祝! 素人童貞卒業おめでとう俺!
夢で抱く日和も可愛いけどそれ以上にリアルの日和は死ぬほど可愛かった。
なんなのあの生き物!? 白くてちっちゃくて肌が綺麗で柔らかくて、凄く甘い味がして……とにかく最高だった。
ヤリチン野郎とか言われて逃げられちまったけど、あんなに顔真っ赤にして照れて、夢の中の素直な日和も可愛いけど、照れ屋な日和も可愛いなぁ。
日和に淫魔だってことをカミングアウトしたけど理解していたのだろうか。
洸夜は生まれた時から淫魔だ。母親が淫魔で父親は普通の日本人。淫魔と日本人との子供は大抵淫魔が産まれる。
淫魔だからと言って子供の頃から人間の精気を吸わなければ生きていけない訳では無い。子供の頃は普通の食事だけで栄養は賄えるし、淫魔だからと言ってむやみに異性を誘うフェロモンとは出たりしない。出たりしないと言うよりも自分自身で制御できるからだ。
だから淫魔として生まれても普通の子供のように何一つ困る事なく育てられてきた。
どうしても大人になると食事だけでは賄えなくなり、夢に入って精気を吸ったり、本当にセックスをして精気を吸ったりするが、吸うと言うより性的欲求を満たしてもらうって感じの方が近い気がする。
洸夜は日和以外の夢に入ったこ事もなければ他の女とセックスをした事が無無い。
(あ~本当日和が可愛すぎてつらいわ)
日和の匂いが残ったソファーにもたれこみスーハァーっと残り香を吸い込むように息を吸う。
(あ~本当良い匂いだ。やば、日和の匂いだけで勃起するわ)
スーツのチャックを下ろし、徐に勃ち上がった男の性を出す。
「はっ、日和……好きだ……日和……」
先端から溢れ出す透明な液体が纏わり付いてぬちゃぬちゃといやらしい音を出す。動かす手が止められない。
「日和……ずっと、ずっと好きなんだ……くっ……」
洸夜は五歳の時からずっと日和の事だけが好きだった。
洸夜は五歳の時に母親に捨てられた。理由は未だに……分からない。
『お母さん、買い物に行ってくるから少しの間お留守番宜しくね』
そう言って大きな荷物を持った母親はその日帰ってくる事は無かった。
泣いて、泣いて、声が枯れるまで泣き尽くした頃に父親が仕事から帰ってきた。
父親にどうしてなんだ、なんでなんだと五歳ながらに母親が出て行った事に気づき問い詰めたが教えてくれる事はなかった。日を改めて聞いても母親の話を出すと機嫌の悪くなる父親、いつの頃だったか聞くのをやめた。いや、もう聞く事を諦めたに近かった。
「あ……くっ……ひ、より……」
キスしてぇ、日和の甘い匂いを存分に嗅いで、日和の柔らかい胸を揉みまくって、熱いアソコに俺のを腰が砕けるまでぶち込みたい……
母親が急に居なくなり父親は仕事が忙しい事を理由に洸夜に家政婦をつけて、幼稚園の迎えも家政婦、食事を用意してくれるのも家政婦、けれどどれも業務的で五歳の洸夜にはストレスだった。
家政婦に公園に行きたい、と言ってたまたま連れてきてもらった近所の公園。よく母親と二人で手を繋ぎ歩いてきた公園だ。遊具もブランコと滑り台しかないような小さな公園だった。それでも母親と一緒に落ち葉を集めて遊んだり、ブランコに乗って後ろを押してもらったり、滑り台から滑る洸夜を見て「凄い! 早い!」と手を叩いて喜んでくれたり、小さな公園でも、母親と二人で凄く楽しかった。
楽しかったのに、どうして俺を置いて居なくなったんだよ……ずっと我慢していた涙がそこにいない母親を思い出してしまい溢れ出す。幼い瞳はたくさんの涙で視界を掠めた。
『なんで泣いてるの? 大丈夫?』
突然女の子に話しかけられ慌てて涙を手で拭う。五歳の男の子でも女の子に涙を見られるのは嫌だった。
『な、なんでもねぇよ……』
『そっか……じゃあ元気になるまで日和とお話ししよ』
『べ、別に元気がない訳じゃないからな』
『そっかそっか、ねぇ、お絵かき好き?』
木の枝を持ってきた日和は徐に地面に絵を描き始めた。
『はい、ニコニコ笑顔の~名前なんて言うんだっけ?』
『オレ? 洸夜だけど』
『ニコニコ笑顔のこうやくーん!』
日和が地面に書いた絵はニコニコ笑っている洸夜の似顔絵だった。お世辞にも上手いとは言えない似顔絵だったが洸夜は凄く嬉しかった。目がにっこりと一本線で書かれた顔。自分のために書いてくれたことが、五歳の日和の優しさが、ギュッと心臓を締め付けるくらい嬉しかった。
『に、似てねぇし』
『似てると思ったけどなぁ。じゃあこうやくん、ブランコで遊ぼう!』
洸夜と日和は日が暮れる直前まで二人で遊んだ。
「はっ、あの時の日和は天使みたいに可愛かったな……くっ、あーやばッ」
せり寄せる波に手の動きが速くなる。
(あの後公園に何度行っても日和には会えなかったんだよな……)
数週間経ってから日和は引っ越してしまったんだと公園にいた知らない子供のお母さん達の話で知り、もうあの天使のような笑顔が見れないのかと思ったら五歳ながらに絶望した。
子供の洸夜には日和を探す力もなく、父親が金を持っていても子供の洸夜には探偵を雇う金も無い。高校生になりやっとバイトが始められコンビニでバイトを始めてはバイト代は全て貯金し、五十万貯まったところで探偵事務所に駆け込んだ。
いかにも探偵です、と言いそうな風貌の男が三週間かけて日和の現在地を調べてくれ、やっと会える……と嬉しくて泣きそうになった。
探偵の男が見せてくれた高校生の日和は五歳の頃の面影はそのまま、ロングヘアーの黒髪をなびかせて天使のような笑顔だった。今もまだその写真は額縁に入れて自宅に飾ってある。
日和はパティシエになる為に高校を卒業したら専門学校へ行くらしい。探偵が言っていた。
『日和さんは立派なパティシエになるまで絶対に彼氏を作らないと友達に宣言していました。今もケーキ屋で週五でバイトをしているそうです』
洸夜は日和の意思を尊重し、夢に向かっている日和の邪魔だけはしてはいけないと思い、会いに行く事を我慢した。会いに行く事は我慢したが居場所が分かったら夢の中に入る事はどうしても我慢できず毎晩のように日和の夢に入り擬似彼氏のような夢を見させた。
それに大人になり自分も食事だけじゃ精気を賄えなくなってきたから、夢の中で日和を思う存分抱かせてもらい、たくさんの愛を告げてきたつもりだ。
「高校生の日和も可愛かったけど、大人の魅力に溢れる日和も……くっ……色っぽくて……」
脳裏にフラッシュバックする日和の艶っぽい表情に、真っ白で綺麗な身体。
(あーあの綺麗な身体にぶっかけて俺ので汚してやりてぇな……全部、俺色に染まれば良いのに……)
息が詰まる。ドクドクと脈打つ熱棒からビュルっと勢いよく白濁した液が飛び出しスーツを汚した。
(自分を汚してどーすんだよ……)
はぁ、と深い溜息が出る。
「もっと早く日和の事を迎えに行けてたらヤリチンなんて勘違いされなかったのかな~」
そりゃ女の方から言い寄られる事も何度かあったが一途に日和だけを思っている洸夜はどんなにセクシーな女の前でも男の性が見事に機能しなかった。
(日和にしかこんな風に勃たねぇのにな)
五年前、洸夜の父親がは肺癌で亡くなった。やっと日和が専門学校を卒業し、フランスに留学して一人前のパティシエになって日本に帰ってきた所だったのに。父親の癌が見つかった時は既に遅くてステージ4の末期癌。駆け足のように癌は進行し、あっという間に父親はあの世に行ってしまった。
ハピフルコネクトライフの社長だった洸夜の父親の葬儀の喪主も息子の洸夜がしなければならなかったのと、急な社長の死去で洸夜が次の社長に就任した。目まぐるしい毎日だった。社長業務、経営、色んなことを頭に叩き込みながらも普段の仕事もこなし、完全に日和の目の前に自分が現れる絶妙なタイミングを失った。日和は何度か彼氏を作ってしまうし、もう悔しくて辛くて夢の中で日和の事を自分だけなしか感じられないよう、濡れないように洸夜は日和を抱き潰したのだ。
五年も経ってやっと落ち着いてきた洸夜は日和の元へ現れようとしたが、まさか日和が婚活しようとしてハピフルに現れるとは予想外だった。予想外だったけれどこんなチャンス逃すはずがない。日和を社長室に呼び出して……婚約者にした。
(はぁ、今日は最高な日だな……)
早く日和に会いたい。今まで我慢していた分抱きしめて、キスして、声が枯れるまで日和を抱き潰したい。
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