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はい!
前回の続きから!
今回は短めかも!
それでは、地雷がある方は逃げてください(借金組です)!
本編スタート!!
〜シャークんSide〜
昨日、知らない人に話しかけられた。
近所の人だった。俺と仲良くなりたいらしかった。
俺も、仲の良いご近所さんがほしかったから、彼と少し会話をした。
そして、何より、
俺は、彼のことが好きになってしまったらしい。
名前はきんとき。歌うことが好きで、生まれてからずっとこの土地に住んでいる。
優しくて大きな群青色の瞳からは、太陽のような温かさが感じられる。表情をコロコロと変えて話を聞いてくれる彼に、俺は少しずつ惹かれていった。
別れ際、彼は「またお喋りしようね。」と言って微笑んでくれた。
優しい人だな、と思った。
今日はいるかな?
そう思い、少しだけ胸を高鳴らせながら、今日もまた公園に向かった。
でも、向かっている最中に、ふと、頭の中に1つの不安が浮かび上がった。
彼は、俺のことを恋愛対象として見てはいない。そして、俺は、男なのだ。
きんときは、同性愛についてどう思っているのだろうか。
もしかしたら、そういうのは嫌かもしれない。もし、そうだったら、俺は……
き 「あれ、シャークん?」
シ 「うわ゙ぁ?!」
いきなり、後ろから声をかけられて、俺の肩は跳ね上がった。
シ 「き、きんとき…!」
き 「ごめんね、驚かせちゃった?」
後ろに立っていたのはきんときだった。
シ 「どうしたの…?」
き 「えっ…とね…… 」
すると、きんときが急にモジモジしだした。
シ 「…?」
き 「シャークん、いないかなって思って、来たんだけど……」
シ 「…!マジ?」
き 「うん…」
シ 「俺も、きんときとお喋りしたくて公園向かってた!」
き 「え…ほんと?」
シ 「うん!」
き 「はは、意見一致だね。」
そこで俺は、少し思い切った提案をしてみることにした。
シ 「……ねぇ、これからどっか行かない?近くにいいお店とかないかな?」
き 「あ、いいね!あるよあるよ!紹介するね〜」
シ 「やった!じゃあ行こ!」
きんときは、快く了承してくれた。俺は、嬉しさではち切れそうなほどに跳ねている心臓をこっそり押さえ、きんときの後ろをついて行った。
〜きんときSide〜
それから俺とシャークんは、俺がよく行くファミレスに行った。
そこでシャークんと色々な話をした。
シャークんには、友達がたくさんいること。運動神経がよくて、アスレチックが得意なこと。友達には、あだ名で“シャケ”と呼ばれていること。俺もそう呼んでいいかとたずねると、笑いながら許可してくれた。
き 「シャケって面白いね。」
シ 「そう?俺はきんときの方が面白いと思うけどな。」
その時。俺の視界に、ある光景が映り込んだ。
それは、俺とシャケから少し離れた席に座っている、2人の男性だった。
手を繋いだり、頭に触れ合ったり、仲が良さそうだった。
友達ってより、恋人っぽい?
き 「あのさ、シャケ」
シ 「…?何?」
気がつけば、俺はその事を口に出していた。
き 「シャケって、同性愛のこと、どう思う?」
シ 「……え?」
意表をつかれた、そんな顔をしていた。
き 「……あっ、ごめん!!急に変なこときいて!!これはッ、その……」
シ 「嫌、ではないかな……」
き 「……え?」
今度は俺が意表をつかれる番。え、今、なんて……?
シ 「嫌だとは思わないし、変だとも思わない、けど……。きんときは…?」
き 「俺も、嫌じゃない。」
シ 「そっ、か……」
俺たちの間に、気まずい空気が流れた。
俺のせいだー!!ごめんなさいっ!!
き 「ごめんね、なんか。」
シ 「い、いいよ、別に。謝んなくても……」
その日は、すぐに家に帰った。
俺とシャケは、帰り際にまたいつもの空気を取り戻し、次もまた会う約束をして、別れた。
シャケは、同性愛は嫌じゃないらしい。
それなら、もしかしたら……。
そんな淡い期待は胸に押し込み、俺はベッドに倒れ込んだ。
き 「恋人……か。」
それは、あまりにも夢物語に聞こえて、それでいて、案外すんなりと成り立つ関係なのだ。
俺とシャケが、同じ気持ちだったら。