次の日のお話。
甘々
ゆるゆる
夜のいろいろをしたという前提
影山side
昨日は何があったっけ、そう考えてみても、朝だからか、それとも昨日の行為のせいか頭が回らない。
「ん…あたま、ぼやぼやする…」
「おはよ、トビオ」
そのたった六文字だけでも、あなたが発すると心が温かくなるのはなぜだろうか。
「腰、痛いよね、ごめん」
「いや、俺が誘ったんで、しゃーないっす」
俺は別に嫌じゃなかったんで、なんて呟きながら及川さんに抱きつく。
裸とか今更なんでもない。
「そっか…でもごめん、ここまでするつもりじゃなかったのに…」
どこまで優しくするんだあんたは。
俺は、及川さんが必死に求めてくれて、いつもは見れない余裕のない表情を見れて俺は嬉しかったです。なんて、絶対面と向かって言えないけど。
「及川さん好きです」
「俺も好きだよ」
「なんか…心臓がぽわってなりました」
「…お前それ無意識に言ってんの?」
なにを意識すればいいんだ…
「…っす、?」
俺の頭は、はてなでいっぱいだ。
「あぁ”~もう、朝ごはん持ってくるから待ってな」
「っす!」
及川さんは、お前ほんと楽しそうだね…、などと呟きながら部屋から出た。
その、ほどよく筋肉のついた腕をひきとめられたらよかったのに。
「なんか、さみし、」
腰が痛くて立てないのが、起き上がることはできた。
しんと静まった、さほど広くない部屋の隅っこにあるベッドのシーツは、真っ白だった。
「及川さん、すきです、ずっとずっと」
「…なんてな、」
あんたには、なんど伝えても伝えきれない気がする。
「俺もすきだよ、ずっとね」
目の前にはいつの間にか及川さんが。
「っ…!?」
驚きすぎでしょ~、なんて言いながらケラケラ笑う及川さん。
まさかいるとは思わなかった。
「はい、あーんっ」
「っん……あー、ん…うまいです」
少し…というかかなり恥ずかしかったが、圧に負けて口を開くが、いつもより美味しかった気がした。
夏なのに暖かいスープとか俺は生理で寝込んだ女か、など心の中で突っ込んでしまったが、そんな彼の優しさに感動する。
「でしょ~」
「…はい」
ずっと一緒にいられたら、なんて、あるかもわからない未来を願う。
END_