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> 『逃げんなよ』>
指先が絡む。
一瞬だけ、息が止まった。
「っ、あ……」
配信中。
メンバーもいる。
コメント欄も流れてる。
なのに。
あっとの指は離れない。
『まぜ?』
「……な、に」
名前を呼ばれるだけで心臓が跳ねる。
『ちゃんと聞いてた?』
「聞いてるし……」
『ほんとに?』
低い声。
優しいのに、妙に意地悪だ。
「……配信中なんだけど」
『だから?』
「だからって……っ」
言葉が続かない。
その横で。
けちゃが静かにコントローラーを置いた。
『……お前らさ』
「っ!!」
『バレるって』
空気が止まる。
数秒。
そして。
『え?』
ちぐさの声。
『……え、なにが?』
「け、けちゃ!?!?」
まぜの声が裏返る。
でも、けちゃは平然としていた。
『いや別に?』
『ただ距離感終わってるなって』
『……特にあっとくん』
「は?」
あっとがようやく顔を上げる。
『だってずっと、まぜのこと見てるし』
「っ、」
心臓がうるさい。
『え!?!?!?』
ちぐさが爆笑した。
『やっぱそうじゃん!!』
『さっきから思ってたんだよね!?』
「ちぐちゃん黙れって!!」
『え、待って、え!?』
『あっとくん嫉妬してる!?』
『まぜのこと好きなの!?!?』
「っ、はぁ!?!?」
叫んだのは、まぜ。
なのに。
隣のあっとは否定しなかった。
ただ。
絡めた指に少しだけ力を入れて。
『……だったらダメ?』
小さく、そう言った。
蔧@スパレイ&スパスマ
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