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整形アプリ 第1話 -もっと綺麗になりたい-

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2021年12月30日

ごく普通の容姿である高1の麻衣は、同じく地味な圭子と友達だった。しかし圭子には正行という彼氏がおり、麻衣は正行に片思いしており。そんなとき「善い行いをすれば整形できる」『整形アプリ』を見つけるが──。

#ホラー#ドロドロ#嫉妬




「麻衣、おはよう!」




私に声を掛けてきたのは、友達の圭子だ。




そしてその隣には──。




クラスメイトの正行が、圭子と手を繋いでいる。




2人は恋人同士。




「宿題、やってきた?」という、圭子の顔はいたって普通。




ううん、私より地味な顔立ちだ。




それなのに、どうしてあんなイケメンが彼氏なの?




私なんか、高1なのに彼氏ができたことがない。




そりゃ、圭子はスタイルはいい。




でも、胸がちょっと大きいだけに過ぎない。




「圭子、週末は水族館に行こうぜ」




正行が微笑むだけで、私の胸は熱くなる。




最初に好きになったのは、私のほうなのに…。




「いいよ。じゃ、麻衣も行く?」



「私はいいよ…2人で行ってきて」




自分に自信がないから、告白なんてできなかった。




それなのに、正行が圭子に告るなんて。




どうして私じゃないの?




仲良く寄り添う2人の背中に、問いかける。




ねぇ、どうして?





*****




その夜、家の鏡と睨めっこをする。




笑ってみても、澄ましてみても、鏡の中の私は『普通』だった。




目は一重で、鼻は団子、歯並びも悪い。




愛嬌があるって子供の頃から、よく言われる。




でも私が欲しいのは、そんな言葉じゃない。




『可愛い』や『綺麗』だと言われたいんだ。




そうするには、やはり『整形』しかないけど…。




お金もないし、顔にメスを入れる勇気もなかった。




私はぽっちゃりしてるから、少しでも痩せれば顔つきも変わるかも…。




良いダイエット方法はないかとスマホで検索する。




「楽に痩せたいけど……ん?」




ある言葉が目に飛び込んできた。




『整形アプリ?』




「なにこれ?」




とりあえずサイトを開いてみる。




名前と写真を登録するらしい。




自分の顔を、アプリ内で整形できるのかも?




それならやってみようかと登録をし、自分の目元にタップしてみる。




『二重瞼にする』【300ポイント】




「ポイントがいるの?課金とか嫌だな」




呟きながら、ポイントの貯め方を探していると──。




『整形アプリは【善行】をするとポイントが貯まります』




「善行?良い行いってこと?」




なんだか意味が分からず、私はすぐにアプリを閉じた。




だってこんなことをしても、本当に整形できるわけじゃない。




「あぁ、綺麗になりたい」




心を込めて呟く。




もっと綺麗になれば、正行とだって…。




*****




「あのっ、落としましたよ?」




前を歩いていた女性がハンカチを落としたので、拾って渡してあげた。




すると、スマホが震えたんだ。




「あっ、整形アプリ。まだ削除してなかった」



『10ポイント貯まりました』




「えっ、貯まったの!?」




驚いて声を上げる。




ハンカチを拾ってあげたことが、善い行い、つまり善行というわけか。




300ポイント貯まったら、二重瞼になる。




あくまで、アプリ内の話だけれど…。




もともとゲーム好きな私は、頑張って300ポイントを貯めることにした。




お婆さんの荷物を持ってあげたり、迷子を保護したり…。




どれも10ポイントずつだけど、確実に貯まっていく。




「あっ、良かったら先にどうぞ」




レジで並んでいたお年寄りに、順番を譲る。




すると、スマホがポイントが貯まったことを知らせてくれた。




「あっ、300ポイント貯まった!」




すぐに『二重瞼にする』を選択すると、アプリ内の私の目が大きくなる。




二重瞼になると、こんなに印象が変わるんだ。




でも、あくまで仮想の話。




そう、それだけの話なんだ──。




*****




「えっ…!?」




朝、顔を洗って鏡を見た私は、思わず絶句する。




「うそ…でしょ?」




自分の目が、二重瞼になっていたからだ。




恐る恐る瞼に触れてみると、とても自然だった。




これって…現実に整形できるの?




『整形アプリ』は善行をすれば、本当に整形できるんだ!




善い行いをして綺麗になれるなんて、最高じゃない!




「麻衣、帰りにカラオケ行かない?」



「…うん」



「どうしたの?」



「圭子、なにか気づかない?」



「えっ、なに?」と、本当に気づいていない様子だ。




初めっから、二重瞼ということなんだ。




圭子と隣には、カッコいい正行が微笑んでいる。




もっと綺麗になりたい。




圭子より私のほうが、彼女に相応しいんだから。




もっともっと、綺麗になりたい!

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コメント

13

依存しちゃうよよよよ、こわいこわい
めっちゃ面白そう!!楽しみ!(ノシ`>∀<)ノシ バンバン

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