良仔は、今度朱未のお店のアクセサリーを見せて貰う約束をして、二人は帰宅した。
(もう三十だし、あたしも仕事か、結婚を決め無いといけない。仕事はどうにか探せても、結婚は相手がいる。母親に言えば、待ってましたとばかり、色んな人に結婚相手に適当な人はいないか声をかける。それが嫌だ…仕事も長く続けたいものは今の仕事で、これも母親にバレたら『即刻止めなさい、皿洗いとクラブなんて情けない』と言うだろう。)悶々としながら帰宅後、スマホのゲームをやっていた。
良仔は朱未に今日のお礼のメールをうった。朱未から以外な返事が来た。「個展に、あたし達の後から入って来た、女の人、覚えてる?彼女以前エンパイアに居た人だよ。あたしとすれ違いぐらいに辞めたけど。」「ホント⁉彼女気付いたかな?」「私の事は覚えて無いみたいだったけど。彼女はママの客と外で食事したらしくって、マネージャーがママにチクったのよ。ママが彼女を呼びつけて『泥棒ネコみたいな事しないで頂戴!』って言ったから、店中が炎上して大変だった。」「悪いのはマネージャーだね。黙っていれば良いものを…」「そうそうバカな男で、それ以来みんな彼の事が嫌いになったわけ。」
良仔は(まあ、深入りは止めたほうが良い)と思った。(しかしあの教授なら色んなクラブを知っていそうだ。バッタリ会わない様に気をつけなきゃ。)ママの客だったりしたら、知ってるってだけで気にいらないだろう。
彼女はまた本格的に就職活動を始めた。