テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
地下へと続く扉は、
入口の右側を曲がった廊下にあった
古びた黒い鉄の扉
今までとは違う、重たい空気が漂っている
扉の鍵穴をスっとなぞる
手の中には、五つの青い鍵
全部、揃った
扉から隙間風が吹いてる
冷たくもない心地よい風だ
cn「行こっか」
コンちゃんが、いつもの調子で言う
少し緊張しているのか手が汗ばんでいる
ゆっくりと、扉に近づく
鍵穴は五つ
順番なんて分からないが
迷うことなく、鍵を差し込んでいく
_カチ
一つ
また一つ
全部の鍵がはまった瞬間
鈍い音と共に床が響いた
扉が、ゆっくりと開いていく
中は、真っ暗だった
冷たい空気が、足元から流れ出てくる
その中へと足を踏み入れた
階段が、下へと続いている
一段、また一段と降りていくたびに
周りの音が消えていく気がした
やがて、開けた空間に出る
そこは、広い地下室だった
シンプルな机に椅子
その椅子に一人、 誰かが座っていた
「いらっしゃい」
その声に、全員が顔を上げる
柔らかい声
少しだけ力の抜けたような話し方、
一定のトーンが部屋に響く
cn「、、、らっだぁ」
コンちゃんが、小さく名前を呼ぶ
rd「うん」
その人_
らっだぁが、ふっと笑った
rd「ちゃんと、来れたんだ」
全員を見渡すように視線を向ける
その目は、どこか優しかった
bd「、、、お前、ここにおったんか」
ばどさんが少しだけ眉をひそめる
rd「うん」
「ずっと、ここにいたよ」
当たり前みたいに言う
でも、その言葉はどこか重かった
md「、、、なんで」
みどりが小さく聞く
rd「みんなを、、帰さないといけないから
さ、答え合わせしよう」
rd「ここは、 未練が
残ったままの人が来る場所
でも、そのままだと
ずっとここにいることになる」
rd「だから、解決する必要がある」
「その人の未練を」
その言葉に、胸の奥が少しだけ重くなる
rd「ぽまえらがちゃんと終わらせてきたから
ここに辿り着いた」
らっだぁが、少しだけ微笑む
レウさん
みどり
コンちゃん
きょーさん
一人ずつ、視線を向けていく
rd「これで、帰れるよ」
その言葉に、誰もすぐには反応できなかった
帰れる
それはつまり_
ru「、、、元の場所に?」
レウさんが小さく聞く
rd「うん」
「あるべき場所に」
静かに、はっきりと言った
そのとき
らっだぁの視線が、こっちに向いた
rd「、、、君も」
一瞬、息が止まる
rd「ありがとう」
そう言って、軽く笑った
なんでだろうか
頭の中に、違和感が広がる
初めて会ったはずなのに
その言葉が、やけに引っかかった
rd「君が来てくれたから、
みんなここまで来れた」
「未練は、俺たちじゃ解決できない
未練がない人が必要だっだ」
静かに続ける
rd「青鬼は、そのために呼んだ」
その言葉で、全てが繋がる
追われていた理由
こんな都合のいい展開があっ た理由
ここに辿り着いた理由が、 全部
rd「はい、これ」
らっだぁが、一つの鍵を差し出す
いつもの青い鍵
でも、今までのものより
少しだけ重い気がした
rd「出口の鍵
これで、外に出られる」
自然と、その鍵を受け取っていた
rd「じゃあ」
らっだぁが、少しだけ後ろに下がる
rd「またね」
軽い言い方
でも、その言葉はどこか遠かった
その瞬間
周りの空気が、ゆっくりと揺れた
ru「お別れだね〜」
レウさんの姿が、少しずつ薄くなる
md「あ」
みどりが、消えかけている
cn「そろそろみたいだね」
コンちゃんが、ふわっと笑う
bd「ほな、またな」
ばどさんが軽く手を上げた
誰も悲しそうな顔はしていなかった
ただ、穏やかだった
次の瞬間
全員の姿が、ふっと消えた
静かな地下室に、一人だけが残る
ありきたりな話か、と言われれば
そうかもしれないが
そんな簡単なことじゃなくて
上手く言葉にできないけど
昔、この人達に会ったはずだ
覚えていないのが悔しい
また、いつか会えるだろうか
手の中には、青い鍵
それを、強く握りしめた
コメント
3件
最終話、読ませていただきました。地下室でらっだぁさんと会えた瞬間の空気感、優しい口調がとても印象的でした。みんなが未練を解いて穏やかに消えていく別れが美しくて、最後の「覚えていないのが悔しい」という一文にジーンと来ました。青い鍵を握りしめたシーンに、再会への希望を感じます。素敵な物語をありがとうございました🌷
𝕽
476
546