テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

「雅輝が普段はすっげぇ真面目なんだという説明を、後ろにいるふたりに丁寧に説明していたところだ」

「そんなことをわざわざこの場で言わなくても、わかっていると思うのに」


見ていたパンフを膝に置き、ちょっとだけむくれた宮本に、橋本はプッと吹き出した。


「真面目なヤツが、峠であんな運転するのかよ」


橋本のセリフを聞いた和臣も、つられるように口元を押さえてクスクス笑う。


「うわ~、俺ってばこれじゃあ、真面目じゃないみたいじゃないですか」

「宮本さん、ギャップ萌えですよ」


しらけた笑いを皮膚の上に浮かべた榊が、胸の前に腕を組みながら宮本に助け舟を出した。どこか弾んだ声の調子を耳にしたからこそ、橋本はルームミラーで後部座席をチェックする。その視線に気がついたのか、ルームミラーに映る榊の瞳が意味深に細められた。


「橋本さんはそうなんでしょ? そういうギャップのある宮本さんのことを好きになったくせに、そうやって誤魔化すんだから!」

「ごっ、ごまかしてなんていないさ。雅輝の隣は居心地がいいから、一緒にいるだけだし……」


しどろもどろに答える橋本の様子を助手席で見ていた宮本は、満足げに微笑みつつ口を開く。


「俺は陽さんにギャップ萌えしてますよ。だって――」

「雅輝ストップだ。おまえが余計なことしか言わない気が激しくする」

「俺は宮本さんのギャップ萌えが、ぜひとも聞きたいで~す!」

「恭ちゃんやめなよ、みっともない。こういうのは、ふたりだけの秘密にしておきたいことなんだからね!」


和臣が窘めたことで榊がうっと黙り、橋本の鋭いひと睨みで宮本が黙り込んだため、車内に静寂がおとずれた。

奇妙な沈黙をそのままにインプは4人をゴーカート場まで、安全運転で運んだのだった。

loading

この作品はいかがでしたか?

0

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚