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大森side
若井がうつ病だった
自傷行為が辞められなくて
自殺未遂も増えて
ご飯を食べても戻してしまう日が続いて
「1人になると死にたくなる。」
そう言われたのがきっかけで、しばらくは3人で若井の家に住むことにした。
そんなある日
藤「若井っ、!ダメだよ…!」
若「やめろッ、…!!離せよッ、!」
リビングからそんな声がして目が覚める
見に行くと、若井がカミソリを首にあてていて
涼ちゃんが若井の腕を掴んで必死にカミソリをとろうとしている
若井は泣いていて
腕からも血が垂れていて
涼ちゃんも泣きながら止めている
藤「もときっ…!!!手伝って…ッ」
そう言われてハッとし、若井の体を抑える
若「元貴までっ、…??なんで…泣」
諦めたのか、力を抜いてぐったりとこちらに倒れてくる
大「若井…。腕の手当しちゃおうか。」
若「ごめん、」
落ち着いたのか、さっきまでの荒ぶりはなかったかのようにスンとしている
涼ちゃんに持ってきてもらった救急セットの中から、消毒液と包帯を取り出して慣れた手つきで手当を行う
若「おれ、カミソリ捨てたい」
藤「えっ、」
若井が突然そう言い出した
「カミソリがあるから切ってしまう」
「そのせいで二人に迷惑をかけている」
そう言って部屋から残りのカミソリ全てを渡された
最初、僕と涼ちゃんの中で 若井からカミソリを全て取り上げる という選択肢は確かにあった。
でも若井からすれば大事なストレス発散なわけで
それ以外の発散方法を見つけるまでは、徐々に辞めさせていこうと話し合った。
でも、本人が決めたこと
仕方なくカミソリを受け取った
若「返してとか言うかもだけど…絶対返さないで、。」
藤澤side
藤「おはよう!」
大「んー、おはよ。」
大「若井は?」
藤「まだぐっすり。あの後眠剤のんですぐ寝れたみたい。」
大「そっか。」
何か少し悩んでそうな顔をする元貴
きっと僕もそんな顔をしているんだと思う
昨日、若井からカミソリを受け取った選択が正しかったのか
間違ってたのか
わからない。
ガチャ
若「おはよ」
大「おはー。どう?ちゃんと眠れた?」
若「久々にちゃんと寝れたよ。」
藤「良かった…」
若「昨日は…ごめん。でももうしないって決めたから…。」
藤「でも辛くなったら言ってね、それだけはずっと約束」
大「そうだよー?若井全然相談とかしてくれないから〜怒」
実は
若井がうつ病になった原因をまだ知らない
というか知らされていない
教えてくれないんだ。
きっと、若井にもタイミングがあって
まだ言いたくないんだと思う
だから僕らは気長に待っている
若井に 相談してね とは言うものの
理由が話せないのに相談ができるはずがない。
でも、いつか話してくれる。そう思っている
若「ごめんごめん笑」
大「ほんと、いつでもいいんだからね。」
若井side
ーーーーー23時ーーーーー
なんでカミソリ渡しちゃったんだろう
もう切りたい
昨日の夜はあれほど強く 二度とリスカしない と決めたのに
どうして
怖い
カミソリを全て渡したから切れるものがない
どうすればいいの、
こんな気持から今すぐ抜け出したくて
睡眠薬を片手いっぱいに出して全て飲み込んだ
大森side
ーーーーー11時ーーーーー
藤「今日も若井ぐっすりだね」
大「でもそろそろ起きないと…」
若「おはよ、」
藤「お、噂をすればー!おはよう!」
大「なんか顔色悪いね。ちょっとしんどい?」
若「大丈夫。あ、」
大「うん?」
若「カミソリ…欲しい、。かも…?」
そうだよな
いきなり辞めるのは無理だよ
若井から受け取ったカミソリは捨てずに隠してある
渡してしまっていいのだろうか
でも渡すなって言われたし…。
藤「辞めるって決めたんじゃなかったの…?」
涼ちゃんがそう聞く
若「違う、髭…」
藤「あ、ヒゲ剃るようのカミソリまで渡してくれたの?」
若「うん。」
どうする? とでも言うような表情でこちらを見る涼ちゃん
大「T字のカミソリにしようか。」
若「え…」
藤「そうだね。そっちの方が安全だし」
T字なら切ることは無いだろう
そう思って、コンビニでT字のカミソリを買って若井に渡した。
でも
ーーーーー夜中ーーーーー
若井寝れてるかな…。
ガチャッ
若「えっ…、?」
大「は…ッ、」
若井が血だらけ
どうして
どうやって
よく見ると
T字のカミソリを分解して、刃だけを持っていた
大「若井。」
若「ぁ、ごめ…、泣」
大「違う、怒ってないよ。」
どうしてそこまでして自傷行為をするの
なんて聞けるはずもなく。
藤「どうしたの?って…あぁ、」
大「T字もダメだった…。」
若井side
元貴が部屋に急に入ってきた
若「えっ…、?」
大「は…ッ、」
元貴がこっちを見続けてる
怖い
見ないで
幻滅した?
嫌われた?
いやだ
ごめんなさい
謝るから
まだ一緒にいたい
大「若井。」
あ
言われる
「もう面倒みれない」
見捨てられる
捨てられる
やめて
若「ぁ、ごめ…、泣」
大「違う、怒ってないよ。」
え、
それってどういう…
藤「どうしたの?って…あぁ、」
涼ちゃんまで
そんな目で見ないで
もうわかったでしょ
俺ってこうい人間なの
大切な人に嘘ついて
騙してでも
こんなこと繰り返しちゃうの
ばかだよね
死にたいよもう
決めたよ
藤澤side
手当をしてT字のカミソリも結局没収
寝る時は同じ部屋
若井の部屋のドアは常に開けておく
髭を剃る時は僕か元貴の目の前で剃る。
カミソリも毎回髭を剃る時間にだけ渡す
そういう約束をした
でもこれも全て若井が作ったルール
どうしても自傷行為を辞めたいから。と言っていた。
どうなんだろう。また何か刃物を見つけては傷つけてしまうんじゃないかな
そうなる前に、話して欲しいのに
あれ、若井がいない
大森side
藤「若井どこ?」
大「え?部屋かリビングじゃないの?」
藤「いなかったよ?」
大「うそっ、…」
それを聞いて血の気が引いた
若井ならありえる
すぐに玄関へ向かったが若井の靴はあるので外には出ていないと思う
若井の部屋に入るが、確かに若井は居ない
ベランダの窓が開いてる
それを見て、僕と涼ちゃんは目を合わせた
何も話さず、そのまま2人でベランダへ向かう
ベランダには何も無くて
見たくないけど
信じたくないけど
下を見下ろす
赤黒いなにかが落ちてる
あれは何?
誰かの洗濯物だよ
きっと落としてしまったんだね。
良くあること。
藤「もとッ、…」
大「若井探そうか。」
藤「いやっ…あれ…、!」
大「洗濯物だよ。誰かが落としちゃったんだと思う。今はそんなの拾ってあげてる時間はないよ。」
藤「え、?」
藤澤side
あれは若井
確実に
でも元貴は洗濯物だと言い張る
絶対に違う
人だ
若井だ
しばらくベランダに立ちつくす
早く救急車呼ばなきゃ
でもここは8階
間に合うかな
呼ばなきゃ
でも動けない
どうすれば、
大「涼ちゃん?」
藤「あ、」
大「早く若井探そう。」
藤「うん、」
認めたくないのはきっと元貴も同じ
きっと1階へ降りて見に行けばあれが若井だとわかってくれる
でもこの状況の元貴にそんな若井を見せていいの?
壊れちゃうよ、元貴が
どうすればいいの、若井
やっぱりあの時の選択は間違えてたのかな
ごめんね
あの後、通りすがりの人が若井の死体を見つけて通報してくれた。
僕たちは何もできずに
お葬式の準備が始まった
元貴は未だに信じていなくて
警察に捜索願を出したい。という話をよくされる。
若井、若井のその選択もきっと
間違いだよ。
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コメント
3件
めっちゃ感動した😭本当に泣いちゃった。
やばい…途中、うるってきちゃって、読み終わった後は思わず涙流れてた。