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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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「あー、真面目な話をしたら疲れたねー。血の税金で買われた高級お茶でも飲んで落ち着こうか」

「……はい」


真面目な話が終わったとたんに血の税金とか……。わざとふざけてるのかな?

やっぱり根っこは性悪女なのかもしれない。わたしをからかって楽しんでるとしか思えない。


「ふーーー。それにしても、さっきのサっちゃんは本当に凄かったねー」

「はい。お泊り会でも結構な過剰表現でしたけど、さっきのは別格でした」


ホントにすごかった。別格というか別物というか……。

抱きつかれた時の力が過去一番だったし、愛してるとか聞きなれない言葉を言ってた気がする。

抱きつかれて身体をスリスリされたのも初めてだし、息遣いも荒くて完全に興奮した獣状態だった。


「嬉しい、大好きが爆発してああなったとはいえ、元々が大きくないとああはならないから、アリアちゃんは相当愛されてるね」

「愛されてる? 確かにお互い大好きですけど、愛とはちょっと違うと思います」


たしかに、愛してるって言ってた気がするけど、それは癒しの氷と幽霊の後遺症が重なった結果だと思う。

ユリ姉さんが言った通り、大好きが爆発しただけ。

気持ちいい魔力回復が5000%分らしいからね、気持ちも5000%増しだったに違いない。


「まあ、まだ4年生だもんね。わからなくても仕方ないかー」

「4年生とか関係ないと思いますけど……。さっちゃんが大好きなのは十分自覚してますし」


大好きに年齢なんて関係ないと思う。

わたしはちっちゃい頃からさっちゃんが大好きだったし、その頃から気持ちは変わらない。


「今はそれでいいと思うよ。ただ、サっちゃんはもう自分の気持ちを隠さないと思うよ。さっきの暴走で盛大に暴露しちゃった訳だし」

「さっちゃんの気持ちはわかってます。お互いに大好きで、ずっと一緒にいるって誓ってますから」


わたしの気持ちとさっちゃんの気持ちは一緒だと思ってる。

支部の温泉でずっと一緒にいるって決めて、それから何度もずっと一緒にいるって言い合ってる。

わたしは何度か自分は死んだ方がいいとか、離れた方がいいとか思ってるけど、心の強いさっちゃんは「ずっと一緒にいる」という思いを一度も変えてないと思う。だからわたしも「ずっと一緒にいる」という誓いを思い出して頑張れる。


「ははは、ちょーーーと、違うんだなー。忠告しとくよ。サっちゃんが目を覚まして、さっきのことを思い出したら凄く動揺すると思う。そして、ものすごく衝撃的な告白を受けると思うから、今からしっかりと覚悟しといたほういいよ」

「衝撃的な告白……? 覚悟なんて必要ないです。さっちゃんのすべて受け入れますから」


わたしはずっと迷惑をかけ続けてる。だから少しでも恩返しがしたい。

さっちゃんのお願いは何でも聞くつもりだから、覚悟とか必要ないし関係ない。

氷が必要ならいっぱい出すし、お湯マッサージが必要なら何度でもやってあげる。


「それでこそアリアちゃんだよ。二人で幸せになってね」

「もちろんです」


さっちゃんを幸せにする為にはわたしが必要。

わたしの幸せの為にはさっちゃんが必要。

二人とも幸せにならないと、二人とも不幸になる。

さっちゃんはきっと、どんどん強くなってどんどん偉くなっていく。それを幸せにするか不幸にするかはわたし次第。わたしが横にいないと不幸になるなら、わたしは死ぬ気で頑張って横に並んでないとダメ。超優等生になってずっとさっちゃんの横にいる。

わたしがさっちゃん並みの超優等生……。全く想像がつかないけど、頑張るしかないよね。さっちゃんの横にいるって決めたんだから……。


「あ、お泊り会での過剰表現ってどんなのだったの? 教えて」


……ユリ姉さん、またわたしを玩具にしようとしてない?

過激なイチャイチャを見たいとか言ったらまた信用を失うよ?


「……さっきのに比べたら大したことないです。ランニングの後に身体を拭いてもらったり、全身マッサージをしてもらっただけです。後は……お風呂に一緒に入った時に抱きつかれて、さっきみたいなことを言われたくらいです。あんな、死にそうな程に抱きしめられませんでしたけど……」

「おー……、そりゃ傷口も開いて当然だ。よく堪えたと、サっちゃんを褒めてあげたいくらいだよ。アリアちゃんの容赦ないアタックによく理性が持ち堪えたもんだ」

「アタックとかしてません。いっぱい気持ちよくなってもらっただけです」


アタックとか酷い言いがかりだ。わたしはただ気持ちよくなってもらっただけだ。

お湯マッサージも泡洗浄も、初めての時はビックリされたけど、ちゃんと気持ちいいって言ってくれた。


「はぁ、サっちゃんが可哀そう過ぎる……。……生殺しもいいとこだね。……アリアちゃん、癒しの氷のおかげで幽霊の後遺症は治ったんだから、スキンシップはほどほどにね。まだ小学生なんだから」

「小学生とか関係ないです。いつも迷惑をかけてるからお返しにいっぱい気持ちよくなってもらう、それだけです」


後遺症が治ったんだ、これからはもっといっぱい気持ちよくなってもらうつもりだ。

過剰表現がなくなって、抱きしめる力が普通なら遠慮せずに魔術が使える。

いつもの優しい笑顔で「気持ちいいよ」って言ってもらう。それがわたしの幸せでさっちゃんへの恩返しだ。


「もういいよ。好きなだけスキンシップして、幸せになってね」

「はい」

「ん……、あれ……私、なんで寝て……また……?」


……幽霊の時と同じような反応だね。

わたしは2回目なので、すごく冷静になれるよ。


「さっちゃん、大丈夫?」

「アリア、ちゃん?」「

大丈夫? ゴメンね、わたしの氷であんなことになっちゃって」

「あんな、こと……え、……ッ!? アアアア、アリアちゃんっ! あれはっ、そのっ……!」


さっちゃんが言葉を詰まらせて顔を真っ赤にして手をブンブンしてる。

ホントにさっきのことを全部覚えてるっぽい。

こんなに感情がハッキリわかるさっちゃんは道場で泣かせた時以来2回目だ。

あの時は思いっきり泣かせて、今度は思いっきり恥ずかしがらせてる。

わたし、また同じくらいの迷惑をかけたんだね……。


「ホントにゴメン! わたしの魔術が強すぎたせいであんなことになちゃって! だけどもう大丈夫だよ。あの氷で回復したってユリ姉さんが言ってたから。それに、あの氷を食べても次は大丈夫らしいよ。だから、美味しい氷いっぱい食べていいからね」


わたしの謝罪が通じたのか、さっちゃんは少し落ち着いたみたいだ。

顔は真っ赤なままだけど、黙ってじっとわたしを見つめてくる。

……なんだろ? なにか考えてるみたいだけど、わたしになにかお願いがあるとかかな?


「……あの氷、今すぐ食べたいんだけど出してもらってもいい?」


やっぱりお願いだった。

あの氷って、癒しの氷のことだよね……。

さっちゃんが食べたいなら喜んで出したいけど、今って魔力が満タンなんだよね? 魔力の過剰摂取とかでまたおかしくならないのかな?


「ユリ姉さん、今って食べても大丈夫なんですか?」

「大丈夫だよ。ほぼ全回復してるから魔力の無駄になるけど食べても全然OKだよ。魔力の過剰摂取を気にしてるなら気にしなくていいよ。過剰な魔力は身体から出て周囲に散らばるだけだから」


……よく考えたら「癒しの氷」の時点で過剰摂取だよね。5000%回復だもん、聞くまでもなかったよ。


「じゃあ、……癒しの氷。はい、あーん」

「……あーん」

「美味しい?」


今度は普通に味わってるみたいでよかった……。

時々うんうん頷いてるけど、なにがわかってるんだろう?

久しぶりに好物を食べた時になる「そうそう、この味だよー!」みたいな感じかな……。


「凄く美味しいよ……アリアちゃんの気持ちをいっぱい感じる……。すごく、幸せだよ……」


普通の表現でよかった。

魔術をイメージした時に「わたしの気持ちをいっぱいこめる」って思ったから、わたしの気持ちをいっぱい感じてもおかしくない。

わたしの気持ちを感じて幸せって言ってくれる……すごく嬉しい。

さっちゃんが幸せそうに優しく笑ってる……ずっとこういう顔が見たいと思ってた。

さっちゃんに恩返しが出来てる、幸せに出来てる……すごく嬉しい。

この笑顔を見てると、ずっと一緒にいたいって気持ちが強くなる。

わたしが一番さっちゃんを幸せに出来る、わたししかさっちゃんを幸せに出来ない。

頑張ろう、この笑顔とずっと一緒にいる為に……。


「……今の氷は「癒しの氷」っていう魔術なんだ。ユリ姉さんが言うにはさっちゃんにしか効果がない、さっちゃん専用の魔術なんだって。わたしが考えた、さっちゃんの為だけの特別な魔術。この癒しの氷1個で完全にわたしの味に染まれるらしいよ。だから、今のさっちゃんはわたしの味に染まってるよ。氷がほしかったらいつでも言ってね。癒しの氷は1日1回だけど、普通の氷は食べ放題だから。わたしの味でずっと染め続けてあげるからね」


……返事がないんだけど、氷は食べ終わってるよね? 口が動いてないし。

ただじっと、わたしと見つめ合ってるだけだ。ポーっとしてるし、なにがしたいんだろ? またなにかお願いを考えてるのかな?


「……ねえ、アリアちゃん」

「ん、なに?」


お願い決まった?

さっちゃんのお願いなら何でも聞くよ!

さあ、何でも言って! 全部叶えるよ!


「愛してる、結婚して」

「……え?」


……え?

あ、い、し、て、る?

けっ、こ、ん、し、て?


「私、今すぐにアリアちゃんと家族になりたい。姉妹じゃなくて夫婦。もう我慢したくない、気持ちを押さえたくない。アリアちゃんを一生愛することを誓うよ。だから、結婚して」


なに……言ってるの?

本気? 夫婦?

癒しの氷の影響で気持ちが高ぶってる?


「えっと、でも、わたし達ってまだ子供だし……。さっちゃんも言ってたよね、生活がどうとか家族がいるとか……」


落ち着こう、前にさっちゃんが言ってたことだよ、思い出そう?


「……もういい、アリアちゃんと夫婦になってから考える。アリアちゃんの全部が欲しい。誰かに奪われる前に、全部私のものにする。愛してる、私をアリアちゃんのお嫁さんにして。駄目、かな?」

「え、あの、え、えっと……」


あ、すっごい落ち着いてるね。しかもこれは大真面目モードのさっちゃんだ。

大真面目モード中は絶対に嘘はつかないし、冗談は全く通じない。

え?

わたしを愛してる? 夫婦になりたい? わたしがほしい? わたしのお嫁さん?

なにこれ? 夢じゃないよね? 現実……だよね?

え? どうしたらいいの? なんて答えたらいいの?


「だから言ったよね、衝撃的な告白が待ってるから覚悟しといたほうがいいって。ほら、全てを受け入れるんでしょ! 覚悟を決めなさい!」


……言ったよ、全てを受け入れるって。

さっちゃんに恩返しがしたいから、なんでも言うこと聞くって思ってたよ。

でも、これは想定外すぎるよ……。


わたし達はお互いに大好きだけど友達だよ。

ずっと一緒にいるって決めたけど友達だよ。

お互い幸せになるって決めたけど友達だよ。

さっちゃんと家族になりたいけど友達だよ。

愛してる? なんで? 夫婦? 友達だよ。


ずっと友達で、一生一緒にいると思ってた。

……一生、一緒にいるのが友達?

違う気がする……。

お互いに大好きで、一生一緒にいるなら友達じゃない。

ずっと一緒にいる為には友達以上の関係にならないとダメなんだ。

わたしはさっちゃんが大好き。それ以上でもそれ以下でもない。

愛してるとか言われても、わたしには「愛」がよくわからない。

でも、ずっと一緒にいたい。

この気持ちは嘘じゃないし、わたしの全てだ。

……結婚すれば、「愛」がわかるのかな?

わたしは馬鹿だから、ずっとわからなかもしれない。わからない時はどうしたらいいの?


『わからないことがあったら何でも聞いて、アリアちゃんがわかるようになるまでずっと付き合うから』


そうだ、わからないことがあればさっちゃんが教えてくれる。

さっちゃんと一緒にいれば全て解決する。

今は大好きだから一緒にいる、それでいい。「愛」はさっちゃんが教えてくれる。

簡単なことだった。悩む必要なんてなかった……。


「さっちゃんと、結婚、する」


結婚して、さっちゃんに愛を教えてもらう。

一生一緒にいられて「愛」も教えてもらえる。すごく簡単なことだった。

ホントに優しいわたしの一番の友達。

友達の関係を捨てて、わたしに「愛」を教えてくれる人。

大好きだよ、さっちゃん……一生一緒にいるよ。


「私は一生アリアちゃんだけを愛することを誓うよ。アリアちゃんは?」

「……わたしも、さっちゃんだけを、あ、あ、愛することを、ち、誓う」


んんーーー、難しいよ! 「愛」!!


「嬉しい……。もう一生、私だけのアリアちゃんだよね?」

「うん、わたしはさっちゃんだけのものだよ」


これは「愛」が関係ないからわかりやすい。

わたしはさっちゃんだけのものだよ。友達も夫婦も関係ない。


「……夫婦になったんだからアリアちゃんの呼び方を変えたいんだけど、いいかな?」

「うん」

「じゃあ……アリア……って、呼びすてにしていい?」

「うん、いいよ。じゃあ、わたしはさっちゃんのことを……」


なんて呼んだらいいかな?

さっちゃんがわたしを「アリア」って呼び捨てにするんなら合わせる?

さっちゃんを呼び捨て……「さ」? 「さ」はないよ、意味不明過ぎる。

本名で呼び捨てとか? ザナーシャ……。

でも、さっちゃんは「ザ」が可愛くないって昔言ってたよね。だから「さっちゃん」って呼んでた訳だし。

さっちゃんの前はサナーシャって呼んでたっけ……。

そのままサナーシャでもいいけど、逆戻りはちょっとね……。

サナ? サーナ? サナーナ?

どれもピンとこないね。さっちゃんのイメージにもサナーシャのイメージにも合わない……。

んーーー……あ、これ、いいんじゃない?


「……「サーシャ」……て、呼んでいい?」

「……凄く、嬉しい……。私は今からサーシャ……アリアがくれた名前。アリアだけのサーシャだよ」


すごく嬉しそうにしてくれてる、よかったよ。

でも、「アリア」って呼び捨てにされるのはすごいムズムズするね……。

今まで「アリア」って呼ばれたことはないから。

家族は本名だし、友達はみんな「ちゃん」付けだ。

さっちゃん……サーシャだけの特別な呼び方って感じがする。

それに、最後に言った「アリアだけのサーシャ」って……くぅぅぅ~、これもムズムズするよ!?

サーシャ……も、こんな風にムズムズを感じてるのかな……。

これが「愛」?


「もう私たちは友達でも親友でもない、家族……夫婦だよ。一緒に幸せになろうね」

「うん」

「愛してるよ、アリア……」

「あ、愛してるよ、サーシャ……」


ムズムズ3連発だよ!!

「愛してる」も「アリア」も「サーシャ」も全部がムズムズする!!

なんで、さっちゃ……サーシャはスラスラと平気な顔で「愛してる」とか言えるの!? ムズムズしないの!?

……ひょっとして、サーシャはわたしを「愛してる」からムズムズしない?

これが治まれば、「愛してる」ってことになるのかな?


「感動した!!」

「「!?」」

「歴史的な場面に立ち合えて私は感動した! 私が仲人として結婚式に立ち合うよ!」


ユリ姉さんのテンションがこれまでにないぐらいのハイテンションだ。

……歴史的な場面とか大げさすぎる。こんなことは世界中どこでも行われてるよ。

それに結婚式って……前のめり過ぎない? わたし達は子供だよ? 子供の結婚式なんて聞いたことがない。


「ありがとうございます」


さっちゃ……サーシャはなんでそんな平然と受け入れてるの?

あ、そうだ。忘れてたけど、サーシャとユリ姉さんは似た者同士だった。

支部で案内してもらってた時にすごく意気投合してたもんね。わたしの個人情報を垂れ流すくらいには仲良しになってたんだった。


「ただね、二人はまだ小学生で制度上はまだ結婚が認められてない。でも、事実婚状態なのは私が証人になる。お互いに結婚できる年齢になったらすぐに書類を提出して正式な結婚。それでいい、二人とも?」

「「はい」」


……うん、流れに任せよう、もうすでに意味がわからない。


「住む場所とか生活費とかは……まあ、今はまだ子供だし、そのまま家族の元で生活するのが一番かな。家族は大事にすること。もしも一緒に住みたいなら、一時的にどちらかが相手の家に居候してお世話になるしかないと思う。居候した方は自分の両親にちゃんと生活費を出して貰うこと。相手の家に経済的な迷惑をかけちゃ駄目だよ。正式に結婚したら両方の家族は親戚関係になるんだから。もしも、両親の経済的負担が大きすぎて無理って言うなら私に相談してね、私が援助してあげる。両親への結婚とか居候の説得も、必要なら私が協力してあげる。その環境で成人して独り立ちするまで過ごした後はレクルシアに入団。二人だけの愛の巣を見つけてそこに引っ越し、そして夢の新婚生活のスタート! ……この流れでどう?」

「ほえ~……」

「私はそれで構いません。アリアもそれで大丈夫?」

「う、うん、大丈夫……」


なに、この怒涛の説明は? あらかじめ考えてたの?

居候と新婚生活って単語しか頭に入ってない。途中の説明は情報量が多すぎてリタイアだ。

サーシャはよく理解できるね……って、似た者同士だった……。

もう二人に任せよう。わたしは聞くことに専念する!


「安心していいよ、全てお姉さんに任せなさい! 絶対に二人を幸せにしてあげる!」

「はい」

「うん、じゃあ二人とも教室に戻ろうか。しっかり勉強して力をつけてね。サっちゃんに関しては、今回の件が全校に広がっちゃってるからしばらくは嫌がらせや陰口を叩かれると思う、覚悟してね」

「……はい」

「アリアちゃんは徐々に成績を上げてもらって、うちに入団する頃にはサっちゃんと同等か、それ以上の力をつけてもらいたいと思ってる。二人の幸せの為に頑張ってね」

「……はい」


急に現実に戻されたよ。

入団までにサーシャと同等かそれ以上? 無理じゃない? わたしはもっと長期的に考えてたよ。入団までって……早ければ10年もないよ? 地道に強くなってたら絶対に間に合わないと思う。


「あとは……今日の放課後も道場によってほしいかな。私がいるからさ」

「はい」


道場には毎日通う予定だから問題ないよね。

ユリ姉さんがいるってことは、なにか特別なことでもやってくれるのかな?


「よし! じゃあ解散!」

「「はい」」


サーシャが気になって指懲室に行っただけなのにすごいことになったね……。

サーシャと結婚……。

ん~、ムズムズする!!

「サーシャ」も「結婚」もムズムズする!!

嬉しいよ、嬉しいんだけど落ち着かないんだよ! どうしたらいいの!?


「あ、この余ったお菓子、全部持ってってよ。私達の血と汗の税金が元だからね、残したら悔しいし」

「……はい」


落ち着いた……。

ユリ姉さんの性悪さが役立つとは思わなかったよ……。

永遠のフィリアンシェヌ ~友情と愛情の物語~

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