アンジェリカの部屋を出た後で、マディはまっすぐに皇太子宮へと向かっていった。
皇女の専属侍女という立場を失うわけにはいかない。
せめて皇宮には残れる手はずを整えなければ。
「フレデリクさま! 筆頭侍女におとりなしください!」
廊下の床に這いつくばってフレデリクの長い脚にすがりついた。
なりふり構っている余裕なんて、今の彼女には残されていない。
「皇宮で働けるよう、どうか……!」
フレデリクは足元を見下ろし、心底嫌そうに顔をゆがめた。
(この女に侍女として働けるだけの器量や実力はない)
フレデリクにはその確信があった。
自分の欲に忠実で、何もできない。
だからこそ自分が駒として使うのにはちょうど良い存在だった。
何も持**********
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