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「どういう意味かい?僕があまりにのんきだと言いたいの?夕べ君が打ち明けてくれたことを真剣に考えていないとでも?とんでもない、真剣そのものだよ 」
「ううん・・・そういうことじゃないの、あなたがのんきだとは思っていないわ・・ただ・・・よく私の顔を我慢して見ていられるなって・・・」
明るい日差しの元で、しらふでこういう話題に触れるのは恥ずかしいけど、確かめずにはいられなかった
「だって・・・あんな話を聞いたら私の事をややこしい女だと感じるでしょう?不感症の・・・・あなたはきっと私にあきれてしまうに違いないと思っていたけれど・・・・ 」
彼が額にしわを寄せて言う
「君の目に映る僕は、すいぶん情けないヤツなんだね 」
私はかぶりを振った
「そんなことないわ!ただ・・・あなたは私を見るたびに私がされたことを思い出して、嫌悪感を起こすのじゃないかって・・・ 」
彼は私の顔を両手で押さえ、しっかり自分と向き合わせた
「君を見る時は君自身しか僕の目には映らないさ、君の美しさ・・・知的な光を放つまなざし、僕を理解してくれようとする包容力・・・ポポやいろんなものに対する君の優しさ・・・愛情・・・僕にはそれしか見えないよ、そりゃあ・・君がされたことの数々に嫌悪感は感じていても、君が嫌になるなんてことは決してない、鈴ちゃん・・・・君を愛している・・初めて会った時からずっと君を愛しているんだ 」
私は感動して息をのんだ、同じ言葉を返したかったけど、目にどんどん涙が溢れて、喉を熱い思いがつっかえて、上手く言葉が出てこない
「初めて会った時?私はあなたを車で轢きかけたのよ・・・」
「実際には轢かなかったし、君は死にかけの僕を連れて帰ってくれて助けてくれたじゃないか、ポポみたいに・・・ケン兄にそれを言うと、とても怒られたよ、あれでもう試合前の無理な減量は、やめることにしたんだ」
クスクス笑って二人は抱き合った