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これは後日談です!
まだ1話を読んでいらっしゃらない方は1話から読むことをおすすめします。
それでは、楽しんでいってね!
視点 トントン
書類を片付けながら目頭を押さえる。戦後処理に追われてまた徹夜をすることになった。最悪なことは書類に追われることだけじゃない。隣で同じく書類を捌いている我が軍の総統様の機嫌が恐ろしいほど良いのだ。あのバリトンボイスの鼻歌が聞こえて来るほどなのだ恐怖で作業効率も下がる。新しいお気に入りが初めて〝お遊び〟に参加するといつもこうだ。自分の予想を越える事が起こると五歳児は喜びで鼻歌を歌うほど舞い上がる。本当の五歳児よりタチが悪い。今回は桃色のことだろう。まさしく天の声にふさわしい活躍だった。
その時のことを思い出す。
『スットプ。』
インカムから流れた聞きやすいその声で一斉に全員がとまる。何事かと思えば戦上のど真ん中にいるシャオロンへの指示だとわかる。
『そこの赤い屋根の家の脇道はいれ。』
「はぁ?、、、わかった。」
『次はそのまま真っ直ぐその次は目の前の塀越えて、右に曲がって道のりにしばらく進めば、あら不思議。敵さんの裏にとーちゃーく。」
「何で?!」
シャオロンの素っ頓狂な声が聞こえてくる。その反応を見るにどうやら本当についてしまったらしい。
『コネさん6時の方向にスナイパーが二人、カウントに合わせてしゃがめ、5.4.3.2.1.0!』
「ロボロお前、まじか!!!!!」
コネシマの五月蝿い声が響く。それに驚く暇もなく次に次にと指示を出していく、まさに天から見ているようなその指示にしばらくの間ポカンとしてしまった。感心していればいくつもの部隊から通信が入る。一気に発せられたその報告に司令塔も皆怪訝な顔をした。
「負傷者が、南門に敵がスナイパーを持っていてこっちは完了しました。隊長が3人いません!鬱様が突っ込みすぎで、ガバって!!戦車発見。爆弾が複数いて手がつけれません見えません!」
『負傷者は医療担当に引き渡してそのまま進んでええよ。スナイパーは大先生に任せて、ガバは後で締めとくわ。突っ込みすぎた一般兵は一旦戻って隊長に指示仰いでな。3人ならシャオロン隊で行けるやろ、爆弾は解剖班を今向かわせてるから一箇所にまとめて、ひとらん隊は半分コネシマ隊の二班と合流。近くの高台登ればよく見えると思うで。コネシマ、お前はなんであの一瞬でそこに迷った!!!』
「お前聖徳太子かなんかか?!」
それを言ったのは誰だったか。
何人もの報告で意味のわからない言葉になっていた情報を全て一度に聞き取り、解決策を出した男に感心を通り越して面白くなってきたであろう五歳児が邪悪な笑いを浮かべている。本当に恐ろしいものだ。どっちがと言われればどっちも。
そんな思い出しは、発作を起こした五歳児によって終了させられた。また面白い奴が入ったものだ。
最後までご覧いただきありがとうございました!
次の作品でお会いしましょう!