
「 …なに? 」
「 もーすぐお祭りだねっ! 」
「 …ーーー 」
下校中の道には神社へ続く長い階段がある
その階段は木々に包まれていて
あまり人が通ることのない道だった
「 今年もお祭りに行くのー? 」
「 ……… 」
ワタシは
無言で階段の前を通り過ぎる
「 主人ー!皆が帰るタイミングで来るって! 」
「 …そう、分かった 」
少し微笑み視線を落とす
「 しずく、今日もワタシ…頑張れた? 」
「 ん〜… 」
体を弾ませながらワタシの前を歩いていく
くるりと振り向いた勢いで
「 主人は、今日もとーっても頑張った!!! 」
と精一杯の笑顔を見せた
溢れ出てきそうな感情を押し殺しながら
「 ありがとう 」
そういって、また淡々と歩き出す
*
「 ただいまー 」
ワタシが玄関の扉を開けると
騒がしい声が部屋中に撒き散らされていた
「 だ、誰なんだって! 」
「 …お前こそ、誰だよ 」
「 ぼ、ぼくは、親友だよ! 」
「 親友ー?なわけないだろw 」
「 ほ、ほんとだよ!!! 」
「 信じられねーな 」
ベッドに寝転んでいる男性とキミが
言い争いをしていた
キミはワタシを見るなり飛びつくように近づいてきた
「 ね、ねぇ!あの人だれ?! 」
「 急に部屋に入ってきたと思ったらさ! 」
「 ぼくの事を押しのけてベッドを占領してきたんだよ! 」
必死な顔で訴えてくるキミを見て
ワタシはなんだか心をくすぐられた
「 …w 」
「 ちょっと!なんで笑ってるの?! 」
「 凄くw必死な顔をしてるからw 」
「 必死になるよ!だって、不審者がいるんだよ?! 」
「 不審者…っw 」
止まられない感情が溢れ続ける
「 おかえり、主人。遅かったな 」
「 w…ただいま、のあ 」
「 …の、のあ? 」
ワタシとベッドの上にいる男性の会話に
キミは戸惑いを隠せないでいる
「 w 」
ベッドの上で笑いながら寝そべっているのは
イマフレの通称-ほのあ-だ
「 残念だったなーw不審者じゃなくてw 」
「 別に、残念なんかじゃないよ! 」
皮肉な口調でほのあは喋りかけると
キミは顰めっ面をしながら言葉を返している
「 …イマフレ達とも仲良くして欲しい 」
「 ……もちろん!きみの友達はぼくの友達だよ! 」
キミの笑顔が輝いて見えた
「 w…さっきまで不審者扱いしてたのにな 」
「 そ、それは、誤解だよ!ごめんね! 」
「 ま…良いけどな。 」
「 ちょっとー!僕も入れてよー! 」
「 おい、乗るな! 」
「 良いじゃんかー! 」
「 じゃあ、ぼくも乗って良い? 」
「 ダメに決まってんだろ 」
“たまにはこういう日があっても良いな”と思い始める
けど
“この日々がいつまで続くのか”という不安も感じてしまう
そんなことを考えながらワタシは今日も
眠りにつく…
→ 下次继续。