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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
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注意!


・二次創作です!公式に迷惑がかかることは辞めようね!

・rnちゃんが誘拐されます。そしてモブに痛めつけられます

・暴力表現有り

・モブレがほんのりと香っております

・seちゃんがヤンデレ

・微sern


以上のことが許される方だけ、お進みください!

地雷配慮してないよ、おけ?







──⋯天使が、見えたかと思った。


仕事で上司にこき使われ、残業して、家に帰って虚しく眠って、また起きて。

人生の楽しみなどなく、ただ人形のように生き続ける人生だった。


「おじさん!ハンカチ、おとしたよ!」


深緑色の髪に、宝石のように輝いたティファニーブルーの大きな瞳。柔らかそうな唇。ふっくらとしたほっぺ。

ドクンッと心臓が大きく跳ねた。

その子がハンカチを差し出していたので僕も手を出すと、ちょんっと指先と指先が触れる。

温かい子ども体温。

その瞬間、僕は恋に落ちた。


「凛!もう休憩終わりだぞ」

「あ、兄ちゃん!うん、分かった!」


彼───『凛くん』が小豆色をした少年に駆け寄って⋯⋯途中で、なにかを思い出したように振り返る。


「おじさん!またねー、ばいばーい」


そう言って手を大きく振ってくれた。僕は、凛くんから目を離すことが出来なかった。



凛くんを、僕のものにしたい。


凛くんのことを少し調べてから3ヶ月。沢山凛くんの事が分かってきた。

兄弟が居て、あの時凛くんに声をかけた小豆色の髪の毛をした糸師冴くんは彼のお兄ちゃん。

アイスが大好きで、お兄ちゃんと一緒によく買いに行っている。

海で食べて、当たりがでるとポイ捨てしちゃう。

お兄ちゃんとサッカーをやっていて、凛くんのサッカーは小学生とは思えないほどに上手い。


部屋の壁に貼ってある凛くんの写真は、日に日に増えていった。

学校帰りの凛くん。

サッカーの練習をしている凛くん。

アイスを食べている凛くん。

お兄ちゃんに頭を撫でられている凛くん。

笑顔を見せてくれる凛くん。


凛くん。凛くん。凛くん。凛くん。凛くん。凛くん。凛くん。凛くん。凛くん。凛くん。凛くん。凛くん。凛くん。凛くん。凛くん。凛くん。凛くん。凛くん。凛くん。凛くん。凛くん。凛くん。凛くん。


⋯⋯僕のものにしたい。



学校帰りの凛くんを攫うことは、容易いことだった。

いつもはお兄ちゃんと一緒にいるが、たまたまお兄ちゃんが居ない日は少なくない。

人気のない道を通ったところを車に押し込んで、ぎゅっと大人の手で鼻と口を塞ぐ。

酸欠になって苦しそうにバタバタと足を動かすが、ごめんね。今は離せないな。

ふっと凛くんの意識が飛んだら手を離して、持っていたタオルで凛くんの口元を塞ぐ。猿轡代わりだ。


凛くんをお家まで連れ帰ったら、ベッドに寝かせる。このために仕事を辞めて、部屋を綺麗にして、凛くんを迎える準備を整えたんだから!


まだ眠っている凛くんの頬を撫でる。想像していた通りの柔らかさだ。


「⋯あぁ、可愛いなぁ。僕が凛くんのこと好きなように、凛くんと僕のことが大好きなんだよね」


その声は、眠っている凛くんの耳には届かなかった。






「凛、悪い。委員会があるから先帰っててくれるか」

「うん!」


「偉いな」と兄ちゃんが頭を撫でてくれる。嬉しくて、えへへって変な声がでちゃった。


ランドセルを背負って、帰り道を歩く。他の生徒と帰る少し時間がズレてしまったからか、いつもは沢山の人が見えるけど、今日は見えない。

いつも「お化けが出る道」といって人気のない道は、更にしんと静まり返っていて、本当にお化けが飛び出てきそうだ。


(ここ、兄ちゃんと母さんが「人さらいが出る。気をつけろ」って言ってた道だなぁ)


怖くなって、少し足を早める。

そうだ、今日の夜ご飯のこと考えよう。鯛茶漬け食べたいなぁ⋯

なんて思っていたら、後ろから強く引かれて車に引きずり込まれた。


「──ひっ」

「ごめんね、凛くん」


大人の大きな手で、ぎゅっと鼻と口を覆われる。息が出来なくなって、抵抗するように暴れてみても、その人が手を離す気配はない。

顔を盗み見ても、知ってる人ではなかった。やだ⋯やだ!おれ、まだ兄ちゃんとサッカーしたいし、アイス食べたいし⋯やりたいこと、いっぱいあるのに⋯!!


そんなことも虚しく、おれの意識は薄れて行った。






ふわりと意識が浮上する。視界には、知らない天井が映っていた。


「⋯ぅう、?」

「あ、凛くん起きたんだね!おはよう!」


知らないおじさんが居た。

知らない場所に、知らない人。恐怖で思わず手足をバタつかせる。


がしゃんっ!がしゃがしゃっ!


甲高い金属の音が響き渡る。そこでおれは、ようやく自分の手が鎖で繋がれていることに気がついた。


「大丈夫、サッカーするための足は縛ってないからね」


おれの疑問を読み取ったかのように、おじさんは足を撫でながら言う。

その手つきが妙に気持ち悪くて、足で振り払った。


「あは、凛くんは照れちゃってるのかなぁ⋯大丈夫だよ。すっごく、気持ちよくしてあげるからね」

「⋯知らない!おじさんみたいな人、知らない、っ!やだ、気持ち悪い!!」

「⋯⋯⋯」


「予定変更だ」と呟いて、おじさんが俺の手の鎖を解いた。その隙にするりとおじさんの横をすり抜けて玄関へ向かう。

当たり前かもだけど、玄関の扉は固く閉ざされていた。

ガンガンと扉を叩きながら助けを求める。


「助けて!だれか!!たすけ──んぐっ」

「はーい、静かに」


ぎゅうーっと強く口を塞がれる。誘拐された時と違って、鼻から息は出来るけど、それでも苦しくてどんどんとおじさんの腕を叩いた。


「『気持ち悪い』って言ったことと⋯逃げ出そうとしたこと。凛くん、これはお仕置が必要だね」


ぐっとおじさんが手に力を込めて、「分かった?」と聞く。

この人は、その気になれば俺の事を殺すなんて容易いことなんだろう。

気づいた時に上げそうになった悲鳴を、ひ、と喉の奥で飲み込んで、こくこくと頷く。

おじさんは「いい子」と耳元で囁いた。


⋯⋯気持ち、悪い。

吹きかけられた言葉に、鳥肌が立った。



俺が連れてこられたのは、ベッドがある部屋とはまた別の部屋だった。


「凛くん、そこに座って。逃げちゃダメだよ」


おじさんの命令に、腰が抜けたようにその場にへたりこんだ。

おじさんが君の悪い笑みを浮かべると、ベルトみたいなものを取り出した。馬に乗ってる人が持ってるようなやつ。


「これ、鞭っていうんだ。覚えておいてね」


おじさんがその鞭をしならせて床に叩きつける。バシンッと派手な音がして、恐怖で体を引く。


「逃げちゃダメ。そうだなぁ⋯じゃあ30回にしようか」


バチンッ!!!


「───⋯⋯かひゅっ」


痛みで呼吸が、出来なかった。

ぽろぽろと零れ落ちた涙が、床を濡らしていく。


「いーち」


バシンッ!!


「にーい」


パンッ!!!


「さーん」


これを⋯あと、27回⋯?

これから自分の身に起こることを想像して、ぞくりと体が震えた。


「にじゅうろーく」

「ごめんなさい⋯っ!ごめんなさい、ごめ⋯んなさい⋯!!」


「にじゅうなーな」

「やだぁ⋯っ!!もう、痛いのいや⋯っ!!」


「にじゅうはーち」

「ごめんなさい、ごぇんなさぃ⋯!!も、ゆるしてぇ⋯っ」


「にじゅうきゅーう」

「⋯ぅ、ぁ⋯にいちゃ⋯!!たすけて⋯」


シン⋯と部屋が静かになった。恐る恐る振り返ると、おじさんは下を向いて肩を震わせている。


「⋯⋯に、⋯んな⋯⋯」


よく聞くと、小声でなにかを言っているようだった。


「僕のなのに!!僕の凛くんなのに!!」


今までとは比べ物にならないほど強く頬を叩かれた。バシンッと酷い音がして、口の中が鉄の味に染まる。


「ぁはは⋯凛くんは、僕にいじめられたいんだよね⋯?だから、そんなこと言うんだよね⋯?」


狂ったように笑うおじさんは、もはや人間ではない。


「⋯ご、ごめんなさ⋯」


おれの謝罪の言葉は、最後まで紡がれなかった。おじさんが強く腹を蹴ってきたからだ。

酸っぱい味がして、気持ち悪いのがせり上ってくる。特に抵抗することなく、おれは吐瀉物を吐き出した。

口の中が切れていたから、それには真っ赤な液体が所々混じっている。


「凛くんは僕のものなのに⋯僕以外のものじゃ無いのに⋯あぁ⋯苛つく⋯!!」


「あ、そうだ!お兄ちゃんも凛くんと同じ目に合わせちゃおっか!」


ひゅ、と喉の奥で変な音が鳴る。

「いい案でしょ?」と同意を求めてくるおじさんに、おれは小さく震えながら首を横に振った。


「お願い⋯兄ちゃんには、何もしないで⋯!なんでもするから!おれが、なんでもするから!!」

「⋯⋯何でも、ね⋯」


ニヤリ、とおじさんが不快な笑みを見せた。


「それじゃあ⋯ベッドに行こうか、凛くん」






凛が居なくなった。

俺が、先に帰っててと言った日に。

凛はよく寄り道をして帰る。

道端の蟻をじっ⋯と見つめたり、海を眺めてポケーっとしていたり、綺麗な色をした草を摘もうと家とは真反対の方向に進んだり。

それはそれは、両親達にいつも心配されていて、送り迎えしようか?と聞かれるほどに。


短い針が5を指しても、凛は帰ってこなかった。

母さんは、「また寄り道してるのかしら⋯」と呟いていた。


6を指しても、凛は帰ってこない。

さすがにおかしいと皆が思っていた。


7を指すと、大人たちが凛を探し始める。

安全に見つかってくれ。と心から祈っていた。


0を指しても凛がいなかった。

家には警察がいて、泣き崩れる母さんを支える父さん。

「冴は心配するな」と言っていた父さんの顔だって、辛そうに歪んでいた。


──⋯俺が、先に帰ってろって言ったから。


いつもより人が1人足りないベッドはなんだか寂しい。俺の涙が枕を濡らした。




凛が見つかったというのは、それから約10日後のことだ。






家に帰ってきた凛は、前の凛とは違った。

柔らかくて綺麗だった髪は、ギシギシで、

キラキラと輝いていた瞳は、何かに怯えるようにずっと揺れていて、

体や顔には沢山の傷があった。


真夜中、ふと目が覚めて起きたら父さんと母さんが話していた。

母さんは涙声で、

「凛が見つかった時、白いものでぐちゃぐちゃになっていたの」

と話す。

まだ幼かったから『白いもの』が指すものが分からなかったけれど、少し大人になって意味に気づいてしまったときは吐いた。


男は、懲役5年だったらしい。

意味が分からない。どうして凛をここまで苦しめたやつが。

父さんも母さんも、「どうして?」とずっと嘆いていた。

凛の人生をぐちゃぐちゃにしたやつが、たった5年刑務所に居るだけというのだ。

許せなくて、腹の底から熱いものが湧き上がってきて、これが殺意だということに気づくまで、そう時間はかからなかった。


「凛、大丈夫だ。兄ちゃんが絶対守ってやるからな」



───⋯5年後、身元不明の遺体が見つかったが、事件は大した進展を見せず、すぐに風化した。







推しを痛めつけて弱らせるのが性癖です。

Rn虐増えろ

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