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一話 始まり
神様がいるセカイは、喜怒哀楽の4つで分けられている。
神様の神秘麗華(しんぴれいか)のいるセカイは楽のセカイ。
楽のセカイは、いつも賑やかで、上級・中級怪異はほぼ現れない平和なセカイだ。
楽のセカイには「エール屋」という何でも屋がある。麗華の前の神がやっていた何でも屋だ。
神様がなんで何でも屋なんかやるのかは謎だが、前の神が消える前に「何でも屋を引き継いでくれ」と言われたため、やる事にしたのだ。
「はぁ……何でも屋とか面倒くさ」
ため息をつきながら独り言を呟く。胸下まである髪を結び、エール屋に入る。
麗華が生まれた時からあの方(前の神)が何でも屋をやっているのは知ってたが、入ったことはなかった。
机の上には書類がいっぱい置かれていて、汚かった。そう、前の神は掃除が大の苦手だったのだ。
麗華は、嫌々ながらも掃除を始めることにした。
「にしても……なんでこんなに汚くなってんだよ」
2度目のため息をついてから、掃除に取り掛かる。
数時間経ち、綺麗になった部屋を見回しながら呟く。
「やっと綺麗になった……疲れたぁ……」
ゴミ屋敷まではいかないものの、物が適当に置かれていたりと色々大変だった。
置いてあるソファに腰を掛ける。
これからこの場所で何でも屋を始める。
やるからにはきちんとやる、それが麗華。
これが全ての始まり。
◇◇◇
それからは、掃除代行や怪異に怯える人々を助けたりと、色々やっていると数年が経っていた。
「もう、数年経ってんのか……やっぱり、時の流れは速い……」
神様の寿命はおよそ10万年ほど。
それまでには新しい神を作り上げ、立派にしなければならない。
だが、まだ麗華は1000歳ほど。
神様からすればまだまだ子供の方。子供ではないが。
すると、扉が開く。
「あの、依頼をしに来たんですけど……」
若いスーツ姿の女性が来る。少しだけ息を荒くしながら入ってくる。
麗華が案内し、女性が椅子に座る。
「私は宮町と申します。狐岡神社の巫女を普段はやっているのですが、狐岡神社の神様、狐尾様は怪異にとても弱いのです」
「へぇ……」
狐岡神社とは舞花町の神社だ。狐岡神社は、楽のセカイで有名な神社で、狐の神様がいるらしい。
その神様が、狐尾様、というわけだ。そして依頼人は狐岡神社の巫女。
「数日前、狐岡神社に怪異が発生してしまったんです。初級怪異なのでなんとか祓えたんですが……今日、中級怪異が現れてしまったんです。なので、それを祓って貰いたくて……」
宮町は、少し目線を落としながら、淡々と説明していく。
「つまり、狐岡神社の怪異を祓ってほしい、という依頼だな?」
怪異にとても弱いのに初級怪異を払えるならそこまで弱くないのでは?と思ったが、中級怪異は弱いなら払えないだろう。
麗華は、宮町の目をまっすぐ見る。
「はい」
宮町は、麗華の目をまっすぐ見つめる。宮町は握ってる拳に、少しだけ力が籠る。
「その依頼、承った。狐岡神社まで案内してくれ」
ふっと息を吐き、立ち上がる。すると、宮町も立ち上がり、麗華の前に立つ。
宮町は、笑って言う。
「案内なら、任せてください」
コメント
1件
うわっ、これめっちゃ面白い予感!!✨ 神様が何でも屋やってるって発想がもう天才すぎるでしょ〜😭💕 麗華様が「面倒くさ」って言いながらもちゃんと掃除するギャップ萌えしたし、宮町さんの握った拳に力込めてる細かい描写がリアルでエモい…! 怪異祓いの依頼、どうなるのか超気になる!!次話も絶対読むからね📖🔥