金曜日の深夜。
ふいにスマホの画面が光る。
(こんな時間に誰だよ…)
ベランダでタバコを吸っていたローレンは少しムカつきながら画面に目をやると、そこには叶の文字がアイコンと一緒に写っていた。
(また暇電か…)
チルタイムを邪魔されて少し不服だが、かなかなとなれば出ない訳にはいかない。
「もしもし?どしたの叶」
『ん〜〜ぅ?ろーれん?なんでぇ?ろーれんの声するぅ』
呂律の回っていない返答に戸惑っていると声の後ろから賑やかなノイズが聞こえた。
もしや、
「叶、ごめんだけど酒飲んでる?」
『んぅ?おさけ?飲んでるよぉ〜!おいしい♡』
「はぁ〜、なんで電話してきたん」
手を頭に当てながら冷静に尋ねる。
『なんかぁ〜………わっかんない!えへへ』
これ相当ヤバいやつだな。周りに男いないといいけど。いや、いるよなこれ絶対。
「叶、迎えに行くから。店の名前教えて」
『おみせ?えっとねぇ、ろーれんとチューしたことあるとこだよぉ〜♡』
「終わってるよ。」
『えへへ』
「じゃあ迎えに行くから、待ってろ」
『うん♡待ってるぅ、ろーれんす、き♡』
電話を切って車に乗り込む。どうしたらあんなベロベロに酔えるんだよ。いろいろ言いたいことはあったが酔っ払いに言ってものれんに腕押しなのでやめておいた。変な男に絡まれてないといいけど。
ようやく店につき、中に入って叶の席まで案内してもらった。
区切られている個室のスペースをのぞくと、そこには叶と地元の友達らしい男が数人座っていた。
「あ!ろーれん〜!会いたかったあ」
そう言ってすぐに抱きついてくる。なんだこの生き物、可愛すぎるだろ。
「っす、お疲れ様です。じゃあこいつ、連れて帰るんで、お世話になりました。」
「ばぁいばーい」
やっとの思いで叶の分のお金を置いて、店を出る。
「おら、車座って。」
「ろーれんの匂いだぁ〜落ち着く〜スンスン」
「おいこら抱きつくな、酒臭い」
「えぇ〜そんなことないよ〜、ね?♡」
そう言うと急に顔を近づけてキスしてくる。
「んっん〜♡あっ、ふっ、…ん、ん」
「、っもういいだろ。分かったから」
「えん、冷たい」
「はあ、とりあえず俺ん家行くぞ」
「あい!わかた!」
家に着くと、叶は案の定助手席で寝ていた。
そのままおんぶして部屋まで運びベッドに下ろす。
「はぁ、疲れた。…他の男になんもされてないだろうな」
「ん、ここどこ」
「お、起きた?俺ん家だよ、何度も来てるだろ」
「………ぁ!えっちするとこか!」
「違わないけど!なんかじゃない?」
「今日もするの?」
「ん〜?どうしよっか♡」
「えぇ〜なにそれ〜笑」
めちゃくちゃご機嫌じゃねえか。正直顔赤いの腰にクるし、これ絶対楽しいよな、
なんてことを期待していると、かなかなが腰に手を回してきた。
「ちょ、それはやばいって」
「え〜なにが〜?笑」
「さすんないで、内もも。……っ」
「そんな立ってないでさ、こっちきてー、ベッド♡」
「いくしかないか、これは」
よいっしょっと。叶の上にまたがる。ここでやらなきゃ男の恥。そう思い込ませながら胸を触る。
「かなかな気持ちい?」
「うん、っ♡気持ちい…♡ろーれん好きだよ」
「俺も」
「あっそれやばいっ///いくいくイっちゃう、あっっんっ〜♡♡♡」
びゅるるるっ
パンツがぐしょぐしょになってる。とりあえず脱がせるか。
「かなかな乳首だけでいけるようになったの?♡」
「うん、」
「すごいねぇ♡かわいい。俺そろそろ限界だから挿れてもいい?♡」
「かなかな…?」
返事がない。まさかと思い顔を上げると、目を閉じて気持ちさそうに寝ている天使がいた。
「マ?、、あんなに盛り上がってたのに??」
俺は悲しいほど元気な息子を抱えて御手洗に向かった。
二度と酔っ払いに手なんか出さない。泣
fin
コメント
3件
ほんとに物語大好きです!